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事の始まり

エピソードを大幅に改変しています。

現在の進行状況エピソード14まで改変しています。


体の自由が利かない。

口には丸い猿ぐつわをかまされ涎が好き放題に落ちている。

服すら纏う事すら許されず手と足に覆う様に付けられた鉄の塊は異常に重く俺の力では微動だに動かすことすらできない。

しかもご丁寧に鉄の塊に取り付けられた鎖は異常なほど太く地面に飲み込まれている。


パンッと音がすると俺を照らしていたスポットライトが消え仄かに周りの伺える程度の薄明かりが灯る。

薄明かりに反射した無数の目の光が壁の様に見え始めると自分ががすり鉢状の底に繋がれていることが理解出来た。


目が慣れてくると様々な異型な生物達が微かに見え始めた。

その者達は何かを言っているが小声すぎて聞き取れない。


またパンッと音がする。

また俺の真上からのスポットライトが再び照ら為れる。

スポットライトが当てられると隣に居る者がガチャガチャと拘束具を鳴らして足掻く。

絶壁、寸胴な俺とは違い女性らしさを強調された胸と尻、誰もがうらやむ躰のライン、ラインを崩さない為だけに筋肉は圧縮され化け物じみた怪力になった。

俺が微動だにする事が出来ない鉄の塊を軽々と持ち上げているが鎖に阻まれやはり自由に出来ない。


俺より少し早く作られた姉に当たる人物だ。

残念ながら名前は付けられなかった。

便宜上、製造番号の1号と呼ばれていた。

俺達はベルフェと呼ぶことに決めた、彼女の権能が“怠惰”だから。


だが、これからも呼ぶことは無いだろう。


だって彼女の心は壊れてしまっているのだから。



周囲のざわめきが大きくなりだした。

俺の隣に男が立つと周囲の声はピタリと止まり静寂が訪れた。

明らかに高級そうなスーツを着こなすこの男は時期地球の王と噂される男のはずだ。


周囲の異型の者達が男の言葉を待っているのが分かる。

男は大げさに両手を広げを取った後、手で俺達を指差し口を開く。


「皆様大変お待たせしました。

調査の結果、これはかの文明が産み落とし負の遺産、最強の生命体、宇宙害獣リヴァイアサンと認定されました。

この事により地球に住まう原始知的生命体は保護協定条約3条5項が適用されることになり、原始知的生命体の保護対象から外れる事になりました」

ワァァァァァと割れんばかりの拍手、歓声の波が押し寄せる。


大半が立ち上がり拍手と歓声を上げているのだが、所々に立ちもせず冷めた視線を投げかけている者、怒りを表す者が少数ながら見えた。


知り合いの渋い顔が更に渋くなってるし、大型のカミキリ虫も顎牙をガチガチと鳴らし、うなぎ頭の仲間も凶暴な牙が見え、今にもうなり声も聞こえて来そうだ。

そんな人達を見てるといたたまれない。

思わず叫び声あげるが、猿ぐつわかまされ無様なうめき声に司会役は明らかに不満げに近づき思いっ切り頭を踏みつけられた。


そこで意識が途絶えた。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



『ラストフロンティア』と言うゲームがある。

電子技術の発展により現実世界と何ら変わらない電子世界を実現したフルダイブ型システムのゲームだ。


