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第五十二話 「最強との遭遇」

(・▲・)「ジュリリィ(今回から試験的に17時投稿にしてみます。はたして朝と夕方、どちらに更新した方が読みやすいのだろうか?)」

 重い鉄の扉を潜り抜け、中に入ると予想以上の明るさに目が眩みました。

 写真を見た時も気になりましたが、施設内の照明が機能している様です。


「まだ電源が生きているんですね。内部のどこかに発電施設でもあるのでしょうか?」

「それも含めて、これから調査して行くんだよ。ただ、周辺に送電ケーブルや発電施設の類も見つかっていないから、その可能性が高いだろうね」


 私の呟きに、哲也さんが前方を警戒したまま答えました。

 事前に目を通した資料によれば、この施設は現在判っているだけで一キロメートル四方に広がっていると目されているそうです。

 これはあくまで横方向の面積だけなので、地下にどれくらい広がっているのかは完全に未知数です。

 これだけの規模の建物を誰が、あるいは如何なる組織が何の目的で作り上げたのでしょうか?

 疑問は深まるばかりです。



 それからも、私たちは一塊となって入り口から一本道となっている通路を警戒しながら少しずつ進んで行きました。

 そんな中、移動中通路の中を観察していて気付いた事があり、私たちはその事について話し合いました。


「……それにしても、不思議な場所ですね。これだけ大きな施設ならそれなりに人数で運営されていたでしょうに、その痕跡すら見当たりません。それに、私たちよりも前に中に入った人はいくらか居るんですよね? それにしては床も壁も綺麗過ぎますよ」

「あ、それは俺も思った。怪我人が何人も出たって言うなら入り口まで続く血痕ぐらい残っていても良い筈なのに、それすらなかったよな」

「それだけじゃないよ、圭介くん。壁と床を手で触ってみたけど、ちっとも汚れて無い。少なくとも発見から一か月間は経っているのに、まるでついさっき完成したばっかりみたいに新しい」

「それについては、一つ興味深い報告がありました――」


 そう言うと、哲也さんはベルトに挟んだナイフを取り出し、刃先でコツコツと壁を削り始めました。


「削ったところを見ていてください」

「何ですか? ……え?」

「……なんだ?」

「……ええっ?」


 哲也さんがナイフの刃先で差した壁の傷に全員が視線を向けると、見る間に変化が起こりました。

 なんと、壁に付いた傷へ映像の逆再生の様に、削られて落ちた欠片がひとりでに戻ってくっ付き、あっという間に元通りになってしまいました。


「哲也さん、これは?」

「どうやら、この施設全体がこのように自己修復機能とでもいうべきものを備えている様なんだ」

「自己修復って……魔法でもかかってんのかよ?」

「どうやら魔法ではないようだけど、それも含めて調査中だよ」

「ねぇ、哲也さん。やっぱりこれダンジョンじゃないの? 壊されても勝手に直る建物なんて、ダンジョン化した建物くらいじゃないかな?」

「いえ、他にも建築系のジョブの探索者が建てた建物とかも、一部自己修復機能付きのものがありますよ。菊菜ちゃん」

「え、ならこの建物は探索者の人が作ったって事?」

「可能性としては無くは無いけど、この規模の建物全体を自己修復機能付きで作れる人なんてかなり限られるし、そう言う人はどこの国でもスケジュールが埋まってるからまず無いよ。加えて、これだけ大きな施設を作る為の素材を人知れず運ぶなら、『収納』スキルは必須だ。そう言った条件からも調べてみたけど、収穫は無かったね」

「該当しそうな人って言うと……『大建築家グレート・アーキテクト』の久木重蔵さんとかですか?」

「ああ、その人も調べてみた。というか、国内でこの規模の施設を一か月足らずで作れそうな探索者は久木重蔵氏を含め片手の数ほどだから、調べるのは直ぐに終わったよ。全員ここ数か月は何かしらの仕事に取り掛かり切りだった」

「国内で無いなら海外からってなりますけど、海外は海外でそれだけの技術を持った探索者がい無くなれば、当然ニュースになりますもんねぇ」

「ああ、妖魔の中でも古くから生きる『神格持ち』とかなら出来るかもだけど、それにしたってこの施設は現代的過ぎるしね……」


 『神格持ち』の妖魔と言えば、『鞍馬天狗』や『九尾の狐』を代表とする鎌倉時代とかから生きているような最古参の妖魔たちです。

 もちろん、彼ら彼女らだって今を生きている訳ですから、最新の技術に興味を持たないはずがありません。(実際、九尾の狐の一匹がSNSにドハマりしているって話も聞いた事がありますし)

