格差
「お父様!!こんなへんちくりんに剣術なんて教えられるわけないでしょ!。」
おいおい酷いいいようだな。
「落ち着きなさい、セレス、リナ様の前だぞ。」
(それに、リナ様が連れてきただけあってただものではないようだしのう。)
「ごめんなさい。」
「ほっほっほっ私が教えた通り、魔力制御の練習は怠っていないようですな。」
「はい!リナ様!。」
こいつ明らかに態度が違う!。
「どうだ、セレスこの男はリナ様の紹介で剣術の教師する、だがそれに見合った実力がないといかんそこで試験をさせてみてはどうかとパパは思うのだが。」
「そうね、いい案だわパパ!よし決めた!あんたうちの一番の食客A級冒険者《水精剣》のジェシーに勝てたら考えてあげなくもないわ!。」
「それはいいアイデアだな、どうですかリナ様。?」
「私に異論はないよ、ガディそれでいいね。」
「ああ。」
(今の時代の実力者と戦えるいい機会だ、自分の力が今はどれほどなのか試させてもらう。)
「ミーナ!ジェシー呼んできて!。」
「かしこまりました。」
それを聞き側にいたメイドが呼びに行った。
「ところであんたガディっていったわよね剣はどれくらい使えるの?」
おお!こいつ明らかに見下した態度だな、まじかー
まぁここは(偽のステータスを伝えとくか。)
「スキルではLV30だ。」
ブホォ!!!!
飲んでいた紅茶をお嬢様は噴出した。
「さ、さ、さ30!!、ホントでしょうね!?」
「ああ。」
(なにを、30程度で驚いてんだ?)
どこ吹く風の領主も
このときばかりは驚いていた。
どんなスキルでもLVの壁がある、たとえそれがどんなクズスキルであったとしてもだ。LV30というのは常人が到達できる最高到達点に等しいそれほどにLVは上がりにくいのだ。そもそもLVとは上がった行くものでなくそのものの強さを数値化したものであるから当然だ。そしてLV50を超えた者たちを英雄や化け物と呼んでいく。
(Lv30だと!高位の冒険者並みじゃないか!こやつ当たりかもしれんぞ!)
リナがまたお宝を持った来てくれたと内心うっきうっきなのである。
そうこうしているうちにメイドが冒険者を連れてきた。
「旦那様、お嬢様、ジェシー様をお連れしました。」
メイドの後ろにはローブを着た女がいた。
「お嬢様がお呼びだと聞きましたが。」
茶色の光沢がある髪、整った顔立ち。
そして、人間より少しだけ尖った耳。
「おまえ、半茶妖精か。」
と言ったとたんに女がこちらを睨みつけて
「ああ、そうだが。」
と不愛想に言った。
「久しぶりだね、ジェシーさん。」
「はい!お久しぶりですリナ様!。」
なんかリナ顔広くね。
先ほどからちょっと寂しくなっているガディ。
「・・・・・・・というわけで、ジェシーあなたにはこの男をたったきのめしてもらいたいのよ!。」
(こらこらお嬢様言葉がユーモアすぎるぞ。)
「分かりました、引き受けましょう、それで場所はどこがいいですか。」
「それならうちの屋敷の裏の修練場を使いましょう!」
「了解です。ついてこい男。」
ガディは返事もせずに後をついていく。
ガルシア家修練場―――――――
「両者、木剣は持ったな万が一のため刃引きはしているが寸止めもしくは降参という形で勝負を決める使用していいのは剣術のみ。」
「それじゃぁ!始め!」
お嬢様の掛け声に合わせて最初にジェシーが動いた。
ジェシーまずは小手調べに一撃で人間の頭部を破砕するほどの威力で切りかかるがそれを片手で受け止められていた。
「おぉ、驚いた!お前半茶妖精なのに力300強あるんじゃないか?」
ジェシーは両手で押し込んでいるが、ガディは片手で余裕の表情を浮かべていた。
(ばかな、私の膂力で押し込めないだと!)
一旦距離をとろうとするが、そんな暇をガディは与えなかった。
「よし、それならこっちも小手調べだ、『連突』。」
錬星言を唱え、一瞬で数百に上る第二位階級の突きが入るが、
全ての突きを剣の衝撃を壁にして放つ第一位階級『剣衝壁』で防いだ。
(わ~お!すごいな30LV程度で放った『連突』が下の階級の技に受け止められたこいつ剣術LV50はあるな。)
「なめるな!『豪一閃』!」
ジェシーは第5階級『豪一閃』を繰り出す。大気を切り裂くような斬撃がガディを襲うが、第3階級『居合』を放ち、逆にジェシーの木剣が折れ吹っ飛ばされた。
そしてジェシーの意識は途絶えた。