表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/41

第40話 みんなの無茶振りと、ちびちび可愛い子パーティー設立

『ヒトミ、こっちこっち~』


『早く来て~』


「うん! いまいく!!」


 呼ばれて急いで農具小屋へ入る私。農具小屋の中は、外は明るいけれど、やっぱり暗くて、足元に気をつけなくちゃって感じだった。


『暗い? 大丈夫? 明るくしようか』


「だいじょぶだよ」


『そう? あ、でも、これからスノウタイガを治してあげないといけないし、それにはパンを食べさせてあげないといけないから、こんな暗い場所でパンを用意するのは大変でしょう? あの子のところに行ったら、少しだけ明るくしてあげるね。あんまり明るくすると、あの子が嫌がるかもしれないし』


「うん。しょれがいいかも。おねがいちましゅ」


『任せて!!』


 そうして、また歩き始めた私。が、最初に、足元に気をつけなくちゃと、ちょっと思っていたくらいだったけど、進むのが案外大変だった。大人の姿で農具小屋へ入れば、大したことはないんだろう。でも、今の私は3歳児。


 農具小屋は広いうえに、農具を越えたり潜ったりと、ちょっとしたアスレチックをこなすことになり。スノウタイガと呼ばれる魔獣の子のところまで行くのに、結構時間がかかっちゃったって。ようやくモルーたちが見えたと思ったら、みんなに遅いって言われちゃったよ。


『もっと、パパッとくぐれない?』


『ここはジャンプ』


『そっちはくるりん』


『ヒトミはまだまだなんだじょ』

 

 その辺の物で、農具小屋の進み方を見せてくれた妖精さんたち。できるかっ!! ってやつばかりだったよ。15センチ幅くらいの隙間を潜ったり、ジャンプと言いながら、普通に飛んで行ったり。


 くるりんに至っては、空中でよく分からない、アクロバティックない動きをするっていうね。どう考えても、私にできない動きでしょうよ、まったく。


 って、そんな出来もしない動きを、見てる場合じゃない。スノウタイガはどこ? 私はとりあえず妖精さんたちに、できるかなぁと、簡単に返事をしながら、みんながいた場所を見たよ。だけど……。


「あれ? しゅのたいががどこ?」


 そこには、他の妖精さんたちしかいなかったんだ。


『そこにいるよ』


『箱の後ろ』


『静かに挨拶してあげてね』


『ちょっと緊張』


 静かにって、私は静かだよ。動きが騒がしいのは妖精さんたち方じゃない?


『じゃあ、少し明るくするね! それっ!!』


 黄色い色の洋服を着ている妖精さんが、くるりんと回ると、ぽわっと、そんなに強くない光で周りが明るくなったよ。


「ありがちょ!」


『じゃあ、呼ぶね!』


『お~い、出てきて良いよぉ~』


『ヒトミしか来てないよ』


『早くパンを食べて、元気になろう!!』


『それで僕たちと遊ぼう!!』


「あしょぶのはやい。だめ。まじゅは、ぱんをたべてゆっくり。しょれから、あしょぶのをかんがえる」


『えー』


『早く遊びたいのに』


『でも、ちゃんと元気にならないで遊ぶと、また具合が悪くなっちゃうかもなんだじょ。おばあちゃんたちが、いつも言ってたんだじょ。いっぱい遊びたいなら、ちゃんと治してからにしなさいってだじょ』


『そっかぁ』


『じゃあ、遊ぶのダメだね』


『おーい、早く出てきなよ。早くパンを食べて、ちゃんと治さないと遊べないって』


 私たちが話している間も、スノウタイガは木の箱の裏から出てこなかった。それで、妖精さんたちが待てなくなったみたいで、迎えに行っちゃって、私はハラハラしちゃったよ。


 だって、無理やり出て来させて、怖がってパンを食べてくれなくなったらどうするの? グルルやパパたちの方の、治癒師さんが治せる症状ならいいけど、私のパンじゃないと治らないものだったら、食べてくれないと困るでしょう?


『ほら、こっちだよ!』


『小さくて、可愛い僕たちしかいないから、大丈夫だよ』


『そそ。僕たち、ちびちび可愛い子パーティー』


『モルーも小さいし、ヒトミも小さい。だからみんなで、ちびちび可愛い子パーティー。人間は集まると、よくパーティーって言ってるもんね。何だっけ? 冒険者パーティー』


『そうそう、パーティー!!』


『『『うん!! ちびちび可愛い子パーティー!!』』』


『可愛い子なんだじょ!!』


 スノウタイガを迎えに行っていない妖精さんたちと、モルーが返事をする。


『あ、でも、1匹違う』


『なんかさっき、違うこと言ってた』


『ちょっと、キララを見た方が良いと思う』


『自信ありすぎ』


 そう言いながら、みんなが見たのは、さっきから呆れたように、何も言わず私たちを見ていたグルル。キララっていうのは、鏡のことね。


『キララだったら何度も見たぞ。この家に来てからな。いやぁ、もともと俺は、自分がカッコいい存在だと思っていたが。キララで改めて見てみたら、思っていた以上に格好良くて、自分でも驚いたぜ』


『『『……』』』


『……じょ』


『パンを食べても、目は良くならないみたい』


『なんか心配になってきた』


『僕たちは、本当に可愛い。でもグルルは……』


『ダメなんだじょ』


 ん? 私はここに、何をしに来たんだっけ? みんな、ちょっと自己評価を表に出しすぎじゃないかな? 確かに可愛いし、カッコいいけども。


『……ちびちび可愛い子パーティー?』


 ん? 今の声、初めて聞いたかも。


『そう!』


『そうだ! 君も小さいから、ちびちび可愛い子パーティーの仲間じゃない?』


『あ、そうか! そうだよね。じゃあさ、やっぱり早く出てきて、パンを食べて元気になって、ちびちび可愛い子パーティーでいろいろやろうよ!! 遊びだけじゃなくていろいろ!!』


『うん! それが良いよ!!』


 まさか、そんな理由で出てくるわけ……。


『……うん、ボクいく!! ちびちび可愛い子パーティー、なんか良い!!』


 ……え? 本当に? まさかの返事に驚いた。可愛いって言われただけで出てくるなんて。でも、まぁ、出てきてくれるなら何でもいいか。


 ペタペタという足音が、木の箱の裏から聞こえてくる。そうして数秒後、私たちの前に現れたのは、ホワイトタイガーの子供に似ている、でも大きさは3ヶ月の子犬くらいの、とても小さくて、本当に可愛い魔獣だったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