第二十五話 「首刈と赤蓮荘の奇妙な住人たち」
(・▲・)「ジュリリィ(臨時メンテに狙撃されても止まらねぇからよ)」
追記
今回登場したキャラの一人の名前を『山形 柚子』から『山形 黄泉』に変更しました。
理由?
『黄泉』
↓
『よみ』
↓
『四三』
↓
『四が三つ』
↓
『四四四』
↓
『ししし』
↓
『死獅子』
↓
『シンダライオン』
という連想です。
まぁTASネタですねw
いやぁ、久しぶりに語った語った。
黄村と青ヶ谷女子、緑河女子にもシマエナガの魅力を判って貰えて大満足だ!
このまま三人に手作りのシマエナガのぬいぐるみを渡して気分良く帰っても良いぐらいの気分だったが、流石に今日来た目的まで忘れている訳では無いので踏み止まる。
語ってる最中は完全に忘れてたのは内緒だぞ?
未だにぶつぶつとシマエナガの事を讃え続けている三人はメリーに任せて、このまま俺一人で掃除も除草も終わらせてきても良いが……。
ぐぅ~
時計を見ると、時間は丁度お昼であった。
まずは腹ごしらえだな。シマエナガを語るのに長く付き合わせてしまったから、俺が奢っても良いのだが……。
「あ、先輩、お腹空きましたか? 待ってて下さい、今用意しますから」
いつの間にか、エプロンを身に着けていたメリーが、昼食の準備を進めていてくれたようだ。
ちなみに、今メリーが身に着けているエプロンは、俺がプレゼントしたシマエナガのイラストを刺繍した物である。
「お、そうか。助かるよ……ってか、俺も手伝うぞ? 五人分は大変だろ」
「あ、ならお願いします。普通の五人分なら、私一人でもなんてことないんですけど……先輩は一人で十人前以上食べますもんねぇ……ちなみに先輩、遠慮して食べる量を抑えたりとかは?」
「その遠慮って奴は食えるのか?」
「煮ても焼いても食べれませんから、お手伝いお願いしまーす」
「了解」
『収納』スキルから俺も自分のエプロンを取り出して身に付ける。
メリーと一緒に食事を作るのは久しぶりだな。さて、今日は何を作るのか。
「事前に好物とか聞いて無かったので、無難にカレーにしようと思うんですけど、先輩もそれでいいですか?」
「ああ、問題無い。カレーは得意分野だからな!」
カレーは我が家でも良く作る定番料理だ。
というか、カレーが定番料理ではないという家庭の方が少ないのではなかろうか?
日本人って、基本カレー大好きだし。
◇
特大の大鍋で具材を煮込み、部屋中にカレーの匂いが漂って来ると、その匂いに釣られて黄村たち三人が正気にゲフンゲフン! お腹が空いたのを自覚したらしく、キッチンを覗きに来た。
「う~ん、拙者は一体何を……おや、この匂いはカレーでござるな?」(ぐ~)
「あ、ほんとだ。美味しそうな匂い……何だかお腹空いて来ちゃった」(くぅ~)
「自分もお腹空いたっスねぇ~……って、もうお昼っスか!? ……そう言えば、なんかジョーくんに物凄い勢いで布教された気ががが……」
「何言ってんだ緑河女子? 俺は宗教なんてやって無いんだから、布教なんてことする訳無いだろう?」
「確かにジョーくんが宗教とか、イメージ湧かないっスけど……はぁ、何にせよお腹減ったっスぅ」(きゅぅ~)
全く、何を言っているんだ緑河女子は。
俺が布教って、それじゃあシマエナガが宗教みたいじゃないか。
断じて、シマエナガは宗教ではない……シマエナガは、人生だ。
ま、その辺の話は既に熱く語った後であるし、同じ事を今蒸し返すのも無粋であろう。
俺も腹が減ってるし、今は食べる事だけ考えたい。
「はっはっは、腹が減ったのは俺も同じだからみんな待ってろって。もう直ぐ出来「コンコンコン」ん? 誰か来たのか?」
カレーをかき混ぜながら話していると、ドアを叩く音が聞こえて来た。
はて、誰だろうか? まぁ、メリーの知り合いに限らず、宅配便とかの可能性もあるが。
「メリー、カレーは俺が見ているから行ってこい」
「はい、それじゃあちょっと失礼しますね」
エプロンを外しながら、メリーが玄関へと向かう。
続いて「どなたですか~?」と言うメリーの声とドアの開かれる音が聞こえ、更に聞き覚えのある人物の声が聞こえて来た。
「うぅ、永長~、飯ぃ~……」
「蛇塚先輩? どうしたんです、フラフラじゃないですか。また金欠ですか?」
「ちょっと装備の補修で金使い過ぎてのう……代金は金が入ったら払うから、儂に飯を食わせてくれぇ~……」
ぐぅ~! という大きな腹の虫と共に、知っている人の情けない声が聞こえて来た。
声の主は、探索者としての同期であり、秤間女学院ダンジョン研究会のメンバーの一人である『蛇塚 茜』先輩であった。
どうやら食うに困って、メリーにたか……メリーを頼って来たらしい。
というか、メリーが『また』と言っていたから、結構頻繁に起こっているのかもしれない。
蛇塚先輩……今年で卒業なのに、そんな調子で大丈夫ですか?
