1話 エピローグ
世界は朽ち、その灯は消えようとしてた。
海は濁り、森は枯れはて、大地はひび割れている。
生命の力の源たるマナは枯渇し、世界は静まり返る。
この世界は終わっていた。
もはや選択肢など存在せず、ただ一つの道しか残されない。
あぁ。我の命が尽きるまで、我はこの世界とともに。
愛したこの世界が、再び朽ちるまで。
あとのことは、すべて任せよう。
世界の赴くままに……
ーーー
世界にマナが満ちていく。
枯れた世界にマナが満ち溢れ、世界は輝きを取り戻す。
空は晴れ、よどんだ空気が一新する。
ひび割れていた大地には草木が生い茂り、濁り切った海がその青さを取り戻す。
マナを取りもどし、かつての楽園へとその姿を回帰させる。
かの存在を代償としながら……
ーーー
ガガガガガガ…
昼の住宅街に、工事の音が響いていた。
「うーん...うぁぁ、さむ...」
そうボヤキながら、俺、汐藤葵は目を覚ました。
窓から差し込む光がまぶしくてうっとおしい。時計を見れば、針は午後2時を指していた。
俺、汐藤葵は小田東高校の二年生だ。。。。といっても、高校にはもう半年は行っていない。
きっかけは何だったか。もはや覚えていないが、ずるずるとさぼりを繰り替えし、気づけばどこに出しても恥ずかしいプロニートに進化していた。
「どうしよう...本当に...」
つぶやきながら日課となっているランニングに繰り出す。
悩みの原因は、昨日届いた高校からの連絡だった。
『汐藤さんのお電話で間違いないですか?小田東高校の酒井と申します。』
「はい、そうですけれど...」
そんな第一声から始まった電話は、無慈悲に、単調に、葵の留年を告げた。
俺だって、頭ではわかっていた。半年以上登校せず、テストもすべて無視し続けた。進級できるはずがない。
しかし、わかっていたとしても、事実として突きつけられると、やはり来るものがある。
今後の道が暗く閉ざされていくのを感じながら、現実逃避でもするかのように走り始めた。
<ただいま通行止め>
「はぁ...」
工事の影響でいつものルートが使えない。そんな些細なことにすらイライラする。
仕方なくルートを変えて走り続ける。
不安やストレスをぶちまけるように、ひたすら走る。
プァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!
気づけば、俺の体は宙を舞っていた。
「は...?」
視界が回る。体の感覚がない。
「おい!大丈夫か!おい!」
「クソッ...救急車を...」
声が遠くなっていくのを感じる。
ああ、これはダメだな...せめてお母さんに一言謝ってから...
そんなことを考えながら、俺は意識を手放した。
初めて書きました。見苦しい文書を羅列することになると思いますが、それでも笑わないよって言ってくれる優しい人はぜひ見てって下さい