世界で初めて現実世界と何ら変わらない電子世界は人々を魅力し熱中させた。

人々を魅了した理由は様々有るだろうが、最大の理由は2つ。

一つ目はゲーム運営会社及び協賛した世界の名だたる企業、国家がゲーム内通貨を現実通貨の換金を保障した事だ。


その事によりゲームで一攫千金を夢見る者、ゲームを職業とする者、ゲーム内で生活する者が現れだした。


ゲーム内通貨を取得するのも比較的容易であり、運要素もあるが数時間足らずで日本円で100万円以上を稼ぐ者も現れ、現代のゴールドラッシュと言われる迄になった。


もう一つはまことしやか噂され、もう都市伝説に近いのだが、最終目標を達した者は地球の全てを手に入れられる。

と、そんな噂を信じ活動している者達もいる。



そんなゲームに一攫千金を夢見る男がここに1人。

俺、『佐倉井 高道』(45歳、既婚)は、ラストフロンティア内で生計を立てているプロの一人だ。


ゲームのサービス開始直後からプレイし始め、順調に稼げてたのだが、先月の月に1度行われているイベントによりとてつもない借金を背負ってしまった。


そのイベントはプレイヤーやクランを賭けの対象に出来る。

しかもレバレッジも利用出来る。

レバレッジとは自分の手持ち以上のお金を賭けたい場合に信用と引き換えに倍率を上げることができるシステムだ。

とても良いシステムに見えるが欠点が無いわけでもない。

その欠点とは負ければ地獄が待っている事ぐらいだ。


そして、この月1イベントで賭けを行えばイベントに参加していない者、ラストフロンティアをプレイしていなくてもプレイヤー視点で観戦出来る等の特典もある。

その為にプレイヤー以外も多く参加しているイベントである。


イベントでの賭けの対象は様々にある。

キャラクター同士の1VS1の白兵戦、チーム戦やクラン対抗戦もある、その中で2大人気の1つが宇宙船を用いた艦隊戦。

宇宙戦争さながらの臨場感が味わえる。


で、俺も勿論参加した。

我がクランは所属している人達がそれぞれが自前の船を所有する艦隊戦専門のクランだ。

俺が賭けた対象は我がクランの勝敗。

レバレッジは低いが手堅い賭け方だ。

3回戦まで勝てば儲け、2回戦でプラマイゼロ、1回戦で大赤字、で、結果はなんと予想外の1回戦敗退。



「はぁ」

深いため息と共に『ラストフロンティア』にログインするためのヘッドギア被る。


『ラストフロンティア』を快適に過ごす為に大枚叩いて買ったゲーミングチェアーに深く座り直す。

ログイン時にはリラックスして入るのが常識なのだが、今は到底そんな気分になれない。


「はぁ、ログイン」

また、ため息と共にログインを告げる言葉を吐く。

言葉を言い終わるとキィィィィと耳障りな機械音がすると視界が暗転する。

暗闇の中、流暢な日本語で頭の中に響く声、そんな表現が一番しっくりくる。

「デバイス情報・・・確認」

「ログイン申請・・・受理」

「アカウント情報・・・確認」

「プログラム情報・・・正常」

「ログインに成功しました、ようこそ『桜井花の道』様」ログイン成功のガイダンスが聞こえ、ゆっくりと目を開ける。

薄暗く輪郭もぼやけているが、体を動かすと周りの灯りが徐々に明るくなり、部屋の輪郭がはっきりとしてくる。

人ひとりが寝そべれる程度の空間にベッドとベッドを照らす灯りが頭上側と足下側に有るだけの空間、本当にカプセルホテルのようだ。


