表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女三姉妹 ~本物は一人、偽物二人は出て行け? じゃあ三人で出て行きますね~  作者: 日之影ソラ
エピローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/50

 三人の聖女が国を出た数時間後。

 置き手紙でそれを知ったデリント王子は、血相を変えて王座の間にやってきた。


「父上!」

「デリント? どうしたのだ?」

「どうしたもこうしたもないよ! これを見て!」


 デリント王子は手紙を国王に見せた。

 国王は驚いた様子を見せたが、一瞬でそれも終わる。

 その表情は、最初からこうなることが分かっていたようにすら思える。


「そうか、三人で出て行ったのか」

「そうなんだよ! あの裏切者が……でもまだ遠くにはいってないはず! 今から追いかければ間に合うよ!」

「いいや、追わなくて良い」

「……へ? 何を言っているの父上!」

「追う必要はないと言ったんだ。彼女たちはもう十分に働いてくれた。そもそも先に見限ったのは我々だ」


 国王は悔いていた。

 偽物を選ばなければいけない状況で、何もしてあげられなかったことを。

 国のために働いていた彼女たちを、こんな形で追い出さなくてはならなかった己の無力さを。

 全てはデリント王子が仕掛けた罠であったと知らず、ただただ後悔していた。


「おかしなことを言わないでよ父上。聖女がいなくなって、この国はどうするんだ!」

「それを今から考える。お前にも働いてもらうぞ」

「違う! そんなことするよりあいつらを連れ戻したほうが早い!」

「ならん! これは王としても命令だ。聖女たちは決して追うな」

「くっ……父上」


 デリントは悔しそうに唇を噛みしめ、王座の間を後にする。

 聖女たちの部屋へ赴き、手紙を開いて破り捨て、椅子を蹴飛ばして声をあらげる。


「ふざけやがって! どいつもこいつも何で言うことを聞かないんだよ!」


 膨れ上がった負の感情。

 彼の中のプライドを傷つけられ、はらわたが煮えくり返る思いをしている。


「父上の命令だろうが知ったことか! ぜったいに見つけ出して、二度と私に逆らえないように調教してやる」


 歪んだ思想は加速し、良くない妄想へと発展する。

 彼はそうして王の目を盗み捜索を開始した。

 三人の聖女は目立つ容姿をしているから、探索はそこまで難しくない。

 予想外だったのは、遥か遠くの国までわたり住んでいること。

 まったく交流のない国へ入ることは、王子である彼には危険な行動ではある。

 だが、そんなことはお構いなしに、彼はせっせとやってきた。

 自国では王が反感をくらい、民の信頼を著しく低下させているというのに。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「君たちのことをずーっと考えていたんだよ? 遠く離れていようとも、こんなにも君たちを愛しているのは私だけだ」


 歪んだ愛情だ。

 彼女たちはそんなものを求めていない。

 デリント王子にはそれが理解できていないのだ。

 見えているのは、自分の欲を満たすことのみ。


「これからたーっぷり愛してあげよう。二度と、二度とこんな真似できないように、徹底的に身体へ教えてあげるからね」


 そう言って、いやらしい手つきでアイラに触る。

 

 気持ち悪い。

 触らないでほしい。

 

 そう思っても、声を出すこともできない。

 彼女たちは叫んだ。

 声にならない心の叫びは、本物の愛を引き合わせる。


 ガチャ――


「なっ、誰だ!?」

「うるさい。ちょっと寝てろ」


 三人の兵士が一瞬で意識を失い、床に倒れ込む。

 腰に据えた大きな剣など使う必要もない。

 怒りに任せて斬りたいのは、この兵士たちではないのだから。


「遅いと思って様子を見に来てみれば……随分と勝手をしてくれたな」


ブクマ、評価はモチベーション維持につながります。

少しでも面白い、面白くなりそうと思ったら、現時点でも良いので評価を頂けると嬉しいです。


☆☆☆☆☆⇒★★★★★


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