告白
おてやらわかにm{-.-}m
後に錬魔戦争と云われる前日。
戦争前の夜、陸上錬金兵団の兵士たちはせめて最後の夜くらい各自好きに過ごそうと一時解散となった。
「で!なんでそれで妹弟子の家に来ることになるわけ!?」
久々に会った"妹弟子"は、あきれたようにそんなことをいっていた。
「ま、暇つぶし?。」
「はぁ!?、普通最後の夜くらい大好きな人のところとかで過ごすもんでしょ!」
「まぁ何人かはそうしてるみたいだな。」
錬金兵団には熟練の技が求められそれなりに年齢平均が高いそのため既婚者が八割を超える、まぁ中には「僕のハニーたちが多すぎて選べない。」とか言ってる阿保はいたがこの際例外として扱う。
「何を他人事みたいに、・・・・・・」
「よそはよそ、うちはうちだ。」
いい匂いが漂う。突然訪問したにもかかわらず晩飯を用意してくれている。
「愚兄には・・・いるわけないか。」
兄と呼んでいるが血縁はない、錬金術の同門の先輩、後輩。今こそ愚はついているが妹弟子が小さいころは兄の後ろをよくついて回っていた。
「そんな暇ねーよ、天下の錬金兵団副団長様は毎日、戦闘と勉強と研究と戦争ばっかだったよ。」
「あっそ。」
素っ気ない返事。あまり信じてないのがあからさまだ。
確かに人類で二番目に強いもがなれるこの肩書に惹かれる女性は数多く。だが結果的にはすべてかわし今日に至る。
「前に見かけたときには素敵そうな人が周りにたくさんいてけど?」
「誰のことを言ってるか知らねーが、仲間だぞ。」
「マジで言ってるあたり、さっさと死んでくればッて思う。」
「ぐは!こ、これは、けっこうくるな。」
「キモ。」
こういうのが妹弟子の愛情表現だと愚兄は割とマジで思っている。
「そういえば師匠はどうしてる。」
師匠というのは錬金術の師この国に突然現れ二人を育てたのち旅に出てたまに帰った来ている。
愚兄にとって世界最強の男だ。
「今度は妖狐の里に行くって。」
「そうか。」
「はい、どうぞ!、ふ~。」
とても美味しそうなシチュー
さてまずは一口
「ん~うまい!、ふ~、ありがとな。」
「私も暇をつぶしただけ。」
すました顔で言うがただの照れ隠しなのは愚兄でもわかる。
十年前錬金術を学びだしたのは妹のためだ。
いくつもの戦争を生き抜けたのもこの妹の元に戻るためだ。
明日からまた戦争だ、生き抜けるかもしれないが今度こそ死ぬかもしれない。
だが俺は生きる守りたいもののため戻りたいこの場所のため。
「なぁ今度帰ったら結婚してくれるか。」
「はぁ~却下。」
「あ、だよねぇ。」
これで明日は絶対生き残れそう、敵さん愚兄のやつあたりごめんね。
「そういうのって死ぬんでしょ勝手な理屈で死なれても待ってる身としてはすごい迷惑だから、でも帰ってきたら考えなくもないよ。」
「え、!」
「まじ!」
「考えるだけだから!絶対じゃないからね。」
「必ず帰ってくる!」
「うん、必ず」
この夜の後
錬魔戦争にて
それまでの戦争で無類の強さを誇った陸上錬金兵団は全滅した
団長及び副団長以下団員18名消息不明