表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/56

第26話 まさかの事実にキャパオーバーしました

 街へ行くまでの間、なぜか溜め息が多かったジェイコブさんたち。ただ、街へ来てからは、というかジェイコブさんの家を見て、ジェイコブさんたちのことを知ると、今度は私が溜め息を吐くことになったよ。


 いや、もちろん、ジェイコブさんたちの前ではやらなかったよ。そんな失礼なことね。ただ……。


 ただね、本当にジェイコブさんの家でやっていけるのか、何か失礼なことをして、ジェイコブさんたちを困らせることにならないかって。これからのことを考えたら、思わず溜め息が出ちゃってね……。


 まず、街までの道のりだけど。森で魔獣に襲われた以外は、これといった問題は起きず。おかげで順調に進むことができて、予定よりも早く、ジェイコブさんたちが住んでいる街、カトリアーナに着くことができたんだ。


 それで着くまでに、カトリアーナはこの辺りで1番大きな街で、かなりの人が住んでいると聞いていたんだけど。確かに、カトリアーナに着くまでに、5つの街で泊まったけど、その中で1番大きいと思った街の5倍はあったかな。


 そして街は、異世界ファンタジーみたいな街で。木造建ての建物に石畳の広場が広がる、私の大好きな街だったし。魔獣たちや他の外敵からの攻撃を防ぐために、街全体が高く厚い城壁で囲まれていて。これが本当に圧巻で、とっても感動したんだ。


 ただ、どの街も同じなんだけど、街へ入る時は、外壁に設けられた大きな門を通らなくちゃいけなくて。そこで、街に不審者や犯罪者が入らないように、身分の確認が行われるんだけど。


 この入り口であることをおかしいと思い、後で予想していなかった事実を知ることになったんだ。


 この世界には、一般の人々と貴族の人たちがいて、貴族の人たちはなるべく速やかに街に入れるように、一般の人々とは門が分けられているの。


 そうしたらね、ジェイコブさんが貴族用の門の方へ行って。そこでは、騎士の人たちが、ものすごい勢いでジェイコブさんたちに敬礼したんだよ。


 それで私はこれまで、普通に、っていうのはあれだけど。そういうのを考えずに、街で普通に暮らすって考えて、街に来ちゃっていたから。貴族? あれ? ってなっちゃって。


 そんな何とも言えない感じのまま、貴族専用の門から街に入り、ジェイコブさんたちの家に到着すれば。ジェイコブさんの家は大豪邸でした。


 そこで私は子供っぽく、


「おおきいおうち! じぇいこぶしゃん、しゅごい!!」


 って言ってみたよ。というかね、なんかプチパニック? みたいになっていて、普通に聞けなかったの。そうしたら、ジェイコブさんが、


「俺はとっても偉いんだぞ!」


 と言ってね。それから、家族の紹介を受けて分かったこと。ジェイコブさんは、侯爵家当主だったんだ。


 いきなり現れた私を、家族に迎え入れてもらえるなんて、こんなありがたいことはなくて。本当に感謝しているよ。

 だけど、これまで地球の、狭いひとり暮らし用アパートで暮らしていた私にとって。貴族なんて、全く関係ない世界で生きてきた私にとって。この事実は、あまりにも大きすぎた。


 お屋敷の中に入る前から、豪華な庭に驚き。玄関前に着けば、出迎えてくれた使用人さんやメイドさんの数に、さらに驚き。そしてお屋敷の中に入れば、その豪華さに驚いて、目がチカチカしてしまい。


 あまりのことに、私のキャパシティがオーバーしてしまって、私は夕飯前にダウン。それで、ジェイコブさんたちを心配させてしまうという、大失態をやらかしてしまい。目が覚めれば、もう次の日の朝だった。


 それから、グルルには、一応治癒魔法をかけてもらったんだけど。精神的なものが追いつくのには、まだまだ時間がかかりそうで。それで、誰にも気づかれないように、何度か溜め息を吐いたって感じなんだ。


「ヒトミちゃん、ご飯は食べられそう?」


「あい」


「そう? でも無理はダメよ。消化に良いものを作ってもらったから、食べられるだけ食べてね。それからまたゆっくり休んで、元気になったら家の中を案内してあげるわ」


「あい」


『ヒトミ、パン食べるんだじょ!! そうすればすぐに元気なんだじょ!!』


「そういえば、ヒトミちゃんはパンを作れるのだったわね。こんなに小さいのに凄いわね。そうだわ。食べ慣れている方が良いでしょうし、スープにパンを浸して食べたらどうかしら」


「そうだな。その方が食欲も出るかもしれないからな」


 そう言われて、マジックバッグから全粒粉パンを取り出す。それをじっと見てくる、グルルとモルー。そしてジェイコブさんとオリヴィアさん。


 堂々とは見てこないけど、気になるのかチラチラと見てくるのは、私付きのメイドのライラさん。筆頭執事のセバスチャンさんだけは普通にしていて、ライラさんのことを注意していたよ。


 ジェイコブさんとオリヴィアさんの姿が、グルルとモルーにそっくりだった。


「……あの、みんなのぶん、だちましゅ」


 そう言って、その場にいた全員分のパンを、いろいろと出した私。それをササッとお皿に乗せるセバスチャンさん。


 そうしてなぜか全員で、私の部屋で食事をすることになり、ひと口パンを食べたジェイコブさんたちの反応は……。美味しいの連呼で、勢いよく残りのパンを食べ終わると、その勢いのままどこかへ行っちゃったんだ。


 いつも1番騒がしいモルーが、あまりの勢いに驚いていたよ。うん、喜んでもらえたようで良かった。


 でも……。はぁ。私はまた小さく溜め息を吐く。早く慣れないとなぁ。ジェイコブさんたちに失礼だよね。


 ただ、この後、まだまだ私たちに、いろいろと面倒ごとが起こるとは、この時の私は思ってもいなかったよね。


 面倒ごとというか、ちょっとやらかしちゃったっていうか、原因はバカ神なんだけどね。まぁ、後々それで、みんなを助けられることになったから良いんだけどさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