表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女三姉妹 ~本物は一人、偽物二人は出て行け? じゃあ三人で出て行きますね~  作者: 日之影ソラ
エピローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/50

 それぞれの恋。

 出会い、惹かれあい、育み、確かめ合う。

 運命に導かれた三姉妹は、未来を共に歩くパートナーを見つけた。

 しかし、それは互いに知らぬことだ。

 様々な事情や感情によって、伝えられずに月日が流れている。


「サーシャ、お皿並べるの手伝って」

「はーい!」

「わたしも手伝う」


 そうして今日、三人は決意していた。


(今日こそ……)

(……うん)

(よーし)


(((二人に話そう!)))


 朝食をとりながら機を窺う。

 三人とも話したいことは同じで、ちょっぴり恥ずかしい内容だ。

 互いにどんな反応をするのか気になって、そわそわしている。

 普段なら気付く姉妹の変化にも、今日ばかりは疎くなってしまうのは、彼女たちが恋する乙女だからだろう。

 そして――


「あのね」

「あの……」

「あのさ!」


 三人はほぼ同時に話を切り出そうとした。

 互いに目を合わせ、その表情から似たようなことを考えていたのだと察する。

 おかしくて笑ってしまう。

 そして、アイラが二人に提案する。


「三人同時に言いましょう」

「わかった」

「うん!」


 どうせ一緒ならと、二人もそれに同意した。

 アイラが「せーの」と号令をかけて……


「婚約者ができました」

「こ、恋人ができた」

「カレシができたんだよ!」


 三人は告白した。

 ずっと言いたかったことを、家族に打ち明ける瞬間。

 羞恥と喜びが半々くらいの絶妙な感覚に、心と体が震えている。


「アイラお姉ちゃんは婚約者?」

「そうよ」

「もしかして相手ってあの王子様?」

「よくわかったわね」

「やっぱり! だってこの前一緒にいる所みちゃったもん」

「わたしも見た」

「そ、そうだったのね……」


 アイラは恥ずかしそうに頬を赤くして、視線を横に逸らす。

 ハミルと一緒にいるときの自分は、姉としてはなく恋する乙女の雰囲気全開だ。

 それを見られていたと思うと、それはもう恥ずかしくて仕方がない。


「ねぇねぇ! どんな風に告白されたの?」

「えぇ?」

「わたしも知りたい」

「カリナまで? う~ん……そうね」


 アイラは照れながらも語り出す。

 ちょっぴり自慢したい気持ちもあったりしたようだ。

 彼女が話し終えると、話題はそのままカリナへと移る。


「わたし?」

「うん! カリナお姉ちゃんだけぜーんぜん予想できないもん」

「私もよ。何か隠してるってことは最初から気付いてたけどね」

「あ、えっと……全部は話せないけど……いい?」


 二人はこくりと頷く。

 カリナはトボトボと話し出す。

 彼女の場合は国の秘密にかかわっているから、何かと伝えにくい。

 大まかな事情は省き、恋人が出来た経緯を話している。


「わ、わたしの話はいいから、サーシャちゃん教えて」

「ボク? ボクはねぇ~ えっへへ」


 サーシャの場合はわかりやすい。

 同じ冒険者であり、命の恩人でもある人だから。

 とは言え、年の差は三人の中でもダントツのトップ。

 聞いていて少し不安になる二人だったが、楽しそうに話すサーシャを見て、その不安はどこかへ消えてしまった。

 三人がそれぞれの恋を伝え合い、食卓は幸福な笑顔で満ちる。

 それと同じくらい、もっと知りたいという欲が出てくる。


 ここでサーシャが提案する。


「そうだ! 今度ボクのカレシを紹介するから、二人も一緒につれてきてよ!」

「それは……」

「いきなり過ぎないかしら?」

「大丈夫! だっていつかは家族になるんだよ?」


 家族になる。

 その言葉に惹かれて、姉二人は未来を連想する。


「確かにそうね」

「うん。でも……来てくれるかな」

「それはカリナお姉ちゃん次第だよ」


 おそらく一番難易度の高い相手は、ナベリスだろう。

 そもそも外に出たがらない彼だ。

 交渉は他の二人より時間がかかると思われる。


「いつにする?」

「い、一週間くらいほしい」

「じゃあ一週間後の夜にしよ! お仕事が終わってから」


 予定を立てた三人は当日を待ちわびる。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 一週間はあっという間に過ぎ、約束の日を迎えた。

 場所はクレンベルでも人気のレストラン。

 時間を午後の七時に指定し、三人は一旦家に戻ってから出発する。

 だから――


「「「……」」」


 先に男性陣だけが到着し、微妙な空気になることもある。

 王子らしく堂々と座っているハミル。

 二人と視線を合わせないように、窓の外を見つめているナベリス。

 腕を組んでため息をつくタチカゼ。

 奇しくも三人は、少し早めについてたほうがいいか、という同じ思考の元に集まってしまった。

 現在の時刻は午後六時四十分である。


 三人はそれぞれ頭のなかでブツブツ呟く。


 ハミルの場合――

 紹介したい人がいるってそういうことか。

 てっきりアイラの妹だけだと思ったが、しかもこの二人とはな。

 ナベリス博士はともかく、タチカゼは俺のことを覚えているだろうか。


 ナベリスの場合――

 全くカリナめ。

 あまりに頼むから出てきたが、やはり来るんじゃなかったな。

 ここは人が多いし、相手の二人は王子と冒険者だぞ。

 明らかに僕とは合わない二人じゃないか。


 タチカゼの場合――

 おいおい、勘弁してくれよサーシャ。 

 ただでさえこういう場所は苦手だっていうのによぉ。

 それに何でハミル殿下が来てるんだ?

 いやまぁ、そう言うことなんだろうけど。


 三人とも頭の中は多弁だった。

 と同時に、心から強く願う。


 いいから早く来てくれ。

ブクマ、評価はモチベーション維持につながります。

少しでも面白い、面白くなりそうと思ったら、現時点でも良いので評価を頂けると嬉しいです。


☆☆☆☆☆⇒★★★★★


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] タッチーちゅうの時に腕も生えとったんか。良かったね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