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第十六話 「魔導教典書士の飛翔」

前回のあらすじ



Q、姫樫弟……何だこの喋り方?


A、ロジカル語法モドキです、火力特化ですからね。ただし、そこまで役割論理している訳でも無いのであくまでモドキです。

  真に論者であれば、語尾に『w』を付けないなどありえないwwwww

 『収納』スキルからの直接装備で、本気装備への換装が終了した。



 右手には血の様に紅い刃と吸い込まれるような黒い柄を持つ大鎌『紅鋼(あかはがね)』。

 左手には腕に巻き付く漆黒の鎖『黒百足(くろむかで)』。

 両手両足には爪のような突起を持つ白の手甲と足甲『白虎爪甲(びゃっこそうこう)』。

 胴体には亀の甲羅のような六角形の文様を持つ黒の軽鎧『玄武具足(げんぶぐそく)』。

 腰のベルトには赤の巻物『五色教典(ダークフルード)紅蓮覚醒(レッドライジング)』、西部劇に登場するリボルバー拳銃の様な見た目をした、魔法を弾丸として打ち出す機能を持つ魔導拳銃『クイックリヴォルヴ』、鱗に覆われたような青い鞘と柄を持つ打刀『青龍宝刀(せいりゅうほうとう)』。

 そしてそれらの上から体を覆うのは、鳥の翼を思わせる紅蓮の外套『朱雀羽織(すざくばおり)』。



 これら一式が俺の本気装備と言うか、強力なモンスターや高難易度のダンジョンに挑む時のテンプレ装備である。

 『朱雀羽織』を始めとした四聖獣の名を冠した装備たちは、お察しの通り『屍征獣(しせいじゅう)』たちを討伐した時のドロップ装備で、これらは同時に装備する事で全ステータスを強化するセットボーナスを持っている。


 他にもかつて戦った『骸剋龍夜刀神がいこくりゅうやとのかみ天破激震の頂インパルス・オブ・ザ・ワン』を始めとした、様々なボスモンスターたちからドロップした装備も色々とあるのだが……正直、普段使いは『紅鋼』で十分だからあんまり使わないんだよなぁ。

 『紅鋼』以外の今装備している武器にしたって、『青龍宝刀』はセットボーナス目的で差してるだけだし、『クイックリヴォルヴ』の方は杖みたいな魔法の補助として使ってるからなぁ。


 逆に、偶に武器として活躍するのが『黒百足』だったりするわけだが。

 『黒百足』の持つ伸縮自在で分裂して、俺のステータスを参照した能力値で俺の意思通りに動くって言う特性と、奥義スキルである『天破激震の頂インパルス・オブ・ザ・ワン』の相性が抜群に良い為、ぶっちゃけ『黒百足』をメイン武器にした方が一番強いまである。

 『天破激震の頂』で『黒百足』に衝撃波の操作を応用した超振動のコーティングを施すと、半径二キロメートル内の生物全ての首を同時に刎ねる、何て事も出来るからなぁ……。


 まぁ、当方首刈にはこだわりがありますから、基本的には全て大鎌の『紅鋼』で首を刈ってますけど。

 そもそもこだわりがなきゃ、どんな相手も首を刎ねて倒すなんて戦闘スタイルを確立したりしないのだが。

 スライムくん? 首の無いモンスターは例外です。




 何て事を考えている間に、デウスホーンドラゴンの元に辿り着いた黄村と藍藤が攻撃を開始した。


 黄村と藍藤は俺と同じように『神聖特性』の攻撃手段を持つため、『防御神性』を持つデウスホーンドラゴンにダメージを与えることが出来る。

 だが、衝撃波を纏わせることでほぼすべての攻撃に神性特性を付加できる、夜刀神から手に入れた俺の『天破激震の頂』と違い、二人の場合は普段の戦いに比べて攻撃手段がかなり制限されてしまう。



 黄村の本来の戦い方は、焙烙玉や煙玉を始めとした事前に作成した忍具を用いたトリッキーな戦い方だ。

 状況に応じた忍具を使い分ける事により、常に相手の動きを阻害しながら状況を有利に進める。


 魔法火力特化というある意味王道の姫樫弟と、陰陽術を利用した前衛アタッカーという邪道と言うか奇妙な綾乃さん。

 その二人をサポートする為の戦い方を磨いたのが、『黄村(きむら) 英一郎(えいいちろう)』と言う探索者だ。

 まぁ、姫樫姉弟を始めとしたクランメンバーが居ない所では、ソロで試験運用と称して焙烙玉を投げまくる爆弾魔なのだが。


 そんな黄村は今、藍藤に運んで貰ってデウスホーンドラゴンの頭上、正確にはデウスホーンドラゴンを球形に囲う障壁の上部分に立ち、自身の持つ唯一の神聖特性攻撃である奥義スキル『百腕巨神の剣舞ヘカトンケイル・ブレイドダンス』による連続斬撃でデウスホーンドラゴンの注意を惹き付けている。

