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バグとの闘い

「バグが出たぞー!!」


平和だった街の空気が凍る。


バグ、それは電脳世界における最大の敵、接触したプレイヤーの電子情報に異常を発生させる悪魔の現象。

ぶっちゃけクリエイターのプログラムミスなんだけどな。

このリトルガーデン内でのバグの対処法、それは魔法もしくは魔法の武器で攻撃して消滅させる事。

接触を避けるため戦士系のクラスは魔法使いに防御魔法を唱えて貰いバグの攻撃をガードする。


「バグの発生地点は?」


「町から30分離れた平野のど真ん中です、ドンドン穴から溢れてきます」


「無限生成型か」


バグの発生には複数のパターンがある。

発生源の穴から延々とバグが湧き出るパターン、コレは一定時間戦い続ければ穴が閉じバグが発生しなくなる。こちらは無限生成型と呼ばれる。


もうひとつは強力なボスバグが現れ、退治するまで暴れ続けるパターン。

こちらはボスバグと呼ばれる。


ほかにも何パターンかあるが大抵はこの2パターンだ。


普通の魔物と違ってバグを倒しても素材は手にはいらない。

だがボスバグを倒すと稀に希少なアイテムや素材を落とすのでバグも運営の設定した魔物なのでは無いかといわれている。

真相は闇の中だが。


一時間もするとバグ退治に出かけた冒険者達が帰ってくる。


「被害は?」


「前衛が7人バグに犯された、急いでバックアップを使う必要がある。」


バグに犯されたままでいるといずれ重篤なエラーが発生し正常に活動できなくなる、その為バグに犯されたものは死亡時と同じくバックアップデータで正常なデータを読み込み直す必要があった。


こうしてが月一平均で発生するバグ退治は終わりを迎えた。


「そろそろボスバグでねぇかなー」


「出てもお前には倒せないだろ」


「そんな事ねぇよ」


血気盛んな攻略組の若者達がボスバグのドロップアイテムに付いて議論を交わしている。

こうした光景を見るとバグが運営の仕込みと勘繰るのも分からないでもない。



およそ一ヶ月が経った。


「バグがでたぞー!!」


「タイプは!?」


「ボスタイプだ!!」


「よっしゃー行くぜー!!」


若者達が我先にとボスバグに向かってゆく、基本的にボスバグのドロップは止めを差した者に与えられる。

だが不思議な事に美味しい所を奪う為にトドメのみを狙う者にはボスドロップは手にはいらない。

そうした者には強制的にステータスを永続的に下げるアイテムなどが与えられ、しかも売ることも捨てる事も出来ず、更に自分にしか使用できないためアイテム欄がドンドン埋まってしまうわけだ。

そうした連中は最初のうちは只のハズレドロップと思い、捨てることが出来なくても一個ぐらいならと、そのアイテムを持ったまま再びボスバグとの戦闘で前回と同じ様にトドメを横取りしてハズレドロップに当たる。

コレを繰り返すことでそのアイテムがペナルティアイテムだと理解し次回からは正々堂々と戦う。

だがそれでトドメを差してもドンドンペナルティアイテムが溜まってゆく。

そして最後にはそのアイテムを泣く泣く使って自身のステータスを下げてようやくアイテム欄に空きが出来るようになる。

心を入れ替えてボスバグと闘いついにトドメを刺した時ようやくレアドロップを手に入れる事に成功するプレイヤー。


こうして心の歪んだ先達達の失敗によって横取りプレイヤーは姿を消していった。


うん、確実に運営の仕込みだわ。

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