人の形ならば快適な空間だろうが今の俺にはかなりきつい。


光度が十分になるのを切っ掛けに様々なCMが視界いっぱいに所狭しとポップアップしてくる。

様々なCMが見える。

どこぞの都市でコレが安い。

こんな武器作ったから買ってくれ。

あそこの狩り場に行くからPTメンバー求む。

違法ではないが、危ない薬売ってます。


普段ならこんなCMに一喜一憂出来たのだが。

「全てクローズ」

今は・・・とてもわずわらしい。

全てのCMが消えると、見慣れない室内に更に気持ちが沈む。

先日、借金が元で住み慣れたマンションに入れなくなり、苦渋の決断で最初期の初心者しか利用しない宿泊費無料の寄宿舎を利用するしか無かったことに。


重い気持ちのまま灯り兼、蓋のような扉を押し開き外へ出る。

這いずるように出ると、中脚と後ろ脚で器用に立つ。

その容姿は地球上のどの生物にも当てはまらない、が、一番近い生物はテントウムシだろう。

昆虫特有な凶暴そうな頭、テントウムシのシンボルである大きな腹部。

違いは4本足で立つこと、前脚が蟹のような鋏が付いており、鋏と鋏の間に丸いレンズが有り光学兵器が付いていること、そして機械生命体で有る事。


このゲーム『ラストフロンティア』とは、太陽系を舞台としたSFファンタジーゲームである。


ゲーム内では様々な知的生命体が太陽系に飛来しており、多種多様な種族を選択しゲームを楽しむ事が出来るのだ。

しかし、多種多様な種族を選択出来るのにも関わらず選ばれるのはほぼ2種族だ。

自分の現し身で有るヒューマンタイプ、そして、俺が選んだ機械生命体タイプだ。


ヒューマンタイプは何のレクチャーも要らずに操作が可能だが、活動範囲は狭く、地球環境以外の環境では宇宙服等の高価なデバイスを使用しないと活動出来ない。

それに比べ機械生命体は活動範囲は広く、宇宙空間は勿論、木星や金星等の高温、高気圧な極限環境でも安価なデバイスで活動が出来る。

その非常に高い活動範囲に反比例するように操作性は低い。

一般的に機械生命体を選択しても比較的操作の簡単なヒューマノイドを選ぶのが普通で、俺のように人型以外を選ぶのは稀。


室外に出てベッドルームの扉を閉めると扉に付属している赤色のランプが青色に変わり入室可能を示す。

周りを見渡すと人影がちらほらと見えた。

同じようにログインしたばかりの人達であろう、みんな出口に向かって歩き出してる。


日本時間AM8時、こんな時間からログインしてるのはプロかもしくは規則正しく廃人している人達だろう。

国際的に動いてるゲームだからあんまり時間は関係無いが。


俺も重い足どりで出口に向かう。


「早く歩け~、テントウムシ~」

出口付近で突如後ろから蹴られ文句を言われる。



「その声は『竜巻』か」

テントウムシ型の体の為、後ろを向くのが難しい。

「なんで声だけで分かるん~?」

戸惑いの声が聞こえる。


「俺がテントウムシって分かるのは、うちのクランの奴だけだよ。

それに文句飛ばすのは、うちのクランではお前だけ」

顎牙をカチカチと鳴らしながら喋る。


後ろにむき直すと日焼けした肌、首元まで伸びた髪、細マッチョと言われる体型、迷彩柄のベストとズボンが妙に似合う好青年が立っていた。


「文句ちゃうってスキンシップやって~」

笑顔で茶化すような口調で誤魔化される。

イケメンの笑顔って、なんかむかつく。


