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カミュ、ゲーリックと話す。

 俺は魔族のアイナ村駐在軍でアイナ村村民権を持つゲーリックと会った。

「カミュ殿とは何度かラオン宰相と剣の稽古をつけてもらった事があります。全く歯が立ちませんでしたから覚えてないと思いますが。」

と言い

「私が何故魔族でありながらアイナ村の村長選に立候補したか知りたいのですね。」

と言ったので

「はい」

と言った。

ゲーリック殿は

「ついてきてください。」

と言い、畑に連れてきた。そこには見たことがない草が生えていた。

「これは魔王領で食べられている食物です。これ一株魔王領で幾らすると思いますか。一株金貨10枚です。」

と言った。

「そんなにするのですか。」

「はい。少しお時間頂けますか。簡単に調理しますので。」

と言い、俺はうなずき少し待った。

「どうぞ。簡単に茹でて塩をかけただけですが。」

と言い、小皿に持ってきた。

俺は食べた。

「うまい。」

とてもうまかった。風味があり、肉の様なコクがあった。

「美味しいでしょう。これ、魔王領では人気のある野菜なのですが、魔王領では気候上大変栽培が難しい植物です。しかし、アイナ村では先ほど見て頂いた畑の様に簡単に栽培する事ができます。」

「このような食物、すなわち魔王領では栽培が難しいがアイナ村では簡単に育てられるものやその逆のものが一杯あると思うのです。また、専門薬の材料となる草についても、アイナ村で採取できる草を元に専門薬の材料は決められていると思うのですが、ここに魔王領で生えている草を加えればかなり専門薬のバリエーションも増えると思うのです。私はそういう事をすべきと思い立候補しました。」

「現在の村長、ジェリマウアーさんはアイナ村の開発を行い、それは実りました。凄いことです。今後は村長が行った開発を更に発展させる為に魔王領とアイナ村の素材をより交流させるべきと思います。それを訴えたい。私は魔族です。人間の村であるアイナ村の村長選に立候補しても当選する訳はない。しかし、私の思うこれらの事を主張する良い機会であり・・・要するに次の村長になる方に訴える良い機会であると考え立候補しました。」

と言った。


「今、この村では喉が痛くなる病が流行っていると聞きます。カミュ殿、ルービュア草と植物学上類似している草を幾つか魔王城城門近辺で採取してきました。これらです。」

と言い、いくつか草を出してきた。

「この中でどれかルービュア草の代わりになるものはありますか。」

というので、サーチの呪文で鑑定し、

「これとこれの2種類ならいけると思います。ただ、実際錬金して試さなければ確実にそうとは言えませんが。」

と言うと

「これらの草なら、魔王領には雑草として幾らでも生えています。ただ、アイナ村では気候上日照が多すぎで栽培は難しいと思いますが。これらをお渡し致しますので錬金して薬を作成して確認してください。もし薬として使えるのであれば、ここ魔族駐屯所にある魔王領への移動の魔法陣を使い、採集して参ります。」

と言った。


 その後、色々と話、植物の事に関し錬金術師でもある俺は非常にゲーリックさんに勉強させてもらった。

 家に帰り、早速貰ったこれらの草で喉の薬を作成し、朝いちばんでハッサン先生に薬についての意見を聞き、効能、安全上の確認が出来たらケルググン殿と魔王領で採取してくることになった。


 帰宅途中、ケルググン殿に

「ゲーリックさんには本当に錬金の材料について勉強させて頂きました。魔族の植物学者ってあのように知識が豊富なのですか。」

と聞くと、

「植物学者にも色々な分野がある。あの分野、植物とその効能については奴はかなり上位な植物学者である。」

と言った。


 家に帰り早速喉の薬を錬金し作成した。従来のルービュア草を用いた喉の薬と同等なものが出来た・・と思った。

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