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異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


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第12話 解決できない問題と、たくさんのありがとう

 さて、『私の持っている残りのパンが少ない問題』の話し合いから、1週間が経ったよ。


 まず、話し合いの結果だけど、結局いい案が思い浮かばず。何か思いついた魔獣がいたら、アースかグルルかシエルに話すってことで、夕食前に解散になってね。


 そしてそれから何十匹と、いろいろな案を考えてくれた魔獣たちが来てくれたんだけど、それでも決め手はなくて。だからまだ何も解決していないんだ。


 あとは、いつ人が来てもいいように、森の出入り口付近で見張りをすることになったよ。東西南北、全方向、どこから人が来てもいいように、それぞれチームを組んで見張るの。


 チームを組むのは、人を見逃さないためと、人が来た時に凶暴な魔獣が襲ってくる可能性があるから。その時にしっかり対処できるようにするためね。だから、そこそこ強い魔獣たちが見張りに行ってくれているよ。


 そして私はというと、私の方では、あることが起き始めたんだ。


『ひとみ、お客さんだじょ!!』


『ひとみおねえちゃ!!』


『みみちゃん! どちたの? ごめんね、きょはも、ぱんおわっちゃったの』


『あのね、きょはおあんじゃないの。ままとぱぱといっしょに、ありがとしにきたの!』


 あ、これはあれだな。ええと、今私が言ったあることだけど。それが今日も起きたみたい。


『あなたがヒトミ?』


「あい!」


『そう。すぐ来ようと思ったのだけれど、この人がもう少し様子を見てからの方がいいって言ってね。なかなか来られなかったのよ』


『あのね、あのね、ままをげんきにしてくれて、ありがとございます!!』


『俺からもお礼を。ヒトミのパンで、こいつはこんなに元気になることができた。本当に感謝しかない』


『あら、あなたもなの? 一応症状を見させてね。大事なことよ。これまでずっと具合が悪かったんだから』


『ええ、それも今日お願いしようと思っていたの。確かにヒトミのおかげで元気になったわ。でも、この後どれくらい元気でいられるか確認しないとと思って。お願いするわ』


『じゃあ、診るわね。……これは』


『どうだ? こいつはあとどれくらい元気でいられる?』


『大切なことですもの。残された時間をしっかり過ごしたいの』


『……』


『シエラ? どう?』


『……ミーネ。あなた、完璧に病気が完治しているわよ』


『え?』


『ほ、本当か!?』


『ええ。嘘をついてどうするのよ。病気は完璧に治っているわ。これならミミが成長して元気に巣立つまで。それどころか、その後もずっと元気に過ごせるわよ。良かったわね』


『まさか……そんな。治った? 本当に?』


『病気が……。良かった、良かったなお前!! これからは以前のように過ごせるぞ!!』


『ええ、ええ、そうね。本当に私は、この子も成長を見届けることができるのね。そしてあなたとも、まだ一緒にいられるのね!!』


 喜び合うミミちゃんの両親。


『まま、ぱぱ、ままはもうげんきよ? こんどはなにがなおったの?』


『ああ、ミミ。今ママは、とっても元気になっただろう? それが、もっともっと元気になったから、ママもパパもとっても嬉しいんだよ』


『もっともっとげんき? げんきいっぱい? どれくらい?』


『そうね。これからミミと一緒に、川でいっぱい遊べるくらい元気になったの。ううん、それだけじゃないわ。ミミと一緒に何でもできるくらい、元気になったのよ』


『ふわわ! かわであそべる!? きのみさがしもできる!?』


『ええ、できるわよ』


『わぁ!! やったぁ!! まま、げんき!!』


『ヒトミ、本当にありがとう!!』


『この恩はいつか絶対返すわ!!』


 むぎゅうと、ミミちゃんの両親に抱きしめられる私。あまりの力に、息ができずもがいてしまう。みんなが元気になってくれて嬉しいけど苦しい!?


『おい、締めすぎだ。ヒトミが苦しんでるだろう』


 見かねたグルルが、すぐに助けてくれたよ。


『す、すまん!? 大丈夫か!?』


『あ、あら、ごめんなさい。私あまりにも嬉しくて、大丈夫!?』


「だ、だいじょぶ。ふぅ」


 その後も、何度か抱きしめられそうになったけど、その度にグルルとシエラが止めてくれて、少ししてミミちゃん家族は帰って行ったよ。回帰お祝いのパンを持ってね。


『おやおや、今日もかい?』


『このところ毎日だな』


『本当にヒトミのパンは凄いわね』


『それで、とっても美味しんだじょ!! モグモグモグ!』


『おい! 1人で全部食べるなよ! まったく油断も隙もない』


『今日はこのあと、どれだけ来るのかねぇ』


 そう、これが『あること』なんだ。実は『私の持っている残りのパンが少ない問題』の話し合いが行われた次の日から、私にお礼を言いに来る魔獣が、一気に増えたんだ。


 今までも、パンを食べた後に、『パン美味しかった、ありがとう!!』って言いに、私のところへ来てくれる魔獣がたくさんいの。ただ、この頃は、美味しかったのありがとうと、何かしらの問題が解決したっていう、喜びのありがとうと、半々って感じにね。


 例えばどんな感じかというと……。

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