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第十一話 「魔導教典書士と女子たちの交流(?)」

女子コミュニティの過激なスキンシップを見て、激しく居た堪れなくなる系主人公。


それはそうと、深夜の二時とか三時とかに更新って普通に読みにくいよね? って事に今更ながらに気付いたので、今回から毎朝七時に予約投稿する事にしました。

 割と心底めんどくせぇと言う感情を込めながら、目の前の少女『藍藤(らんどう) 玲乃蘭(れのら)』に視線を向ける。


 正直こいつは苦手だ。

 嫌いでは無いが、顔を合わせると辟易とするくらいには苦手だ。

 俺は完全に闇側の住人(軽度の人見知り)で、黄村と青ヶ谷女子、緑河女子が光側とも普通に話せる本質闇の住人だから話してても気が楽だが、藍藤は完全に光側の住人……というか光を放つ存在そのものなので、面と向かって話していると何かこう日の光を浴びた吸血鬼みたいに消し飛ばされるんじゃないかってくらい、精神に負担がかかるのだ。

 ダンジョン内は気を張っているからまだましだが、ダンジョン外で話しかけて来るのは本気で止めろマジで。


 そんな俺の気持ちも知らないで、藍藤は黄村や初対面である青ヶ谷女子と緑河女子に挨拶をしていた。


「こんにちは忍者さん。それと、そちらの方たちは初めましてですわよね? (わたくし)は藍藤 玲乃蘭。私立秤間女学院の二年生で、クラン『私立秤間女学院ダンジョン研究会』のリーダー兼会長です。どうぞお見知り置きを」


 腕を組んでの仁王立ちを止めた藍藤は、綺麗なお辞儀をしながら挨拶をした。

 所作の端々に育ちの良さが伺える。

 それ自体は悪い事ではないのだが、何かこう……庶民と上流階級の違いを感じさせられて対面するのが辛い。


 が、そう思って居るのは俺だけの様で、三人は普通に挨拶を返していた。

 ふふ、ここでも少数派(ぼっち)か、俺は。(辛み)


「こんにちはでござる。藍藤殿」

「初めまして、藍藤さん。赤松くんと黄村くんのクラスメイトの青ヶ谷 奏美です」

「初めましてっス! 自分は同じくクラスメイトの緑河 遥っス!」


 三人が藍藤に挨拶を返している間に、藍藤のクランメンバー(というか部員?)たちが追い付いて来た。

 人数は四人。内三人は顔見知りだが、一人は見ない顔だ。新メンバーか?


「会長~、置いてかないで欲しいっ()よ~!」

「!?!!? ……あぁ?」

「ひぇっ!?」


 秤間の女子の一人が藍藤に声を掛けると、緑河女子がいきなり物凄い形相になった後、めっちゃ低いドスの利いた声でガンを飛ばし始めたぞ。何だいきなり!?

 俺が驚いていると、緑河女子に睨まれた女子。大きな丸眼鏡を掛け、癖のある茶髪を腰まで伸ばした秤間女学院の二年生、『浜野(はまの) 宗子(むなこ)』が緑河女子の迫力を前に、涙目になりながら藍藤に縋りついた。

 能力値的な差を考えれば、レベル1の緑河女子と一年近く探索者をやっている浜野女子の間には、アリとゾウくらいの差があるのだが、その差をものともしないほど、今の緑河女子は迫力に溢れていた。


「ひぇ~、会長~! 何なんすかこの人!? すっごく怖いっす! 何でこんなに怒っているんすか!? あたしなんかしましたっすかぁ!?」

「お、落ち着きなさいな宗子! えっと、緑河さん? うちの宗子が何か失礼な事をしましたかしら……?」

「……ふ~ん」


 浜野女子の動揺に釣られて若干狼狽えだす藍藤。

 対して緑河女子は鬼のような形相こそ収めたが、視線は冷ややかであり、藍藤の腰に抱き着く浜野女子を敵意しか感じられない目で見ていた。


「ふ~ん、そうっスか、そうっスかぁ……一人称『あたし』は良いとして、語尾が『~っす』で、丸眼鏡で、お嬢様学校の生徒で、探索者で、しかも、よりにもよって、自分よりもずぅっと、おっぱいがおっきいと……」


 あ(察し)


 緑河女子の言いたい事が何となく判ってしまった。

 まるっきり同じでは無いにしても、浜野女子と緑河女子には共通点が多いのだ。

 つまり―――


「――お前キャラ被ってんじゃワリャァァッ!?」

「うひゃぁぁっ!?」


 獣の如く咆哮した緑河女子は、浜野女子へと飛び掛かりそして―――何故か浜野女子と藍藤の胸を揉みしだきだした。

 いや、何してんの君!?