俺が蛇塚先輩の将来を心配していると、ドアが開いた事で部屋の外に広がったカレーの匂いを嗅ぎつけたのか、次々に赤蓮荘の住人たちが集まって来る声が聞こえて来た。
「こんにちは永長ちゃん、お昼はカレーですか? 良かったらご相伴に預からせていただけませんか? 丁度トンカツを揚げていたところなので、絶対に合うと思うんですよ。それに、来ているんでしょう? 蓮上君が。ええ! もちろんご存知ですとも!」
「え、永長ちゃん……わ、私も良いかな? もう、ここ一週間、カップ麺しか食べて居なくて……そろそろまともな食事が恋しくって……」
「あら永長、随分賑わっているみたいね。折角だから私も参加しようかしら? 亞虎と違って手ぶらだけど、デザートくらいなら作れるわよ」
急に賑わって来たな。これがカレーの魔力と言う奴か。
蛇塚先輩に続いて聞えて来る声の主たちは、全員知っている人物だ。
まず、タイミング良くトンカツを揚げていたと言う女性は『瑠稲 亞虎』さん。
常に真っ赤なドレスを身に纏う、ショートの金髪と血の様に赤い瞳が特徴的な、二十代半ばに見えるオシャレな美人さんだ。
父さんや母さんの古くからの友人であるそうで、十年以上前から見た目が変わらない不思議な人である。
続いて、一週間カップ麺しか食べていない発言から、自炊出来ない感が漂う女性は『山形 黄泉』さん。
ニ十一歳の大学生で、癖の無い長い黒髪と黒目を持つ純和風の美人さんなのだが……見かける姿が常にジャージ姿な為魅力が半減していると思う。
彼女は数年前に父が保護し、以降この赤蓮荘で暮らしながら学校に通っている。
なお、姫樫姉こと綾乃さんの同級生であり、現在通っている大学も同じ大学である。
最後に、デザートを作れるアピールをして来たのは『天田 蘭子』さん。
綺麗な長い銀髪と紫紺の瞳を持ち、常にゴシックロリータ? なるドレスを身に纏う、亞虎さんと同じく年齢不詳の女性……? である、おそらく。
彼女は数年前に父と知り合い、紆余曲折を経てこの赤蓮荘で暮らす事となったのだが……何と言うか、とっても小さい。
数年たっても外見が変わっていない事や、時折とても老練さを感じさせる物言いをするのは亞虎さんと似ているのだが、蘭子さんはイズメと同じくらい小さい。
あんまり小さいから、時々イズメにするような感じで頭を撫でてしまうくらいだ。
その度に怒られるので、申し訳ない限りだ。ただ言わせて貰うなら、あの小ささは絶妙なのだ。
「小さい小さい連呼するなぁ!!」
「わっ、急にどうしたんですか、蘭子さん?」
「蓮上がまた私の事を小さい小さいって連呼したのよ。心の中で! 間違いないわ!!」
「まぁまぁ、落ち着いて下さいよ蘭子。蓮上君だって悪気がある訳では無いのですから」
「あんたは良いわね亞虎? 大人びた外見で! 私の方が年も階級も上なのに、どうしてこんな目に……」
「あらあら」
なんか、俺から見えないところで蘭子さんがいじけモードに入り、亞虎さんが慰め始めてしまったらしい。
亞虎さんと蘭子さんって謎だよなぁ。階級が上云々の話から、同じ職場で働いているらしいが、どんな仕事をしているのか全く判らないし。
「ぎゃぁぎゃぁぎゃぁぎゃぁ、喧しいのう。永長ぁ、それよりも早く飯を……」
「わ、私もお願いしますぅ~……」
「はいはい。とりあえず皆さん、中に入っちゃってくださいねぇ~」
「「「「お邪魔しまーす」」」」
メリーに連れられて、新たに四人の客が入って来た。
やれやれ、カレーの量を更に追加しなきゃだな。
予想外に賑やかな昼食となったが、まぁこんな日があっても良いだろう。
なお、約二名程完全な人外が混じる食卓だった模様。
ちなみに、亞虎さんは蓮上のお母さんとローTASお父さんを巡って争った恋のライバルであり、現在でもローTASお父さんの愛人ポジションを狙っています。
なお、亞虎さんの名前の由来は、
『瑠稲亞虎』
↓
『るいなあとら』
↓
『ないあるらと』
↓
『ナイアルラト』
あ(察し)
後、亞虎って名前にも意味があって、
『亞虎』
↓
『あとら』
↓
『ATR』
↓
『RTA』
こんな意味合いがあります。
ちなみに、蓮上の母親の名前は『赤松 冥』さんです。




