潜ストーリー 1
潜 ストーリー 1
「マッチに気をつけろ」
これは、撰憐の家の台所に貼ってある紙切れの言葉
潜は小学生。小学校ではふつう。何の変哲もないと言ったら彼はおこるだろうか。怖い父を持つ、彼はおこらないだろう。父は過干渉というわけではないが、こわい。何が怖いのか皆様はわかるだろうか?悪魔は怖いが、悪いことが何も起きていないのに悪魔祓いを黙って執り行い「これは無理です」と、出勤途中の新人サラリーマンにつげ、早々に立ち去ってしまう聖職者のようなと、言ったほうがわかりやすいかもしれない。母は真面目で優しい。精神的に参りやすいタイプ。父と真逆。
潜の父「なんじゃこりゃ」
潜の母「シイタケです」
潜の父「シイタケはわかるが、なぜみそ汁に入れたのか?」
潜の母「お嫌い」
潜の父「シイタケは大好きだ」
潜の母「だったら・・・・・・」
潜の父「だったらじゃねえ。シイタケみたいな高尚なものを、気安く味噌の汁の上になんか浮かべるんじゃねえ」
潜の母「味噌汁は高尚なものではないのですか?」
潜の父「あたりまえだ。味噌とういうのは、舐めるものだ。舐めると溶けていく・・・そして」
潜の母「潜。聞かなくていいから」
潜の父「聞かなくちゃ何の成長もないぞ潜。そうだノート出してメモをするんだ」
潜の母「食事中にノートなんて出さなくていいよ。潜」
潜「お父さん。味噌というのは舐めるものなの?」
潜の父「そうだ潜。舐めるもの。よく覚えておけ」
潜の母「あなたには味噌で作ったものには、箸とかスプーンいらないわね」
潜の父「なぜだ。おまえは俺をバカにしてるのか」
潜の母「舐めるのには、舌だけあればいい」
潜「おかあさん。大丈夫」
潜の母「大丈夫よ。お母さんにはパニックルームがあるから」
潜の父「・・・」
潜「・・・」




