第14話 みんなのマーゴお婆ちゃんと弟子入り志願?
『あっ、ヒトミいた!!』
『良かったぜ!』
『昨日来たらいなかったもんね』
『お前たち。もう1度ちゃんと挨拶をしなさい』
『あ、ばあちゃんもいた!』
『ヒトミ、お婆ちゃん、こんにちは!』
『シエラもこんにちは!』
『モルーはおやつ中?』
『グルルはなんで、頭に石を乗せてんだ?』
『グルルは今、お婆ちゃんに怒られて、壁に飛ばされたんだじょ。モグモグ』
『ああ、なるほど』
『今度は何して怒られたの?』
『おいらのこといじめたんだじょ。だから怒られたんだじょ』
『大人なのに虐めたの?』
『お前、案外子供っぽいところあるよな。オレみたいにしっかりしろよ』
『ハッ! お前がしっかりしてるって? どの口が』
『お前たち、話のついでのような挨拶をするんじゃないよ。まずはしっかり挨拶をしなさい』
『『『こんにちは!!』』』
……何だろう。この世界の魔獣は、地球人たちよりしっかりしている気がする。と、まぁ今はそれは置いておこう。私も挨拶しないと、お婆ちゃんに怒られるからね。
「こんにちは!!」
『それで良し』
お婆ちゃん。オスライオンみたいな姿だけどメスで、大きさはライオンの3倍ある魔獣。名前はマーゴお婆ちゃん。最年長でアースの次に、歳をとっているお婆ちゃん魔獣だよ。
バカ神によると、この世界の魔獣たちはかなりの長生きらしい。ついでに言うと人も他の種族も、結構な長生きだと。普通に150歳は超えるらしい。長生き……、今度こそ長生きしたいもんだ。バカ神に邪魔されないで。
それで、マーゴお婆ちゃんだけど、私のパンを食べて元気になった1人だよ。マーゴお婆ちゃんは500歳を超えていて、歳が歳だったから、今までは体のあちこちに、問題を書かれていたんだ。
だけど、私のパンを食べた途端、全盛期の頃まで体力が戻るは、病気も、歳をとったことで感じていた体の痛みもすべて消えるはで。今は若い頃のように動き回っているよ。喋り方はお婆ちゃんだけどね。
そしてマーゴお婆ちゃんは、魔獣たちみんなのお婆ちゃんって感じでね。魔獣たちはみんなお婆を大切に思っているし、お婆ちゃんの言うことならちゃんと言うことを聞くんだ。
だけど逆に、間違ったことをすれば、グルルみたいに吹っ飛ばされることも……。あっ、だけど私たちみたいに小さな子にはそんなことせずに、ちゃんと言葉で叱ってくるよ。それでみんなちゃんと最後に謝るんだ。
そんなみんなのお婆ちゃんに、まずは挨拶をしろと言われていたのが、私に、たぶんあのお願いをしに来た魔獣たち。今日はいつもよりも人数が少ない方かな。
『よし、挨拶終わり!!』
『ここからはお願い!!』
『しっかりお願い!!』
『きちんとお願い!!』
『そしてヒトミについて行く!!』
『『『ヒトミ! 僕たち、私たちを、ヒトミのもとで修行させてください!!』』』
『オレも頼む!!』
はぁ、やっぱりね。
これは一体どういうことなのか。そして、なぜ私に、弟子入り志願する魔獣たちが集まっているのか。
私はグルルたちにもアースたちにも、ちゃんとパンについて伝えていたでしょう? パンはここでは作れないし、もし街へ行って材料が手に入ったとしても、同じようなパンが作れるとは限らない。そもそも、作ること自体できない可能性があるって。
そのことをグルルたちもアースたちも、他の魔獣たちへ伝えたんだ。私にパンを作れって、無理難題を言ってこないようにね。ただその結果、別の問題が起きちゃったんだ。
まずは私に、心からあるお願いをして、私のその許可をもらう。そして街へ行くと決まったら、必ず私と一緒に街へ行く。それから私の手伝いをしながら、パンの作り方を覚えて、自分たちでもパンを作れるようになる、と。
そう、私にパン作りの弟子入りを頼んでくる魔獣たちが、出てきちゃったんだよ。
いやぁ、まさか魔獣たちから、パン作りの弟子入り志願をされるとは。私のパンなんて、あくまで趣味で作っていただけだし。なんだったら今の私は大人でもなく、ただのちびっ子だよ? こんなちびっ子に頼むなんてね。
それに、魔獣がパンを作りたい! なんて言うなんて。そんなお願いをされるなんて、普通思いもしないでしょう?
しかもそれが1匹や2人匹じゃないんだよ。毎日必ず10匹以上は私の所へ来て、弟子入り志願しに来るの。それで今日もやってきたって感じかな。
「でちはとりましぇん!!」
『お願いします!!』
『僕たち、一生懸命お手伝いします!!』
『一生懸命覚えます!!』
『美味しいパンのために頑張るぜ!!』
『『『だから弟子にしてください!!』』』
弟子って言葉は私が教えたんだ。最初に話しにきた魔獣たちに、弟子は取りませんって言ったら、みんなそろってハテナ? って顔をしててね。
確認したら魔獣の場合、自分より強い魔獣や他の種族の人たちににいろいろ習うときは、訓練とか修行って言っていうだけで、弟子入りって言葉は使わないらしんだ。
と、まぁ、それは今はいいとして。私はもともと弟子を取るつもりはないけど、魔獣にパンは焼けないでしょう?
もちろんパンの作り方についても、ざっくりグルルたちに伝えたんだよ。ほら、作り方が分かれば、いくら作りたいと思っても、自分たちじゃできないって分かってもらえると思ってね。
ただそれでも諦めずに、みんな私にお願いしにくるんだ。しかも自分たちの作った物を持ってね。




