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異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


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第7話 私を受け入れてくれてありがとう、よろしくお願いします!!

『はぁ、なんてことだ。じゃあヒトミは家族は誰もおらず、一緒に暮らしていたバカなおじさんとやらも来られないとなると、1人ということじゃないか。こんな、俺たちのような魔獣しかいない洞窟に1人とは』


『いやだわ、本当ね!? どうしましょうか。ここには本当に人がいないのよね。何とか外へ連れていくべきかしら?』


『外へ連れ出したところで、周りは森なんだぞ? それにこの洞窟みたいに、人間にとっては危険な魔獣が大勢いるんだ。そんな場所にヒトミを出してみろ、すぐに襲われて終わりだぞ』


『そうよね。私たちと少し外に出て、空気を吸うだけなら別だけれどね』


『さて、どうするべきか。俺たちにできることは……』


 私のこれからについて、真剣に考えてくれるみんな。私の嘘の設定に、本当にごめんなさい。これも全部あのバカ神のせいなんです。


 でも確かに、これからどうしたら良いんだろう。ここが新しい世界の、どこの洞窟なのかも分からない。人のいる所へ行くなんて、私1人じゃどう考えても無理だし。


 と、そんなふうに、みんなで考えていた最中だった。答えを出してくれたのは、モルフィンだったよ。


『みんな、何をうんうん考えてるじょ? ヒトミも、おいらたちと一緒に暮らせば良いじょ。時々くる人間と、グルルもシエラもお話しして、一緒にいたんだじょ。だから人間のこと少し分かるじょ。それと同じにすれば、ヒトミもここで暮らせるじょ』


 黙ったグルルとシエラ。何のことか分からず、みんなを見る私。ただ、すぐにグルルとシエラは話し始めたよ。


『あー、お前に言われるとは』


『本当よね』


『確かに、できないことじゃないな』


『少しの間なら、ここで暮らすことはできるわよね。そして私たちの知っている人間が来てくれれば、そのままヒトミを保護してもらえば良いし。他の人が来た場合でも、その人に問題がなければ、やっぱりヒトミを任せることができる』


 ん? どういうこと?


 少し前にも、グルルが人間の話をしていたけれど。どうもグルルもシエラも、本当に人間と関わりがあるみたいで。人間が洞窟でどう過ごすのかとか、どんな物を食べるのかとか、少しだけど知っているらしいの。


 洋服や体は、クリーン魔法で綺麗にできるし、ご飯も火魔法で焼けば、お肉や魚も食べられる。以前夕飯の時に人間が取って食べていた草も、十分に生えているから問題ない。水も、少し奥へ行けば綺麗な水が飲めるから、それも問題なし。


 だから次に、人間がこの洞窟に来るまで、この洞窟で暮らせば良いって。ただ……。


『俺たちは、もちろん時と場合によっては、人間を殺すこともある。だが別に、誰彼かまわず襲うわけじゃない。しかしな……』


『人間だろうが魔獣だろうが、誰でもかまわず襲う魔獣も、もちろんここにはいるのよ。だからそれだけは注意してほしいの。もちろんこのバカか私が、あなたの側にいて守ってあげるから大丈夫だけど。それでも、そのことはちゃんと分かっておいて』


『おいらだって、ヒトミのことまもるじょ!!』


『どうだ? 人間がここへ来るまで、俺たちと暮らさないか?』


『私たちは問題ないわよ』


 何だろう、この出来すぎの人たちは。じゃなかった魔獣たちは。バカ神のせいで、どうしようかと思っていたけれど、こんなに私のことを思ってくれるなんて。そして生活をさせてくれようとするなんて。これを断るなんてバカのすることだよ。


 今の私じゃ何もできない。ここはしっかりとお願いして、ここで生活させてもらおう。それでも少しでも自分でできることを見つけて、みんなのために動けるようになろう。


 私はそう決めて立ち上がり、しっかりとみんなに頭を下げる。


「これから、よろちくおねがいちましゅ!」


『よし! そうと決まったら、もう少し狭い空間に移動して、ヒトミがゆっくり過ごせるように巣作りをしよう』


『そうね、そうしましょう。ただ、ヒトミを守れるように、私とあなたが、自由に動けるくらいの空間は欲しいわね。そうね……、私がよく使っている、あの場所はどうかしら』


『昼寝で使っている場所か?』


『ええ』


『そうだな、あそこなら十分な広さがある。それに守るにも、ちょうど良さそうだ』


『それじゃあそこへ移動しましょう』


『ヒトミ、おいらいつも一緒にいて、守ってあげるじょ。それでぇ、美味しいのくれると嬉しいなぁじょ』


『モルフィン! そういうことは言わないの!』


『ふふ~んじょ』


 そんなに私のパンを気に入ってくれたのか。嬉しいなぁ。たくさん増やしてくれたことに関しては、バカ神に感謝だな。


『よし、俺の背中に乗せてやる』


 グルルが私の洋服をくわえてポンと放り、自分の背中に私を乗せてくれる。そして、そんな私の前に座るモルフィン。


『おい、お前は乗って良いなんて言ってないぞ』


『おいらヒトミと一緒にいるじょ。ねーだじょ』


「ねー」


 私は後ろからモルフィンを抱きしめる。


『はぁ』


『さあ、行くわよ』


 そうしてみんなで歩き出そうとした時だった。今まで誰も来なかった別の通路から、


『良い匂いするねぇ』


『何の匂いかなぁ』


『美味しそうな匂い』


『こんな良い匂いの食べ物、この洞窟にあったか?』


なんて会話が聞こえてきたんの。


『おいおい』


『あー、確かに私の方にまで、匂いが来ていたものね。私も、何かしら? 後で確認しようかしら? なんて思っていたのよ。そうしたらあなたたちが呼びに来たから、すぐにここへ来ることになったけど』


『むっ、また誰か食べに来たじょ?』


『これは、こっちの対策もしないとダメそうだな』


『そうね、巣作りしながら、こっちの対策もすぐに考えましょう』


 ん? 何の対策?

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