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JR北海道 最近のニュースを見て

作者: 急行 千鳥

最近、JR北海道のニュースを見ていて、ふと、こんな感じになればいいなぁ。と思って書いてみました。

ニュース特集風になっています。


まぁ、こんな感じにはならないでしょうけどね。

“北海道

日本の最北端に位置するこの自治体は、ほかの都府県とは違う性格を擁している。


延々と続く田園風景


いまだに一度も人の手が入ったことのない、手付かずの山々。


都市間の距離は遠く、都市と都市の間の自治体は過疎などの問題もあって、交通問題はここ近年の頭痛の種であった。


交通が不便になれば、人口が減る。

交通が不便になれば、新たな住人は来ない。

住人が減れば、列車の本数は減り、交通は不便になる。


この悪循環だったわけだ。


この度、取材班はその交通問題を抱える自治体の一つ、北海道O村にやってきた。


O村の中心部から橋を渡った対岸には、S谷本線O村駅がある。

昨年の利用者数は1日1人という少なさだ。

現在の列車本数は上り下り合わせても6本しかない。


朝の列車が出た後、あと3時間は列車が来ないという時間に年配の地元の方がやってきた。

Q:どちらへいかれるのですか?

「ん?病院よね。

Q:この時間、しばらく列車は来ませんが?

「ああ、時刻表はね、そうなっとるんよ」

Q:3時間待つのですか?

「いやぁ、誰か乗せてくれんかなぁ~思うて駅へ来てみたんよ。ようするにヒッチハイクよ!はっはっは!」


陽気なおじいちゃんと駅にいること15分。踏切が鳴り始めた。


真っ赤な凸型のディーゼル機関車、DD51型ディーゼル機関車にけん引された青い客車。すでに過去のものとなったはずのブルートレインである。

取材班が驚いていると、さらに驚いたことにそのブルートレインはこのO村駅に停車した。


おじいちゃんは慣れた様子で列車の後方へ歩いた。

「名寄、止まるかい?」

「ええ、各駅停車です。」

おじいちゃんの質問に車掌が答えた。


取材班も車掌から切符を買って乗り込んだ。


ガタン!

大きな振動がして列車が動き出す。

「でかい振動だな。」というスタッフにおじいちゃんが一言。

「このくらいが普通だったんよ。わしの若いころは。

いや、もっとひどかったかの。」


取材班は列車の中を歩いてみることにした。


乗客A「いや、出張できたんですけどね。特急に乗り遅れてしまいまして。まぁ、この列車がって助かりました。とりあえず今日中に札幌まで戻れればいいんで。」

乗客B「孫がよろこんで。体力はないけど一緒に列車に乗るくらいならできますからね。」


中にはこんな乗客もいた。


Q:これは、バイク?

「ええ、そうですよ。この列車のオーナーさんが別料金払えばバイクも乗せていいって。」


列車はしばらくして名寄に到着した。


取材班は、この列車の所有者である先ほどの車掌さん、君津さんに話を聞いた。

「趣味が鉄道でして。自宅の庭にこの14系客車を買っておいていたんです。そんなときにJR北海道が線路の貸し出しをやるって話を聞きまして。そのときにこの14系、走らせてみたいなって思ったんです。

それで、鉄道仲間とお金を出し合って、再整備して、さらに多くの人たちに声をかけてこの機関車と客車を揃えました。どれも廃車予定をもらってきただけなので値段は安いのですが、修理と維持管理、車検に苦労しました。

切符の収入は自分の取り分(収入)になりますし、地元の方々にも利用していただきたいと思って私は各駅停車のダイヤを買う(買って列車を走らせる)ことが多いですね。


え?利益ですか?

出るわけないじゃないですか!赤字ですよ赤字!

だから趣味でやっているんです。」


これからの北海道を支えていくのは、こういう鉄道ファンなのかもしれない。”






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― 新着の感想 ―
[良い点] 田舎の黒さがどうしても浮かんでしまう自分の心の狭さが憎い。 でも、だからこそ、こういう、笑顔溢れる、夢のある話には心惹かれる。 [気になる点] 現実でこういうことやろうとすれば、周りの老…
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