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異世界ちっちゃなパン職人、焼けば魔獣が寄ってくる!? 〜みんな私のパンにメロメロです!!〜  作者: ありぽん


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第1話 ここ、どこよ!? バカ神の特大ミスと、洞窟で目覚めた私の叫び

「ここ、どこなのよぉー!!」


 のよぉー、のよぉー、のよぉー……。


 私の叫びが洞窟に響き渡り、石の壁に当たって何度も返ってくる。まったく、山じゃないんだから。じゃなくて洞窟ってこんなに声が響くものなの? って、それでもなくて。


 見えるのはごつごつした岩と壁、それにちらほら光る鉱石だけ。何でこんなところにいるんだよ!


 思わず叫んじゃったけど、誰からの声も返ってこないし。というか、まずここに人がいるかどうか……。


 ちょっと神様!? もしかして、またやらかしたの!?


『君がいきなり街のど真ん中に現れたら、周りの人が驚いて大騒ぎになるだろうから。街の近くにある森の出口付近に転生させるね』


 って言ってたじゃん!! それなのに、どうして洞窟なのよ!!


 光っている鉱物のおかげで真っ暗じゃなかったから、ここがたぶん洞窟だって分かったけど。もし鉱物がなかったら、今頃私は真っ暗な中で、何が起こっているのか分からず、完璧にパニックになっていたところだよ。


 ……まぁ、今もパニックには変わりないけどね!! しかも……。


「からだ、ちいちゃい? てもあちも。しょれに、ぷにぷにのぴちぴち。はなちかたもおかちいし。これ、じぇったいに、ちいちゃなこどもじゅない!?」


 あのバカ神、この世界の成人、15歳で送るって言ったのに、それもミスってるじゃん!!


 どうする? どうしたらいい!? 


 一体、私に何が起き、どうして洞窟なんて場所にいるのか。その始まりは、少し前のあるバカによるミスから始まったんだ。


 実は私、つい最近まで地球の日本で会社員として普通に暮らしていたの。事件が起きた日は久しぶりの休みで、パン作りが趣味の私は、いろんな種類のパンを大量に焼きながら、思いっきりストレスを発散していたんだ。


 でもそれは、最後のパンが焼き上がり、ふわっと広がる焼きたての香りにうっとりしながら、さぁ食べるぞー!! とワクワクしていた、その瞬間に起こったんだ。


 いきなり床が光ると、部屋全体がその光に包まれ、次の瞬間にはどこまでも続く花畑にいた私。隣には大学生くらいの男性が座っていて、さらに背中に羽のある人たちが、私たちをぐるりと囲むように立っており、全員が驚いた表情で私を見ていたんだ。男性もね。


 あまりの出来事に、私は何も言えず、思わずボケッとしてしまったよ。ただ、そんな中、翼のない、本やテレビに出てくる神様がいかにも着ていそうな、金色の模様の入った白いローブを着ている人が、


『あっ! 間違えた!! じゃなくて、失敗した!!』


 と叫んでね。そうしたら私を見ていた羽のある人たちが、は? 何言ってんのコイツ? みたいな顔で、今度はそのローブの男を見たんだ。


 だけどすぐに、羽の生えている人の1人がみんなに声をかけ、全員を現実に戻してくれて。それから私にも、優しく話しかけてくれて。


 私はその人に連れられ、少し離れたテーブルとイス、そしてお茶が用意された場所へ案内されると。そこで、神みたいな人から、今回の出来事についての、衝撃的な話を聞くことになったんだ。


 実は、その神みたいな人は、みたいではなく本物の神で、私の隣にいた大学生に天使にならないかとスカウトしていたんだ。そして大学生本人も、それを了承していて。ただ、来る前にいろいろ準備が必要だってことで、今まで大学生はそのまま地球にいたの。


 そうして準備が終わり、いよいよ大学生がここへ来る日。神は予定通り大学生を迎えに行ったんだけど……。


 この大学生ね、私と同じマンションに住んでいて、しかも私の部屋の真下の住人だったんだ。……そう、バカ神は大学生だけでなく、近くにいた私までまとめて神の世界へ連れてくるという、とんでもないミスを犯したんだ。


 それを聞いた私は、早く家に帰してほしいって頼んだよ。当たり前でしょう? バカ神のミスなんだから。

 だけど返ってきた答えは最悪で、いったん神の世界へ来てしまった人間は、元の世界では死亡扱いになり、もう帰れないと言われたんだ。


 そこから私と天使たちで、どれだけの時間バカ神を怒ったことか。あ、羽の生えていた人たちは全員天使で、新しい仲間を迎えるために集まっていたの。ただ、私まで来たから、かなり驚いたって。そりゃそうよね。予定外の人間がいればビビるわ。