「イケメンの笑顔って、なんかむかつく」

心の声が素直に出る。


「あらら~モテない男のヒガミですか~」

口角が上がり小馬鹿にした笑みが溢れる。


竜巻が煽るのもわかる。

そう、俺は現実の佐倉井としてもゲーム内の桜井としてもブサメンだったのよ。

実際、このゲームで初回ログインで種族の選択は有るがキャラメイクは無い。

ゲームの中でも違和感が無いよう、現実の顔の特徴を取り入れて生成されるらしい。

それ故にヒューマンタイプ以外でプレイしてる人達は顔に自信の無い人達=ブサメンとなっている風潮がある。


やいのやいの言ってると竜巻の後ろから更に苦情が飛んでくる。


「通路のド真ん中で漫才するの止めてくれるか」

タバコを加えた黒い物体が歩いてくる。

出たな!エセ関西人。


黒く大きな鳥?のような体、羽毛は無く海洋生物のようなツルンとした肌、首と尻尾は長く蛇のよう、髪は無く顔は鰻。

ありがとう、完全に地球外生命体です。

『荻田掃除』さん、俺と竜巻の頼れる兄貴だ。


「あれ~?荻田さん、なんで寄宿舎に居るんです?あ、ごめんなさい、金欠ですね~?」

竜巻が読まなくて良い察っしをしてしまう。


「ちゃうわ、元よりワイはマンションなんて金かかるもんに住んでないだけや」

「あ、ケチなだけなんですね~」

「は!? 誰がケチ臭いって?」

今度は荻田さんと漫才が始まってしまった。

竜巻の標的が俺から荻田さんに移ってしまう。


やいのやいのと竜巻と荻田さんの漫才を見てるうちに視界の隅にメール受信 のマークが表示される。

クラン専用メールのマークだ。


2人を見ると漫才を止めている、同じようにクランからのメールが届いたのだろう。


「「「メールオープン」」」

3人共に声が重なる。

視界に半透明の立体映像として、我がクランのマスター『レモンハート』さんが映し出される。

黒いスーツに強面の顔、見た目は8〇3屋さんかマ〇ィアに見えるナイスガイなヒューマンタイプのおじ様だ。



少しキレ気味の表情で「5分以内にクランホームに集合」言葉を吐き捨て、映像が切れる。


「マスター切れてる?」

「レモンさんが掛け金いちばん多かったから借金も多いからじゃね~?」

「八つ当たりかいな、たまらんわ」


そんな事を言いながらクランホームに向けて歩き出す。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



クランホーム、それは巡洋戦艦レモンハートの食堂の事を差す。

戦艦名とクランマスターの名前が一緒なのはご愛嬌で。

クランマスターが入れ込むのにも分かる気がする。

現在の宇宙船では最高峰の戦力を持つ、その代わりお値段も最高峰だけどね、国産の最高級車が10台ぐらい軽く買えるお値段だ。


クランホームに入るとクランメンバーほぼ全員

そろっていた、100名近くは居ると思われる。


3人がホームに入ると壇上に居たクランマスターと目が合った。


「そろったようなので始める」

強面のクランマスターが一段高い壇上で話し始める。


「先日のイベントでみんなありがとう、初戦敗退と残念な結果にはなったが、純粋には楽しめたと思う。だが、敗戦迄の過程には些か不審な点が有る、例えば巡洋戦艦クラスの主砲を大型とは言え戦闘船クラスごときが無傷で防ぐなどあれ得ないからだ」


