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Prologue
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思えば最悪な人生だった。
家に帰っても居場所はなくて、大好きだった彼氏からは裏切られ、友達からもひどい仕打ちを受け、挙句の果てには大好きだった父が先立ってしまった。
「はあ…。なーんにもいい事なんてなかったなあ…。」
乾いた笑いを浮かべながら、私は独り言ちた。
橋の下には、とても澄んでいるとは言い難い光が落ちている。
「…もう、何もかもどうでもいいや。」
星が無駄に綺麗な夜だった。
最後に見る景色には相応しいくらいに━━━━━━