 このバカ神、どうやら普段からミスが多いらしく。またやらかしたのか、しかも私を死なせるなんてと、一緒になって怒ってくれたんだ。でも、いくら怒っても、私が元の世界に戻れるわけじゃなく……。


 すると、怒られてグッタリしていたバカ神が、私にある提案をしてきたんだ。1つは、このまま人々が天国と呼んでいる場所へ行き、次の転生を待つというもの。


 もう1つが、すぐに新しい世界へ行き、人生をやり直すというものね。しかも、新しい世界を選ぶ場合は、私が行きたい世界を希望すれば、そこへ行かせてくれるって言ってきたの。


 地球では私の関係者が、私が死亡したと認識しているから、帰ることはできないけれど、別の世界なら私をしらないから、転生できるんだって。


 それを聞いて私は、これってチャンスなんじゃ? と思ったよ。実は私、魔法や剣、動物に似た生き物、魔獣が出てくるライトノベルや漫画が大好きで。

 もし生まれ変われるなら、仕事に追われず、大好きな魔獣たちとスローライフを送りたいなと、よく考えていてたの。


 だから、どうせ生き返れないのなら、行きたい世界を選ばせてくれるって言うし、新しい世界へ行った方が良いんじゃないかって思って。


 というわけで、すぐにバカ神へ、自分の理想の世界を伝えると、まさにピッタリの世界があるって言われたから、私は即断。その世界へ転生することにしたんだ。


 それからは、新しい世界へ行くための準備でバタバタしたよ。まず、魔法と剣、そして魔獣がいる世界に行くんだから、力がないと困るってことで。魔法を使うための魔力をもらい、いろいろな魔法が扱えるようにしてもらったんだ。


 あと、この時に何歳で転生するか、という話にもなってね。新しい世界では15歳が成人らしく、すぐに世界を楽しむなら、成人しているほうが都合がいいだろうってことで。15歳で転生することに。


 それから魔法とはちょっと違うけど、言語能力と精神耐性と苦痛耐性を貰ったんだ。言語能力は、どこへ行っても言葉に困らないため。


 精神耐性と苦痛耐性は、私が行くのは異世界みたいな世界。異世界では人や魔獣と争うことがあるでしょう? そしてその場合、生死に関わることもあるわけで。だから地球で暮らしていた私でも耐えられるようにって、耐性をもらったんだ。


 こうして力の準備が終わると、次は荷物の準備。見た目は普通の首掛けバッグなんだけど、バッグ中には広大な空間が広がっていて。生き物以外なら、大きかろうが小さかろうが何でも入るマジックバッグを貰い。その中に必要最低限の荷物を用意してもらって入れたんだ。


 取り出す時は、出したい物を思い浮かべ、手をバッグに入れるだけで、勝手に手元へ出てきてくれるの。


 そして、お詫びとして、私が焼いた焼きたてのパンも、持って行っていいことになったんだ。しかも、数も増やしてくれて、なんと2000個。全部マジックバッグにしまったよ。


 そんなに? とは思ったけど、大サービスだって言うし、新しい世界で普通に暮らせるようになるまで、どれくらいかかるか分からない。それに、いざという時にも絶対役に立つだろうから、ありがたく受け取ったんだ。


 まさか本当にすぐ必要になるとは、この時は思っていなかったけどね……。


 ちなみに、マジックバッグに食べ物を入れた場合、腐ることなく、出来立ての状態のままでいつまでも保存しておけるから、好きな時に出来立てを食べられるよ。


 こうして荷物の準備も終われば……、ついに転生の時がやってきたんだ。


 天使たちと大学生に見守られる中、


「いつでも見守ってるから、新しい世界で幸せに」


 そう言いながら、私に手をかざしたバカ神。するとすぐに、眩しい光が私を包み込み、あまりの眩しさに思わず目を瞑り、光がおさまるのを待った私。


 そして数秒後、その眩しい感じが消えたから目を開ければ……。私は洞窟らしき場所、そう、ここにいたんだ。


 ね、予定とはまるで違う状況に、慌てるのは当たり前でしょう? どう考えても、またバカ神がミスしたとしか思えない。洞窟なんて、本当どうすれば良いの!?


 ただ……。うん、問題は、私が小さな子供になって、洞窟にいるってことだけじゃないんだ。


 実はさっきから、洞窟の奥のほうから変な鳴き声が聞こえてきていて、どう考えてもまずい鳴き声なんだよね。


 バカ神!! いつでも見守ってるから、なんて言うなら、今すぐに私をあんたの所へ戻してよ!!

お読みいただきありがとうございます。

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