周りがざわめき出す、あちこちで「そういえば」とか「確かに」とかとか。


俺も不思議に思ってた、イベントの1回戦相手の『幽鬼』大型の戦闘船40艇のクランだった。

だが大型の戦闘船なんて、日本的に言えば武器を詰んだ漁船。

そんなのが巡洋戦艦の主砲を防ぐなんて普通はありえない。

市販のシールド発生装置でも最高級のを積めば出来ない事も無いだろうが普通はしないね。


考えててもレモンハートさんの言葉は続く。


「他にも色々と疑惑はあるのだが、この疑問を運営にメールで問い合わせしてみた、その返事が先ほど帰ってきた」


周りが一気に静かになる。

ところどころでため息が聞こえる、理由は簡単だろう。

運営の返事が、仕様だとか、あなたの負け惜しみとかの返信内容が読めたのだろう。


「疑惑を認めるとのことだ」

「オオオオオオオオオオオオオオオオ」

予想を裏切られたが一斉に歓喜の声に包まれる。

レモンハートさんが手を上げると、歓声が収まり出す。

「ただし、イベント時の送った動画だけでは確証は得られないとの文言も添えられていた、故に我々が更に証拠を揃えれば、イベント時の判定は覆える、と私は考えている。

今からイベント時の対戦相手のクラン『幽鬼』に無条件戦闘を宣言する」

またもや歓声に包まれる。

「オオオオオオオオオオオオ狩りじゃー!!」

「狩りじゃ狩りじゃー!」

「狩りの時間だー!」

はち切れんばかりの狂気じみた歓声にクランホームが満たされる。


「何処の蛮族だコイツら」

正直な思いが口から滑り落ちる。


「最後に、この際なので戦闘ガイドラインは無視していい。

チームでもソロでも自由に動いてくれ、クランとしては注文は付けない。

それと、チーム『葱背負う鴨』だけ残ってくれ」


一斉に俺、荻田さん、竜巻に注目が集まる。

注目の仕方も様々だ、哀愁の目を向ける者、目尻が下がり笑いをこらえる者、疑問の目を向ける者、様々だ。

『葱背負う鴨』は俺、荻田さん、竜巻の3人がクラン内で作ったチームだ。



「伝達事項は以上だ、では、解散!」


解散の号令に次々とクランホームを出て行く「狩りじゃー」と叫びながらクランホームを出て行く者。

荻田さんや竜巻とハイタッチをしながら「ばーか」とか「お説教ターイム」とか笑いながら出て行く者。

哀愁の目を向け足早に出て行く者と様々だが、早々にクランホームから人の気配が無くなっていく。


クランホームに4人だけになるとレモンハートさんが口を開く。


「楽にしてくれ」


何故か竜巻が俺の腹の上にあぐらをかいて座る。

「重い」

「あぁ~座布団から声が聞こえる~」

「ふざけんな、降りろ」

体をゆすぐるが振り落とせない。

「やかましいわ、お前ら、すぐに漫才始めんな」

俺らを制止しレモンハートさんに謝る。

「すまんな、喧しい奴らで」


「いやいや、楽しそうで何よりだよ、でだ、本題はなバグがまた発見されてな、『葱背負う鴨』に調べてほしいのだ、必要な情報は3人のメールボックスに入れといたから、面白そうなバグだったら運営に報告せずに俺に連絡くれ。あ、お前らの機体はアップデートしてクラン名消しといてくれ。

それじゃ、俺も『幽鬼』探しに行くから、じゃっね」

レモンハートさんは早口で怒濤のように説明し逃げるかのようにクランホームから居なくなった。


「「「は?」」」

3人の声がハモる。

顔を見渡し思わず2人が愚痴を溢す。

「また、ワイらだけ除け者かい」

「また、クランの皆と違う事か」

前回のイベントの時も直前に別行動を指示され、イベントに参加出来なかった経緯がある。

「ま、ワイらが居ったら他のメンバーが楽しめんのやろ?」

「僕達の機体は卑怯極まりないからね」

「卑怯でも何でも無い、他の奴等が勿体ないからとやらんかった事が予想以上の結果になっただけや」

「まぁ、さっきのレモンの態度見てるとワイらは邪魔者と見とるんやろな」

「そんな感じはしますね~」

「いつかクランから追い出さそうですね、追い出されるのが先か、こっちが止めるのが先か・・・・・」


3人の間に重く暗い空気が支配する。


「まぁ、その話はまた今度にしようや、今は目の前の事、片付けよか」

「そうですね~」

「確かに、今考えても無駄っすね」


現実に目を背け問題を先送りする事を提案する。


3人が暗い顔でメールボックスを開き情報を確認する。


【地球軌道にレーダーで捕捉出来ないが目視出来るバグ有り】


「・・・必要な情報って、これだけかいな」

「あの人は地球ってどれだけ広いのか分かってるんですかね~」

「必要最低限の情報も無いじゃん、なんのバグなの?座標は?レーダーで見えないとなるとしらみつぶし?・・・・もう嫌がらせの部類っすね」


レモンハートのメールには細かな情報は無く、噂レベルの情報しか送って来ていなかった。


「ハァ・・・・・地球までドライブしに行こか、一度は行って無いと五月蠅そうやし、パッと見て終わりにしようや、ほんで、月軌道に水星か金星帰りの商船居るやろ、それ襲おうや」

「お、良いですね~そうしましょ~」

「了解っす」


ゲーム内仕様とは言え、行き掛けの駄賃如く略奪行為を誘ってくる、竜巻も俺も反対せず同意する。


方針は決まったと格納庫に向かって

最後までお読み頂きありがとうございます。

誤字、脱字等ございましたらご連絡お願いします。


3/25加筆

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