表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

会社設立の意味

「は?」《「なに言ってんの?」》

想像とは違う話しに思わず声が出る。


「まぁ、聞いてく下さい。

会社設立はあなた方の身分証明の為なのです」


「身分証明?」


「はい」


「あなた方が思っている以上に宇宙の世界は物騒なのです」


「あ、やっぱり無法地帯なんすか?」


「はい、今は少し特殊な事情で混乱している時期でもありますし、何より太陽系は大国がせめぎ合って争っていますので治安がすこぶる悪いのです。

そんな場所で効果があるのが大国の威光です。


マフィア、半グレ、チンピラ、海賊等は大国に登録した商船は絶対に襲いません。

何故ならば割に合わないからです。

大国の商船を襲うならば組織の壊滅は覚悟しなければなりません。

組織の壊滅なら御の字、一族族滅は普通、種族の根絶も普通あり得る事態になりますから」


「種族の根絶はやり過ぎじゃね?」


「そんなことはありませんよ、地球人がぬるすぎるだけです。

殺されない、法で裁かれ捕まるだけではダメなのです。

長命な種族も居ますから、出所後その者は必ず同じ事をします。

負の連鎖は続きます、どこかで断ち切らないとダメなんです。


大国と呼ばれる程思い切りがいいです。

大国と呼ばれる国はもれなく3桁の種族は滅ぼしてますよ」


「・・・・・・・・・・」


「そんな訳です、大国の威光を借りないと我々の計画は進みません」


「・・・・・・・・ヒュードラではダメなんですか?」


「うっ・・・・・・」

シャッキンさんが言葉に詰まる。


「ワイ等なヒュードラはスィーティ・スィージュではあんまし有名やないねん。

スィーティ・スィージュの加盟国でもワイ等の存在を知ってるのは2割程度や」


「なんでです?同じ天の川銀河の国ですよね?