 ですが、彼ら彼女らは人間の一生よりも遥かに長い時間を生きる中で、自己流に洗練した技術を確立している為、何かを作り出せば必ずその癖が現れるのです。(長生きの妖魔程、身の回りの物から住む建物までこだわって、全て自分で作り上げてしまうそうです)

 それに比べて、この施設の作りは現代らしい統一感はあれど、古参の妖魔が作り出す物の様な、視線を引き付ける神秘的な存在感などが皆無でした。

 間違いなく、現代人の作り上げたものであると断言できますが、一体どのように作ったのか。



 答えの出ない問をぐるぐると考えながらも警戒しつつ進んで行くと、やがて通路の突き当りにアニメやゲームに出て来るような隔壁と、横の壁に付いた操作パネルが姿を見せました。


「――さて、ここから先に開けたホールがあって、そこから先は未調査であるそうだ。正確には、その先で何かに襲われて全員逃げ帰って来たようだけどね」

「つまり、そのホールの先には確実に何かが居るという事ですよね?」

「そう言う事だね。みんな、ここからはより一層気を引き締めて行くように」

「「「了解」」」


 全員にそう言うと、哲也さんはバッグの中からケーブルの付いた何らかの機械を取り出して操作パネルに繋ぎ、手に持った機械を操作し始めました。

 哲也さんは真剣な顔をしていますが、どうしても映画のワンシーンに見えちゃいますね。


「哲兄、それで開くのか?」

「ええ、少し時間がかかりますけどね」

「なんだか洋画のワンシーンみたい」

「あ、それ私も思いました」

「俺もだな、まぁ俺はどっちかっつーとゲームで見たような光景だなぁって思ったけど」

「君達、軽口も良いけどもう直ぐ開くよ」


 哲也さんがそう言うと、全員が喋るのを止めて気を引き締めました。

 機械を操作している哲也さんを守る様に圭介君が、私の前には菊菜ちゃんが配置し、私は後ろを警戒しています。

 やがていくつかの操作を終えると、哲也さんは私たちに振り返って言いました。


「……よし、行ける。五つ数えたら開けるよ」


 その言葉に、私たちは無言で頷きました。

 いよいよです。



「五、四、三、二、一、 ――零!」



 ピーッ



 電子音と共に閉じられていた隔壁が開きます。


 すると、開いている途中の隔壁の隙間を縫う様に、中から影を置き去りにするようなスピードで何かが菊菜ちゃんへと襲い掛かりました。


「!?」

「危ない!!」


 何とか反応しようとしたものの、相手が速過ぎて反応出来なかった菊菜ちゃんを突き飛ばして前へ出る。

 そして菊菜ちゃんに襲い掛かろうとした何者かに蹴り足をお見舞いしますが、あっさり避けられてしまいました。

 ですが、相手の動きに反応した私を警戒してか、相手に距離を取らせることには成功しました。


 そこでようやく私は、相手の姿を正しく視認することが出来ました。

 そこに居たのは―――


「ッ!? 何故、貴方が日本に居るんですか? 『セイリオス・ウェザー』!!」

「………」


 そこに居たのは、黒いボディアーマーの上から同じく黒いコートを纏い、サングラスを掛けて灰色の髪をオールバックにした、二十代半ばの長身の白人男性。

 鋼のような雰囲気を持ったこの人の事を、私は知っていました。



 名前は『セリオス・ウェザー』。

 先輩が日本最強の探索者の一人として知られているのなら、目の前の男性はアメリカ最強の一人に数えられている、世界でもトップクラスの実力を持つ探索者でした。




 ◇




「……『ヒール』」(ボソ)

「あたた……あれ、痛くない?」


 永長が予期せぬ遭遇をしている一方、思いっきり突き飛ばされたことで壁に体を派手に打ち付けてしまった菊菜に対し、子狐がこっそりと回復魔法を掛けていた。




 ~その頃『蓬莱鉱山』~




「ぬわぁ~!? 俺のグランシェイカーがぁ!?」

「ご、ごめんなさーい!?」



 なるべく蓮上の傍に居たいと思った迦具矢が近付き過ぎ、迦具矢の『蓬莱の玉枝』が接触事故を起こした事によって蓮上の持つグランシェイカーが大破してしまっていた。

 採掘スピード、大幅にダウン!

セリオスの外見イメージは大体ウェスカー、丁度バイオ実況見てたのでな。


所で、軽く調べたけど劇場版の方だと吹き替え立木さんがやってんのね。

サングラス掛けてて立木さんの声だと、どうしてもマダオを思い出すなぁ。

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