第二十七話 「首刈とゴールデンウィークの始まり」
(・▲・)「ジュリリリィ……(ここ数日のPVの伸びが凄い。これがハーメルン効果と言う奴か……二次創作の方もエタらず続けて行きますので、なろうとハーメルンの両方とも、応援よろしくお願いします!
……ところで久々に戦ったけど、弦ちゃんよぉ……その弓ホント止めろ。後、黒の不死斬りの射程長過ぎ)」
赤蓮荘での草刈を行って早一週間。
何事も無く時は過ぎ、遂にゴールデンウィークがやって来た。
やって来たと言っても、現在はゴールデンウィーク初日の前日である、金曜日の午後十一時だ。
期間限定ダンジョンである『蓬莱鉱山』が出現するのは午前零時である為、それに合わせて行動しているのである。
「それじゃあみんな、行って来るよ。なるべく早く終わらせて合流するつもりだから」
「うん、行ってらっしゃい。蓮上」
「行ってらっしゃい。夜食におにぎり作ったから、お腹が空いたらみんなで食べてね」
「わふぁ~……わぅぅ、れんじょー、いてら~」
「おう、ありがとう。とりあえず今日の朝ご飯は食べに戻って来るからな」
マミナから受け取った大風呂敷に包まれたおにぎりを『収納』スキルに仕舞う。
コノハはもうおねむだな。ウトウトして倒れそうになるのをイズメが支えている。
さて、そろそろ行くか。
「それじゃあみんな、おやすみ」
「おやすみ~」
「おやすみなさい」
「おやしみ~……」
手を振って家を後にすると、俺はこれから合流する生産職仲間の一人に電話をかけた。
「――もしもし、赤松です」
『やぁ、赤松君。連絡して来たという事はもう来れるのかい?』
「はい、転移魔法を使いますから開けた場所に移動して欲しいんですけど」
『それなら直ぐに転移してくれて構わないよ。もう他の面々間集まっているからね』
「判りました。では五分後に転移しますね」
『ああ、待って居るよ』
「はい、失礼します」
電話を切りしばらく時間を潰す。
直ぐに転移しても大丈夫とは言っていたが、ある程度間を置くのが転移の際のマナーであるそうだからな。
その辺はネットで調べた。
けど、これなら電話をかけてから家を出るべきだったなぁ。
これは次回以降の教訓としよう。
そうしてきっかり五分後、俺は電話をかけた相手の元へと転移した。
「『指定転移』」
転移魔法を唱えると、一瞬で周囲の景色が切り替わる。
この感覚にはまだ慣れないな。
周囲を確認すると、ここは大きな邸宅の庭であるようで、目の前には共に採掘を行う生産職の仲間たちが既に揃っていた。
「やぁ、時間ぴったりだね赤松君。久しぶり、壮健そうで何よりだよ」
「お久しぶりです『波柴』さん。皆さんもお揃いですね」
笑顔で握手を求められたので、こちらも握手で返す。
真っ先に俺を歓迎してくれたのは、『魔導機械技師』のジョブに就く壮年の紳士、『波柴 砕牙』さんであった。
波柴さんは、ダンジョンが出現する以前、『波柴コーポレーション』という企業の社長をしていたのだが、ダンジョンが出現する少し前に社長の座を息子さんに譲っており、現在は現役の生産職探索者として活躍している凄い人だ。
いつもかっちりとしたスーツを纏う、背筋の伸びた格好良い老紳士で、密かに俺の憧れだったりする。
俺もいつか、こんな大人になりたいもんだなぁ。
波柴さんとの挨拶を皮切りに、他の生産職の人たちもぞろぞろと集まって来た。
「いやはや、本当に転移魔法を使えるようになってたんだね。流石は蓮坊だ、あたしゃ何だか誇らしいよ」
「ははは、ありがとうございます。『紫秋』さん」
「おう、蓮の字! 良いもん作れるようになったじゃねぇか! もちろん後で売ってくれるんだろ?」
「ええ、お安くしときますよ。『曾我部』さん」
「お、ならオイラにも安く売ってくれよ蓮上。新作の銃やるからよ」
「『クイックリヴォルヴ』で十分役立ってるんですけどねぇ……それなら、今度は狙撃銃とかお願いします『原戸』さん」
「転移魔法、ウチも欲しいなぁ……蓮くん、野菜とかしか出せないけど良い?」
「寧ろ食べ物が一番嬉しいので、支払いは全部現物でも良いですよ『小春』さん」
「なら、あたしはイズメちゃんたちのお洋服とか作ろうか? 蓮上君の所の子たちって、みんな可愛いから服を作るの楽しいのよねぇ」
「お、良いですね! ぜひお願いします『空冬』さん」
「家具は!? 家具は欲しくない!? 蓮ちゃん!!」
「私は……絵とか、駄目……?」
「『夏弦』さんと『境』さんは、寧ろ『魔導教典』作成で相談したい事があるので、後でお時間良いですか?」
「蓮上君、私の作った家の使い心地はどうかな? また何かあればいつでも相談に乗るよ」
「毎日快適に過ごせてますよ、『久木』さん。ただ工房周りでお願いしたい事がありまして……」
みんな久し振り、と言っても前に会ってから最大でも一か月ほどしか経っていない為、全員と結構の頻度で合っている。
挨拶したのは順に、
『錬金術修士』の『紫秋 初』さん。
『錬成鍛冶師』の『曾我部 玄頼』さん。
『魔導銃職人』の『原戸 富張』さん。
『大農家』の『小春 日向』さん。
『魔導服飾職人』の『空冬 織姫』さん。
『錬成木工職人』の『夏弦 清美』さん。
『幻想芸術家』の『境 天奈』さん。
『大建築家』の『久木 重蔵』さん。
この八人に、先ほどの波柴さんと俺自身を加えた全十名が、世間で言う所の『十職人』である。
挨拶を一通り済ませたところで、社長をしていたという事もあり俺たち十人のリーダー的存在である波柴さんが、出発の号令を取った。
「それでは皆さん、再会の挨拶も一通り済んだことですし、そろそろ現地へ向かいますか?」
「「「「「「「「「行きましょう!」」」」」」」」」
「では、表に車を用意してあるので、移動はそちらで」
「? 車でって事は、ここから『蓬莱鉱山』の出現場所まで近いんですね。この屋敷ってどういう場所なんですか、波柴さん?」
「ここは私の別荘ですよ。『蓬莱鉱山』の近くに拠点が合った方が良いと思って建てました」
「……去年は確か無かったですよね?」
「ええ、この一年の間に重蔵くんにお願いして建てて貰いました」
「相応に資金を投じて作ったから、使い心地は保証するよ」
一年の内で一週間しか出現しないダンジョンの為だけにわざわざこんな豪邸を建てたんか。
やっぱ波柴さんってスゲー!
一度の九人分の名前考えるのって大変だなぁ……。
次回から本格的に採掘を開始します。
ああ、山がプリンみたいに削られてしまう。




