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異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


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第23話 保護じゃなくて家族? みんなで一緒に街へ行こう!!

 次に呼ばれたのは、2時間くらい経ってからだったよ。途中、1時間くらい経った頃に、マーゴお婆ちゃんが様子を見にいってくれたんだけど。まだ私が街へ行くとか、パンの話まではいっておらず、私がここへ来た時の話と、私についての話をしているところだったって。


 確かに、突然洞窟に現れるっていう、普通ではあり得ない登場の仕方をしたけど。それにしても、そんなに話すことある? って、ちょっと思ったよね。


 ただ、まぁ、私を街へ連れていくとか、私を保護するってなると、素性をいろいろ聞くのは当たり前かとも思ってね。そこで、またちょっとだけドキドキしたかな。ほら、神様のことは話せないとはいえ、半分嘘をついちゃってるから。


 だけど、そのドキドキもすぐに落ち着いた。というか、モルーのおかげで落ち着いたっていうか。長い話し合いに我慢できなくなったモルーが、話し合いに乗り込もうとしちゃって、それを止めるのが大変だったんだ。


 最終的には、マーゴお婆ちゃんのしっぽでぐるぐる巻きにされて、止まったんだけど。話し合いが終わったと呼びに来てくれたシエラが、その姿を見て、やれやれって顔をしていたよ。


『行くんだじょ!!』

 

 隣の空間に移動するため、マーゴお婆ちゃんから解放されたモルーの、動きの早いこと早いこと。絶対、私のことを忘れてるなって思いながら、私はシエラのしっぽに乗って移動。


 それから隣の空間へ移動してからすぐに、グルルたちを見れば、グルルたちはもう、最初の緊張した表情じゃなくて、柔らかな表情をしていて。空気もピリピリしたものじゃなく、穏やかなものに変わっていたよ。


 そして、グルルたちの隣に座ると、まずは私を保護するかどうかの話から始まったんだ。……そう、始まろうとしたんだけどね。今は、グルルとモルーが格闘しているところだよ。


『おい!! 離れろ!!』


『おいらの話したじょ!? ちゃんと言ったじょ!?』


『お前の話もあれだが、まずはヒトミの話しを……うぷっ!?』


『どうだったじょ!?』


『だから離れろと言っているだろう!! ……ブッ!?』


『早く話すじょ!! 話しが長くて大変だったんだじょ! 大体いつもグルルは話しが長いんだじょ!! みんな迷惑なんだじょ!!』


『うるさいぞ!! 大事な話しなんだ、長くなるのは当たり前だろうが!! それに今は、お前が邪魔で話せないんだから、さっさと離れろ!!』


『あなたたち、こういう時くらい喧嘩しないで話せないの? ほら、モルー、離れなさい!! まったく嫌になっちゃうわ。ごめんなさいね』


「ハハハッ、モルーは相変わらずだな」


「生まれた時は、あまりにも小さかったから、どうなるかと思っていたけれど。元気だけは小さい時から変わらないわね。それどころか、どんどん元気になって、良いことだわ」


『良いことな訳あるか!! まったく迷惑な、離れろ!!』


 グルルがブンッと顔を振ると、モルーはぴょ~んと飛ばされて、そのまま私の頭の上に乗ってきたよ。


 今までどんな状態だったのかというと。グルルの鼻と口を覆うように、まぁ、実際にはグルルが大きすぎて、ほとんど覆えていなかったんだけど。何故か鼻と口のあたりに、モルーがぺったり張り付いてね。そこで自分のことを聞いていたんだ。


 まったく、何がやりたいのか。まずは私がどうなったのかを聞かないと、モルーの話までいかないでしょうに。


 あ、ちなみにモルーが言っていた、みんな迷惑なんだじょってやつ。みんなっていうのは、ここに住んでいる子供魔獣たちのことだよ。みんな、グルルの話が長いって、よく文句を言ってるんだよね。


『はぁ、まったく、落ち着いて話もできん』


『さぁさぁ、話しを始めましょうね。それで、ヒトミは保護してもらえるのかしら?』


 マーゴお婆ちゃんは、モルーの頭を軽くピシッと叩いて叱りながら、グルルにそう言った。


『ああ。ヒトミ、お前のことだが……』


 バタバタした流れからの急な結果報告に、一気に緊張する。


『良かったな、ヒトミ。こいつらがヒトミを保護してくれるぞ。いや、保護というよりも、家族として迎え入れてくれるそうだ』


 私はバッ!! と顔を上げて、グルルたちとジェイコブさんたちを見る。え? 保護じゃなくて家族? まさかの結果に、嬉しいよりも驚きの方が大きくて、私は思わず聞き返しちゃったよ。


「かじょく?」


『ああ、そうだ。それとな、俺もモルーも問題なく、ヒトミと一緒に街へ行けることになった』


 おおお!? もう、そこまで決まったの!? って、それはとっても嬉しいんだけど。急に家族? もちろん、家族って言ってもらえるのは嬉しいよ。だって、保護どころか家族なんて。


 ただ、自分で言うのも何だけど。よく分からない子供を、いきなり家族って。ジェイコブさんたちは、それで本当に良いの? 私は待っている間に、グルルたちの話し合いの後、もっと私について詳しく聞かれるとか思っていたんだけど、そういうのはしなくて良いの?


『おい』


「ああ。ヒトミ、俺たちはグルルから話を聞いて、すぐに家族になることを決めたんだ」


 ジェイコブさんの話によると。グルルたちが私を保護した時点で、私自身に問題がないことは分かっていたらしくて。だから、そんな私を街で保護すること自体には、何の問題もないと。


 それに、もしおじさんが私を追ってこの辺りまで来た場合。洞窟から近い街にいた方が、私に会いやすいだろうし。私にしたことへの罰を与えるにしても、すぐに動けて都合がいい。だから、保護することについては問題がなかったんだって。


 ただ、問題なのは私じゃなくて、グルルとモルーの方だった。2人に問題がないことは分かっているけれど、やっぱり街に入るとなると、そのままという訳にもいかない。と、このことで、話が伸びたらしいんだ。


 実は、グルルとモルーは、魔獣の代表として。私が街へ行くことが決まったら、一緒についていくって話しになっていたの。私も、その方が安心だなって思ってた。


 だから、私が街に行けるって決まったら、2人を街へ入れてくださいって、何とかジェイコブさんたちを説得するつもりでいたんだけど。もう、そこまで話が進んでいたんだ。


 そして、その結果。私たちは一緒に街へ行けることになったんだ。

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