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14話 飼い猫

「おまたせ、母様」

「大丈夫よバラ。...ヤウラ、その猫は?」

「申し訳ありません。実は...」


 きた、ここが正念場だ。

 母様をどうにか攻略して、(トラス)を飼う許可をもぎ取ってやる!


「母様、この猫を飼わせてください!」

「あら。構わないわよ」


 やはり正面からでは......へ?

 いまなんと?


「いいの?」

「ただし、大切に育てるのよ。しっかり責任を持つこと。できるかしら?」

「はい!」


 やった!母様愛してる!


『やったぞトラス!これでお前も屋敷に住める!』

『...本当?』

『本当だ。これからよろしくな、トラス』

『うん。よろしくね、バライム。』


 こうして、トラスはソケリア家の飼い猫(ペット)となった。


 ーーー


 夜も更け、月明かりに照らされた執務室。

 そこに二つの人影が伸びていた。


「よろしかったのですか?」

「あら、何がかしら」

「例の猫です。危険ではないでしょうか」

「大丈夫よ、心配してないわ。バラにもよく懐いているようだし」

「それが逆に不安なのです。野良にしてはやけに従順だし、綺麗すぎます。例の家のさしがねでは...」

「バラはああみえてとても敏い子よ。あの子なら大丈夫だわ」

「奥様、しかし...」

「そうね...それじゃあ、あなたがあの猫が不審な動きをしないかどうか、世話と監視をしてくれないかしら。それなら安心でしょう」

「...かしこまりました」

「お願いね」

「はい。それでは、失礼します」


 ーーー


 翌朝。花のような心地いい香りが鼻をくすぐる。

 目を覚ますと、隣でトラスがスヤスヤと眠っていた。

 寝ぼけていた意識が一気に覚醒する。


「トラス!?」

「うん...?ふぁぁ、おはようバライム」


 トラスは起き上がり、背伸びする。


「なんで俺のベッドで寝てるんだ」

「だって寒いし~?そんな怒んなくてもいいじゃん。あ、もしかして恥ずかしかった?」

「んなっ!?ち、ちげーよ!」

「そっかそっか。バライムも中身は立派な男の子だもんね。ちょっと刺激が強すぎたカナ?」

「ちげーっつってんだろ!いいから早くそこどけ!」

「は~い」


 そういうとトラスは猫の姿に戻り、朝日を求めて窓台に飛び移った。


 まったく、あいつの倫理観はどうなっているんだ。

 神に人間の倫理観を求めるほうが間違っているんだろうか...

 いや、あれはトラスがおかしいだけだ。


 俺は思考を切り替え、着替えるためにベッドから降りた。


 着替えようとボタンに手をかけたところで、トラスの姿が目に入った。


「......アノ、トラスサン。あっち向いててくれないデスカ」

『んー?あぁ、はいはいわかった。バライムも男の子だもんね。でも、私は神様なんだから気にしなくてもいいんだよ?』

「気になるもんは気になるんだよ。いいからあっち向いてろって...」


 俺の身体は4歳とはいえ、精神は多感な高校生。

 たとえ相手が人ならざる存在でも、女の子という存在には敏感になってしまうのだ。


 トラスが窓の外を向いたことを確認して、服を着替える。


「バラ様、おはようございます。朝食の準備が整いました」

「うん、今行く」


 着替え終わったタイミングで、ヤウラがやってきた。




大学が始まって、かなり忙しくなりました。空きコマがだいぶできてしまったのでその時間でいい感じに進められたらなと思います

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