前へ目次 次へ 2/3 炎月(えんげつ) 六月 ──陽光・蒸気・昼の陰謀 気温も空気も熱を帯び、王都は本格的な夏を迎える。 強い陽光の下では人々の活動も活発になる一方、社交界や政界では様々な思惑が交錯し始める月でもある。 アリシア王女の誕生日は炎月一日。 光歴665年、王女が10歳を迎えた年には王女宮が正式に始動した。 また、第1章で描かれた王女失踪事件は炎月五日に発生している。 誕生祝賀が終わり、人々の気が緩んだわずかな隙を突くように起きたこの事件は、関係者の人生を大きく動かすこととなった。