問①)『ブラウヴァルト』『ドルンブルク』『ラングフェルト』―― これって何県?
ファンタジー物の帝国貴族といえば、ドイツ語姓。
これは『銀河英雄伝説』による洗脳にも近い思想であるが、神聖ローマ帝国等においても、そうであったのだから順当でもある。
だが『銀英伝』からの丸パクリでは芸がない。
ここはやはり「オリジナル」を作るべきだろう。
何、そこまで難しい話ではない。
ドイツ語姓と言っても、日本のルールと大差はない。
「前に来る単語」と「後ろに来る単語」。
ほとんどは、この組み合わせで作られているのだから、ただの「パズル」である。
例えば、タイトルにある『ブラウヴァルト』。
これは「青を意味するブラウ」と「森を意味するヴァルト」の合成。
―― つまり「青森」である。
青森を領地とする貴族なら「フォン・ブラウヴァルト」と名乗れば、OKといった案配だ。
『ドルンブルク』は「茨(棘)の城」で、茨城。
『ラングフェルト』は「長い野」で、長野。
『カイザーシュタット』は「帝の都」で、京都。
『オストハウプトシュタット』は「東の首都」で、東京。
―― 都道府県なら、こんな感じか。
ここまでを踏まえ、オリジナル姓を作るべく、まずは「前に来る言葉」の候補を羅列してみよう。ChatGPTの力を借りて。
◇
■ 前に来る言葉(修飾・性質・方向・印象)
【色・質感】
シュヴァルツ(黒)
ヴァイス(白)
ロート(赤)
ブラウ(青)
グラウ(灰)
ゴルト(金)
ジルバー(銀)
ブリューテ(血)
シャッテン(影)
リヒト(光)
ネーベル(霧)
フロスト(霜)
グルート(炎)
【性質・状態】
アルト(古い)
ノイ(新しい)
グロース(大)
クライン(小)
ホッホ(高い)
ティーフ(深い)
シュティル(静かな)
ヴィルト(荒々しい)
シュネル(速い)
シュヴェア(重い)
ライヒ(豊かな)
エーデル(高貴な)
【方向・位置】
オーバー(上)
ウンター(下)
オスト(東)
ヴェスト(西)
ノルト(北)
ズュート(南)
インナー(内側)
アウセン(外側)
【自然・象徴】
ヴォルフ(狼)
アードラー(鷲)
ファルケ(鷹)
ベア(熊)
ローゼ(薔薇)
ドルン(棘)
アイヒェ(樫)
タンネ(モミ)
シュテルン(星)
モーント(月)
ゾンネ(太陽)
【 金属・鉱物・物質(重厚さの核)】
アイゼン(鉄)
シュタール(鋼)
クプファー(銅)
ブロンズ(青銅)
ケッセル(釜)
クヴァルツ(石英)
ザルツ(塩)
アッシュ(灰)
コール(石炭)
エルツ(鉱石)
グラス(ガラス)
―― ベタなところでは、このへんか。
続いて「後ろに来る言葉」も見てみよう。
■ 後ろに来る言葉(核・地名・構造)
【地形】
ベルク(山)
タール(谷)
フェルト(野)
ヴァルト(森)
シュタイン(石)
フェルス(岩)
アウエ(草地・湿地)
ハイデ(荒野)
フルス(川)
ゼー(湖)
クリーク(入り江)
【人工物】
ブルク(城)
シュロス(宮殿)
トゥルム(塔)
ブリュッケ(橋)
トール(門)
マウアー(城壁)
ハーフェン(港)
マルクト(市場)
クロスター(修道院)
【居住・土地】
ハイム(家・故郷)
ドルフ(村)
シュタット(町)
ラント(国・土地)
ホーフ(農場・館)
ジードルング(入植地)
【抽象・象徴】
クランツ(冠)
クロイツ(十字)
シュヴァー(誓い)
グロリア(栄光)
ヘルツ(心)
ガイスト(精神)
―― ふむふむ。
これらを組み合わせれば、けっこう良いのが作れそうだね。
(実際に生成する時は、後ろの単語に合わせ、前の語尾にも少し変化がいる場合もあるが)。
◇
さて、こんな遊びをしていると「あれ、アインシュタンってひょっとして『ひとつの石』くらいの意味じゃね?」と気付き、他の有名人の姓も、気になったので調べてみた。
・Ludwig van Beethoven
ベートーヴェン=「ビート畑(甜菜畑)のそば」
※van はオランダ系で「〜の出身」
・Johann Wolfgang von Goethe
ゲーテ=語源は諸説あるが「水路・排水溝」由来が有力
・Otto von Bismarck
ビスマルク=「ビスの村(地名)」
※完全に地名系
・Angela Merkel
メルケル=「境界・印(境界標)」
国境を司る人が「境界さん」という妙な一致
・Friedrich Nietzsche
ニーチェ=スラヴ系由来で「ニコラの子」的な意味
(哲学的だが中身は“〜の息子”)
・Karl Marx
マルクス=ローマ神話の軍神マルス由来の人名
・Heinrich Himmler
ヒムラー=「空(天)」に由来
・Wolfgang Amadeus Mozart
モーツァルト=「泥遊びをする人・ふざけ者」由来
◇
ドイツ語に限らず、ダ・ヴィンチも『ヴィンチ村出身』くらいの意味であったり、ルールとしては、日本と大した差はない。だったら『銀英伝』からパクらずに、名字くらいはオリジナルで作りたいところ。
ていうか、領地の特色とか、そのままの名字にすればいいだけ。
ブルク、ドルフ、シュタットは、汎用性高いし、使いたい放題である。




