閑話 「あの日見た妖精の少女」
(・▲・)「ジュリリィ……(昨日のPVの伸びがスゲー、一万三千越えって……。睡眠時間削った甲斐がありました。ブックマークと評価ポイントの宣伝もしたら、きちんと増えてるし。うちの読者あったけぇなぁ……次の連休もやれって言われてる気もするけど。今回は箸休め的な短い話で、次回からは温泉に向かいます)」
――あの日、満月の夜に出会った彼女の姿を今でも覚えています。
あれは、私が日本の妖魔調停組織『平国機関』の特殊協力員となって、数か月経った頃の事でした。
その日私は、いつもの様に夜の街のパトロールを行っていました。
そこで出会ったのです。
満月に照らされる、妖精の様な黒髪の少女を。
『……子供? こんな所で何をしているんです? 危ないから早く帰りなさい』
興味なさげに、しかし律儀にそう言った彼女の顔に、当時の私は見惚れていたのを覚えています。
月明かりに照らされ、天子の浮かぶ綺麗な黒髪。
見つめているだけで鼓動が早まるほど魅力的な黒い瞳。
人形のように整った、しかして人形ではありえない愁いを帯びた顔。
同性相手に、こういった表現はどうかと思うけど……正直、一目惚れでした。
『……警告はしました。帰るつもりが無いなら、後は好きにしなさい』
それだけ言い残すと、彼女はあっという間に姿を消してしまいました。
今でも時々後悔します。
あの時勇気を出して声を掛けていれば、もっと違う今があったのではないかと。
いえ、あの時だけではありません。
あの出会いをきっかけに彼女とはその後も何度も遭遇し、時に争い、時に共闘する事もありました。
その中で、何度も会話する内に少しずつでも仲良くなれると。
いつかお互いに笑い合って、手をつないで歩ける日が来ると、そう信じていました。
けれど………
「……………」
「あのー、『菊菜』ちゃん? 入り口でずっと仁王立ちしてられると困るんだけど?」
「……お構いなく」
「いや、お構いなくじゃなくて……」
「止めときなよ。菊菜ちゃん、噂の永長ちゃんの彼氏さんが来るって聞いて、ずっとピリピリしてるんだから」
「ええ!? ……前から思ってたけど、菊菜ちゃんってガチの『百合』系なの?」
「ええ、しかも一方通行のね。永長ちゃんにそっちの気は無いって言うのに」
「そんな事ありません! 思いは必ず届くはずです!!」
「いや、絶対届かないと思うわよ? 永長ちゃんが彼氏さんにガチ惚れしてるの何て、見れば判る事じゃない?」
「ならその間男を倒してでも勝ち取って見せます!!」
「いや、無理でしょ。永長ちゃんの彼氏さんって『首刈レッドジョー』なのよ? ドーム球場みたいな大きさの亀型モンスター、『屍征獣・玄武』だっけ? を無理やり投げ飛ばして空中で首を刎ねた人なのよ。勝てっこないでしょ」
「……こう、毒を盛るとか」
「あ、それ意味無いですよ。『首刈レッドジョー』さんって、自分で作成した技能書で数えきれないほどスキルを持ってますからね。当然、『毒耐性』スキルも持ってます」
「あら、あなた知ってるの?」
「当然です! 私も一応、『首刈レッドジョーファンクラブ』の会員ですからね。ちょっと前にファンクラブのサイトに上がった新しい草刈演舞の動画がまた綺麗で」
「草刈演舞……って、なに?」
「あ、それはですねー―――」
く、こんな所にも奴の魔の手が。
おのれ、首刈レッドジョー!
絶対に貴方から、永長ちゃんを取り戻して見せますからね!!
『白山 菊菜』
永長ちゃん大好き(ガチ)な、約束された敗北者系百合少女。
彼女はリリカル魔法少女的な偶然の出会いにより、妖魔やそれにまつわる事件に遭遇し、何やかや日本国の裏組織の一つである『平国機関』の外部協力者(現在は正式な機関員)になったっていう経緯を持っています。
そんな中、偶然出会った当時の永長ちゃん(黒髪バージョン)に一目惚れ(百合的な意味で、当時は自覚なかった)をし、仲良くなりたいなぁとズルズルやっている内にダンジョン発生。
永長ちゃんは元居た組織から脱走し、今頃どうしてるのかなぁとぼんやり思っていたところに不意打ち気味に現在の白髪バージョンになった永長ちゃんと再会しましたが、再会前とは打って変わって明るくフレンドリーになった永長ちゃんに理由を聞いていたら、好きな人が出来ただの、初恋だっただの、その人やその人の家族に助けて貰っただの、先輩の魅力的な部分だのを延々と惚気られて、内心でグギギとなりつつ、自分が永長ちゃんを恋愛的な意味で本気で好きなのだと気付いた白山菊菜、十五歳の春でした。
あ、ツイッターの方に永長ちゃんのイメージ画像乗っけときますので、興味があれば作者名『騎士シャムネコ』で検索してみて下さい。