 名前の通り、百の腕を持つのではないかと思わせる超高速の連続攻撃なのだが、必殺級の威力を持つ代わりに体への負担が大きいスキルだ。

 渡した『五色教典(ダークフルード)黄金斜陽(アダスターゴールド)』のサポートもある為、通常よりも長く舞えるだろうが、いずれ限界が来るだろう。

 むしろ黄村本人の体より先に、使っている日本の忍刀の方が限界を迎えるかもしれないが。



 一方、藍藤の方は黄村に比べればまだ普段通りに近い戦いが出来ていた。


 藍藤のジョブ『空聖騎士エアリアル・パラディン』は『聖騎士(パラディン)』の亜種上級職とでもいうべきもので、名前の通り空中戦を得意としている。


 彼女の持つ槍『パラスアテナの神槍』は、俺の『青龍宝刀』などと同じく神聖特性を持つ武装である為、普段の戦い方に近いと言えば近いのだが、完全に普段通りかと言えばそうではない。

 本来の彼女は、剣も槍も弓も盾も徒手格闘も魔法も使う。

 手数の多さと、それらを的確に取捨選択して使い分ける判断力こそが彼女の強みだ。


 普段であれば近距離と中距離を切り替えて、相手の行動に合わせて着実にダメージを蓄積させていくのだが、今は槍での接近戦のみを余儀なくされている。

 彼女は攻撃系の奥義スキルで『流星突スターストライク・チャージ』と言うスキルを持って居るのだが、アレは高威力なのと引き換えに使用後に硬直時間が発生する為、使う事は無いだろう。

 彼女に渡した『五色教典(ダークフルード)蒼穹深淵(ブルーD)』は役に立ってくれているようだが、慣れない戦い方故消耗は激しいようだ。



 総じて言えば、二人共縛りプレイ状態を強制されているというのによく戦ってくれている。

 二人共直ぐに倒れるほど軟ではないが、消耗は激しい筈だ。

 早くデウスホーンドラゴンを仕留めたい所だが……姫樫弟はまだか?




 そう長い時間を待って居た訳では無いが、体感的には何時間も待たされていたような気分だ。

 焦る心を必死に押さえつける中、遂に待ち望んでいた言葉が聞こえて来た。


「首刈氏! 攻撃準備、完了ですぞ!」

「あたいがカウントするから、あんたのタイミングで突っ込みな!」

「了解!」


 姫樫姉弟の声を背に『紅鋼』を握り締め、『朱雀羽織』を通常の『飛行形態』から最速の『飛翔形態』へと変化させる言葉を唱える。



「『赤し毛柳毛 緋色の鳥よ 実食み寝食み 毛を伸ばせ』!」



 言葉を口にするのと同時に『朱雀羽織』の形状が変化し、大量の魔力を吸い上げられる。

 翼の様だった外套はどこか機械的な筒状となり、その中からは灼熱の炎と風が吹き出していた。


 これこそが『朱雀羽織・飛翔形態』。

 この形態の『朱雀羽織』は、羽ばたくのではなくジェットでかっ飛ぶ。


 俺がいつでも飛んでいける状態になったのを確認すると、綾乃さんがカウントを始めた。


「カウント五秒前! 四! 三! 二! 一! ――零! 『帰還』!!」

「『天道開門(ハイペリオン・ゲート)』!!」


 綾乃さんが黄村と藍藤を呼び戻す為の術を発動させた直後、姫樫弟が『天道開門』を発動させた。

 背後は見ていないが、『千里眼』で見ていた黄村と藍藤の姿が消え、同時に二人分の気配が後ろに現れたため、無事に帰還で来たようだ。


 『千里眼』の視界の中で、デウスホーンドラゴンが再び『天道開門』に飲み込まれる。

 黄村と藍藤の二人が空中で足止めをしてくれたため、デウスホーンドラゴンは丁度『天道開門』が途切れた瞬間に俺が辿り着ける位置に居る。

 完璧だな、後は俺がしっかり仕事を果たすだけだ!


「レッドジョー、突貫する!!」


 それだけ言い捨て俺は『天破激震の頂』による衝撃波の鎧、『衝撃装甲(インパルス・アーマー)』とでも名付けるか? を纏い、デウスホーンドラゴン目掛けて飛翔した。


 『神龍の角(デウスホーンドラゴン)寵愛されし者(アマデウス)』!

 その首、貰い受けるぞ!!

飛翔形態の形状は、モンハンのバルファルクの翼脚をイメージしています。

ムービーでのバルファルクがイケメン過ぎたのだ! ……ムービー見返す度に思うけど、ルドロスくんかわいそう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 分かる しかもその後に食べる描写が無いのがなんとも・・・
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