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sPirAL。  作者: 作者名末定
1/1

プロローグ

...........


.....目が、覚めた。



...ここはどこだ...?


朦朧とする意識。ぼやけた視界。



手を付いた。


ジャラリ という音と冷たい感触。


...石かコンクリートだろうか?


そして音の主の方に目をやる。


鎖だ。


...案の定、私に繋がっているようだ。



.......



...しばらくすると視界が徐々にはっきりとしてきた。


灰色の壁。鈍く光る格子。足枷。鎖.....

...手首の烙印。


夢でも見ているのか...?


自分は捕まっているようだ。それは容易く理解できる。


...なぜ?



身を刺すような冷たい風が、格子を伝って吹き抜けて行った。


________________________________________


「はーい!そろそろご飯にしますよー!」


「先生」と呼ばれている女性が弾むような声で集合をかける。

遊んでいた子が手を止め、絵本を読んでいた子が本を置き、一斉にそちらへ走り出す。


「おすなよー!ぼくがさきだー!」


「えー?ひとりじめはよくないってせんせいもいってたよー?」


食事の時間になると、決まって小さい子...私たちの中だと5歳ぐらいになる子たちが走り出す。

それをしばらく物陰から見てる無口な子、そういった子を促すように声の方へ向かう少し大きい子。

やれやれと言った様子で椅子から立ち上がる子。

友達とダマになって歩いていく子。

最年長の部類に入るのにソワソワした様子を隠せない子.....


みんな血の繋がりもない、言ってしまえば赤の他人同士だが、毎日この時間は活気で溢れている。


「ニーサ?また考え事?早くしないと無くなっちゃうよ!」


「カリンの言う通りだぜニーサ。さっさと選ばねーとガキどもがみんな食っちまうぞ。」


呼ばれた。


「あ..ごめんごめん、すぐ行くよ。」


面倒見の良さそうな少女と、ぶっきらぼうな態度の少年が私に呼びかけている。


私はニーサという名前らしい。「先生」が教えてくれた。



両親もおらず、血縁を持つ者もおそらくいないそうだ。


無論、私に限らずこの部屋の全員.......100人ほどだろうか......は同じ境遇にある。


名前の代わりに、ここでは番号が与えられた。


手首に視線を落とすと、確かにそこにある。「23」の文字。


孤児院 と言うらしいこの施設では、今日もほぼ変わらぬ毎日が繰り返される。



完読ありがとうございます。

今回初めて小説を投稿させて頂きました。

初心者ですので至らぬ点が多々あると思いますが、感想等で送って頂けると嬉しいです。

更新頻度はかなり遅めになってしまいそうなので、気長に待って貰えると有難いです。

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