エピローグ
警察署前は若い女が連れていかれ、その女が抵抗するがゆえに小さな人だかりができていた。
「おい、入れ」
「私は無実ですって」
若い女性は手錠をかけられ、警察署内に入ろうとしていた。
「「待ってください!」」
突然、男女の混じった声が聴けた。
「ひかり!」
「あ、安形か? おい、お前河井友紀の連行を手伝うはずだったろうが!」
楠本ひかりと安形刑事はボイスレコーダーを取り出し、再生した。警察署前に、村本の暴言が流れた。あたりは凍り付いた。その隙に安形警部は河井友紀の手錠を外した。
「ひかり!」
「友紀!」
村本が取り押さえられている中、お互いに泣きながらひかりと友紀はお互いを抱きしめた。
「ごめん、ごめん。本当にごめんなさい。友紀のことを信じなかった私がばかだった」
「グスグス、何を言ってるの。私だって、涼さんのこと黙っててごめん。変な誤解させちゃって、それにね……」
「?」
「決めたら、まっすぐで融通が利かないのがひかりの悪さで、最大の良さだもん」
ひかりは涙を拭いた。
「えへへへ」
若い男が走ってきた。
「おーい」
「あ、桃太」
「椋枝君!」
「よかった。友紀が捕まる前で。友紀、お前は犯人じゃない!」
「……桃太。もうその件は終わったよ」
「椋枝君……どんまい」
「そんなぁ」
「「ダサい、はははは!」」
二人の若い少女の声が響いた。
ありがとうございました




