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グリムリーパー  作者: 湖灯
*****Death fight! Zariban Plateau(死闘!ザリバン高原)*****
188/273

【4 enemy soldiers②(4人の敵兵)】

 2人を片付けた後、用心のため、もう一度周囲を確認した。

 他に潜んでいるような、新たな敵はいない。

 死んだ2人を仲良く、木に寄り掛かるように並べて座らせ、口に煙草を咥えさせて火をつける。

 それが終わると、俺はズボンを脱ぎ捨て2人の前に大の字に寝転がり、合図の口笛を吹く。

 中東にいたとき、戦場で仲間を呼びたいときに使っていた合図。

 ここでも通用すれば良いのだが。

 しばらく様子を見ていると、1人来た。

 直ぐに俺の姿に気が付いて、ニヤッと笑った。

「遅いと思ったら、お楽しみだったのかよ」

 そう言って持っていた銃を肩にかけ、座っている仲間の肩をポンと叩く。

 叩かれた拍子に、口に咥えていた煙草が落ちるのを不思議な顔で見ていたが、そのうちバランスを崩して倒れる死体を見て顔色が変わった。

 その瞬間、素早く起き上がり、男に向かって飛び掛かる。

 男の目がギョッと見開かれ、肩に掛けていた銃の紐に手を掛ける。

 ドンと激しく男の胸に飛び込んで、心臓を一突き。

 持たれ掛かる男の体を受け止め、優しく背中に手をまわし、ゆっくりと座らせ開かれた瞼に指をかけ瞑らせた。

 残りは、あと1人。

 この1人は情報源として連れて帰りたい。

 殺さないで連れて帰る。

 失敗すればこちらが死ぬ。

 だから、その前に“のろし”を上げておいた。

 煙が青い空に向かって高く上がって行く。

 戦場に響いていた銃声が一瞬沈黙し、しばらくたって規則正しくパンパンと音を鳴らす。

 これで俺の役割の一つは終わった。

 あとは、ここで見つけた新しい任務を遂行して、無事に帰ることだけ。

 うまくいくかどうかは、相手の出方次第。

 最悪が訪れない事だけを祈るだけ。

 枯れ葉と落ちた枝が多いから、相手に気付かれずに接近する手立てはない。

 裸の状態からパンツとシャツだけを着て、気付かれるのを承知で、そのまま進む。

 銃も持たなければ、ナイフも持たない。

 もしも敵が撃ってきたとして、運よく当たらないとは限らないし、銃のある場所まで逃げ遂せるとも限らない。

 全ては運任せ。

 木々に隠れず、比較的見通しのいい場所を歩く。

 そのほうが、早く発見してもらえる。

 距離が離れているほうが、撃たれた時に生き延びる可能性は高いから。

挿絵(By みてみん)

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