俺達が他の知的生命体に発見されたようにヒュードラも発見されなかったッスか?」


「地理的な問題や。

ワイ等がゲートを開発するまで理性的な種族には接触は出来なかったんや。

ワイ等はスィーティ・スィージュみたいな高性能な星間航行の技術を開発出来んかったさかいな」


「理性的な種族にはって事は野蛮な種族は接触してたんですか?」


「したで、そちらはサージェリーで絶賛戦争中や」


「グーレイ?」


「そや、しかもグーレイはスィーティ・スィージュに加盟しているにも関わらずスィーティ・スィージュに報告せずに戦端を開いたもんやさかい引っ込みがつかん」


「報告せずに戦争始めるなんて、そんなことあるんですか?」


「宇宙を探索して未発見星系であればスィーティ・スィージュに領有権を主張する。

だが、そこは未知の国の支配している星系だった。

小さい国で有れば潰して何もなかったことにする。

大きい国で有ればスィーティ・スィージュに報告してスィーティ・スィージュに迎え入れる。


ですがグーレイは見誤ります。

最低限の戦力を全戦力と勘違いしたのです。

星間航行技術の低さも判断材料になったでしょう。

当時の我々は他の種族の民間企業とは繋がりがありましたので他の国も認知しているだろうと思っていたのです」


「シャッキン、シャッキンその歴史の授業、長くなるか?」


「あ、スイマセン話しが反れましたね。

まぁ、会社の創設はあなた方の安全確保の為です」


「ウイッス」《「ウイッス」》


「とか、言いながらヒュードラの看板掲げて動かすつもりはないんやけどな」


「ん?どう言う事ッスか?」


「お前等には、いちプレイヤーとして、地球人として工作して欲しいねん」


「それはなんでッスか?」


「理由は幾つかあるけど、1番大きいのはスィーティとの関係が悪化するのは避けたい」


「スィーティ・スィージュじゃなく?」


「スィーティ・スィージュは同盟の名前や。

スィーティと言う国とスィージュと言う国が同盟関係になってから両国の関係が良好な国にも加盟を促したら雪だるま式に他の国も加盟しだしたらしいわ」


「ほう」


「ほんでスィーティはスィーティ・スィージュ同盟の盟主国でな。

こことの関係が悪化すると他の加盟国とも一気に関係が悪化するやろ」


「そりゃそっスね」


「やけど、精神文明が他の勢力に行くのは見過ごせん。

じゃぁどうするか、地球人から自発的にヒュードラに加盟して貰うのが1番波風立たん」


「そりゃそっスけど、そんなに上手く行きますか?」


「無理やろな、なんでなら地球人に危機感が無い。

どの国が統治するか分からんけど統治されてやっと危機感出るやろ。

けど、ゲームの勝敗が決まったらワイ等は手出し出来ん」


「統治後に酷いことなる前提ッスね、もしかしたらもの凄く発展するかもしれないッスよ?」


「ふふ、若いなー」「若いですね」

荻田さんとシャッキンさんが声を上げて笑う。

竜巻は苦虫かみ潰す顔してるし。


「まずな、太陽系の領有権主張してるんはゲームと同じグーレイ、レセプティ・ドラゴニア、ミールーの3ヶ国やけど、この3ヶ国は未だに奴隷制度があるで」


「え?」《「マジで?」》


「勿論、スィーティ・スィージュ加盟には奴隷制度の廃止項目がある、やけど名前を変えて存在してるんや。

グーレイだと5級市民。

5級市民は基本的人権も生存権すらない。


レセプティ・ドラゴニアは糧食経済生命体、地球での牛や豚と同じやな。


ミールーは戦略資源や、物扱いや生命体とすら認めてないな。


ちなみに、この3ヶ国は併合した国や原始知的生命体を侵略した際はもれなく、この階級になっとるから地球も例外ではないやろ」


「やばっ!」《「これは皆に知らせないとあかんやつでは?」》


「無理やって、地球人に危機感が無いし、内通者の邪魔が絶対入るで」


《「!?」》「!?」


「ん?何を驚いてるん?」


「え?内通者?・・・・・」


「そやで?驚く事か?」


「それって地球人が異星人と手を組んでいるって事ですか」


「当たり前やろ、侵略、併合の基本は内通者の構築やで。

しかも内通者がもの凄く上手く立ち回ったんやろうなー

内通者の協力者がいっぱいやで」


「内通者や協力者って、そこそこ地位とかあります?」


「名だたる企業の経営陣、国の中枢や有名政治家は大体そうやと思うとるよ」


「はぁー」

ため息しか出ない。

(動きが遅くないか?)


《「ヒュードラ動き出すの遅くないですか?」》


「そな言うな、ワイが上に報告上げてやっと正式に作戦が発令されたんがつい先日やで?。

作戦チームもまだ到着してない。


それにグーレイと比べるとどうしても遅く感じるんは仕方ないって、だって奴等は80年近く前に接触しとんやから」


「そんなに昔から?」


「ロズウェル事件って聞いたこと無いか?」


「アメリカの砂漠に宇宙船が堕ちたとかってやつですか?」


「そや、その頃ぐらいから地球の侵略作戦は始まっていたみたいや。

まぁ、レセプティ・ドラゴニアも同じぐらいから浸透作戦してたみたいやけどな。

グーレイの侵略作戦がレセプティ・ドラゴニアの予想よりも上回るってたらしく、同盟のスィーティ・スィージュに泣きついたのがゲームの始まりや」


《「じゃ、泣きついたからこのゲームが始まったと?」》


「そうやで、本来は領有権紛争は話し合いによる協議、それでも解決しない場合は武力衝突になるんやけど。

ここでミールーが絡んできたんや」


「何処から絡んでくるんですか?」


「ミールーも同じ頃ぐらいから太陽系の第6惑星、第7惑星で採掘始めてたらしいわ。

グーレイやレセプティ・ドラゴニアに採掘基地取られると思うたんだやろうな、ミールーも領有権主張して泥沼に突入や」


「泥沼ッスね」


「スィーティ・スィージュも頭抱えたんやろうけど、同盟内でとある論文が発表され、それを採用したらしいわ」


「論文ッスか?」


「『原始知的生命体の幸せな併合の仕方』ッてなお花畑な論文や。

色々な文化レベルに合わせて併合のやり方の指南書みたいなもんや。


その中に地球は民主的な市民による宇宙進出時代ってのに分類されるんやけど。

その有効な手段が電子世界で世界を知らせ併合を市民に渇望させるってのが最善ってなってるんや」


「え?電子世界ですよね?そんなこと信じますか?」


「勿論なにもせんかったらエンターテイメントって事で信じんよ。

でもな電子世界で技術を与えて現実で作らせてみる。

それを繰り返して、現実でも接触しりたとかしてたら、いけばいつの間にか併合国のシンパや協力者が出来上がるちゅうわけや。

そんなやり方や。

このやり方、身に覚えは無いか?」


「あるっすね、ゲームの中の技術でガソリンに替わるクリーンエネルギーが出来たってニュースになってたッスよ」


「やろ?それの出所は開発者なんか言ってたか?」


「ゲームでインスピレーションを得たとかインタビューで言ってたような」


「な。けど、この併合のやり方はまどろっこしい上に電子世界の事やから実際の約束なんかは結びにくいんや。

やけど、ラストフロンティアならば現実やから約束事なんかは結びやすい」


「荻田さん、話しがズレてますよ」

シャッキンさんから突っ込みが入った。


「・・・・・えーと、何処まで話したか?」


「会社設立とッスね」


「そこからやな、まぁ、そういう訳やから会社をラストフロンティア内で設立して貰う訳や」


《「えーと、纏めると、俺らがゲーム内で会社を設立、又は買収しヒュードラの陣営に加入するように扇動するって役目って事でいいですか?」》


「長々と話したけどそうやな」


「ゲーム内の会社って、あれって無茶苦茶人気無かったシステムッスよね。」


「そうやな、自分が稼いだ1割を運営に取られると言う鬼畜使用やからな。

あれには裏設定で所属陣営かスィーティの保護下に入れるって裏設定があるんや」


「何処の陣営で登録するんですか?」


「主要3ヶ国では怒られるから唯一の地球の陣営、地球統一連合やな」


「地球統一連合の庁舎は月でしたっけ?」


「月面の静の海都市やな。

ほな、行きますか」


そう言って席を立ち歩きだす。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓




稚拙な文をお読み下さり。

誠にありがとうございます。

誤字、脱字等ありましたら、ぜひご指摘下さい。

5/5 書き直し

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