カミュ、禁呪に手を染める・・・か?
会議が終わった後、俺はラオンを呼び止めた。
「ラオン、相談したい事がある。時間を取ってくれ。」
ラオンは
「今からでいいか。俺の執務室で。」
と言ったので俺は
「ああ」
と答え、ラオンの執務室についていった。
執務室で俺は
「先ほど会議ではああ言ったが、実はホクリクン攻略の手は2つあると俺は考える。」
と言うと、ラオンは
「なんだ。?」
と聞いてきた。
俺は
「まず一つ。これは無理なんだろうが。」
とラオンを見て言い
「魔王様をこの戦場に呼ぶ。魔王様と俺で敵陣に突っ込む。魔王様は俺よりも魔法力、魔力共に上だ。あの方、というより魔族の特性なのだろうが、防御の呪文が苦手だ。だから俺が防御の呪文を魔王様にかけつつ敵陣に行く、魔王様の攻撃魔法距離になったら、そこで魔王様が攻撃魔法をホクリクンに放つのだ。魔王様の魔法距離については俺より遥かに上だろう。悔しいが。で、俺は魔王様が攻撃呪文を唱える為の魔法防御に徹する。防御呪文に関してだけは魔王様より俺の方が上だろうからな。」
と言い、続けて
「しかしラオン。このことについてはお前は気がついていただろう。しかしこの作戦を実行しないという事は、魔王様がこの作戦に出陣出来ない理由があるからであろう? 」
と言った。
ラオンは
「そうだ、これは申し訳ないがカミュに言うことは出来ないが今、魔王様の出陣を要請することは不可だ。」
と言った。
俺は、言うか言うまいか先ほどの会議中に悩んだ策をラオンに言った。
「だろうな。ではもう一つの策だ。」
「ラオン、要するに今回の戦争の問題点は、軍勢はこちらが有利で力押しをした場合こちらが勝つが、その場合こちらの損傷が多い、それを避けたい。そういうことでいいな。」
ラオンは
「今更・・そうだ。」
と言うので俺は
「で、あれば相手をこちらの犠牲無く引きずり出せばいい、そういうことだな。」
というとラオンは
「くどい。そうだ。しかしその策が思いつかない。」
と言った。
俺は
「であれば、魔王軍ではない者を敵陣に突っ込まさせればいい。そうだな? 」
ラオンは
「そうだが・・・何か手があるのか。」
俺は
「ああ。今から言うことは、ラオン、お前が了承しないのであれば俺が言った事は忘れてくれ。それが守れないのであれば・・・俺は言わない。」
ラオンは俺の様子を見て何かあると察したのであろう。
「わかった、何だ。」
と言った。
俺は
「この作戦の前提は、材料を魔王軍が揃えられる。その前提だ。」
と言い
「俺がかつて禁呪と言われた人造ゴーレムを作る。アイアンゴーレムあたりで十分だろうと思う。その人造ゴーレムをホクリクンに突っ込ませ、敵が出陣した所を我が軍の騎馬隊が急襲、混戦に持ち込み数の力で抑え込み勝つ。ゴーレムは20体くらいでいいだろう。それを突っ込ませる際、俺がマジックシールドをゴーレムにかけておけば敵の魔術師の攻撃は避けることが出来る。こうすれば敵の国境城壁に兵を突っ込ませ破壊出来るとともにわが軍の被害を少なくしつつ敵の軍勢を多数で鎮圧できる。」
俺はラオンを見つめ
「どうする。禁呪を使えば勝てるが。」
と言った。