「きゃっ!? ちょ、いきなり何をするんですの貴女!?」

「ひゃぁっ!? 止めて欲しいっす!?」

「うるさいっスよ! なんスか? このたゆんたゆんのおっぱいは!? 羨まコンチクショウっス!!」


 ステータス的には振り払えるはずだが、怪我をさせてしまうかもと遠慮している様で、藍藤と浜野女子はほとんど抵抗らしい抵抗もせずになされるがままとなっている。

 何だこの状況。(ドン引き)


 青ヶ谷女子か、秤間の連中の誰か止めねぇのかよ? と、視線を向けると……。



「あの二人、何を食べたらあんなに大きくなるのかな?」

「調べましたけど、食べ物や食生活に共通点は殆ど無いんですよ。あの二人」

「あれ良いよねぇ。実際に合ったら動き難くなりそうだけど、あれだけ大きいとボクも憧れちゃうなぁ」

「胸なんぞで矢鱈滅多(やたらめった)ら騒ぎおってからに……あんなもの、合った所で邪魔なだけじゃろうて」

「そもそも『茜』先輩は絶壁じゃん?」

「このガキャァ! 言うに事欠いて絶壁とはようほざいたなぁ!?」

「事実じゃん。ボクの方がおっきいくらいだし」

「戦争じゃボケがぁぁっ!!」

「受けてたーつ!!」

「えっと、止めなくて良いのかな?」

「いつもの事だから気にしなくて良いですよ。そう言えば自己紹介もまだで、私は―――」

「あ、こちらこそごめんなさい! 私は―――」



 なんか、いつの間にか青ヶ谷女子と秤間の女子たちが緑河女子たちの様子を見ながら談笑していた。

 いや、秤間の二名があっという間に喧嘩を始めていたが、残り一名が青ヶ谷女子とお互いに自己紹介をしてから和やかにお喋りしていた。


 青ヶ谷女子が話している相手の名は『綿帽子(わたぼうし) 雪見(ゆきみ)』。

 セミロングの艶やかな黒髪と黒目が、大和撫子然とした印象を与えるクランのしっかり者だ。

 秤間女学院ダンジョン研究会の参謀と言うか、良心と言うか、常識人枠と言うか、そう言うポジションの女子である。


 一方、俺が今日初めて見る女子生徒と喧嘩をしているのは『蛇塚(へびつか) (あかね)』先輩。

 腰まである長い赤髪と、蛇のように鋭い金の目が特徴の三年生女子で、喧嘩相手に絶壁と言われたように、胸の大きさは……お察しだった。

 喋り方が特徴的な人で、恐らく威厳を出す為に年寄りっぽい話し方をしているのではないかと俺は睨んでいる。


 そして初見の女子生徒は……凄い髪色だな。若干緑っぽい明るい青(シアンかな?)色をしたショートボブ髪にラズベリーのような赤紫の瞳をしている。

 蛇塚先輩を先輩呼びしていた為、三年生という事は無いだろうが同学年にも見えない。多分一年生かな?

 何にせよ、上級性に自分から喧嘩を売りに行く姿勢、問題児と言わざるを得ない。


 新メンバーも加わったみたいだが、秤間の連中は本当に個性豊かだな。

 というか青ヶ谷女子、共通の話題があるとはいえ、仲良くなるの速いな。

 シンパシーと言う奴か。


 というか女子の誰か、緑河女子を止めろよ。

 最悪忍者に止めさせるか? 俺はやりたくないぞ! と言った思いで黄村を見ると。


「み、緑河殿! そのようなはしたない真似を往来でしては行かんのでござるよ……!?」


 耳まで真っ赤にしながら、両手で顔を覆って緑河女子たちに背を向けて訴えていた。

 純情(うぶ)か! 肝心な時に使えな……全然肝心な時でも何でもねぇわ。


 状況がどんどんカオスになる中、緑河女子と、緑河女子に胸を揉まれ続けている藍藤と浜野女子たちの様子が段々と妖しくなって来た。


「んっ、そこは……っ! も、もうお止めになって……っ」

「ひゃんっ! も、もうあたし、限界っす……!」

「はぁはぁ……ここが良いんスか? ここが良いんスか!? 止めてと言いつつ体は正直っスねぇ。なら、もっと激しくイクっス……!!」

「「いやぁぁぁ……っ!!」」


 いやもう何を見せられているんだ俺は?

 何でみんな止めないの? あそこに割って入って止めなきゃいけないの? 俺が??

 ……虚無いわぁ。


 本当に、物凄ぉぉぉぉぉぉぉくっ、やる気は起きないし今直ぐ帰りたいし、何ならもう俺帰るから、後は君らで好きにやってくれって感じなのだが、仕方なぁく俺は、緑河女子を藍藤たちから引き剥がしたのだった。

この後暴走した緑河ちゃんの首根っこを掴んでぶらぶら揺らしながら無茶苦茶お説教した。

主人公はプロの探索者なので、ダンジョン内で悪ふざけをしたりなどの注意すべき点はしっかり叱ります。

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― 新着の感想 ―
[一言] タグの「ダーク」が楽しみで見てましたが、あまりダークな感じはしないです。このままコメディ調子でいくのでしょうか?
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