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蔵品大樹のショートショートもあるオムニバス

見ている

作者: 蔵品大樹

奇妙な世界へとどうぞ……

 私の名は、道田悠子。今をときめく大人気女優だ。

 昔、私は、仕事が一ヶ月に一、二回あるか無いかだった位、有名では無かったがのだが、この間、大人気ドラマの黒幕として出演し、放送終了後も私が特に有名となり、今に至る。

 そんなある日、今日もCMの収録も終わり、楽屋に戻り、帰る準備をしている時、楽屋のドアが開いた。マネージャーだと思い、ドアの方に振り向くと、私は驚いた。何故かそこには、私の知らない男が居た。

 その男は、黒いハット帽に黒い伊達メガネ、黒いスーツ、黒い長ズボン、黒い靴下、そして黒い靴を履いていた。その男が掛けているメガネからでも分かるその目は死んだ魚の様な目だった。

 「誰?」

 私がそう聞いても、男は答えなかった。そして、男はそのまま楽屋を出た。

 その後、マネージャーが楽屋に来た。私は、先程の男を忘れ、マネージャーと、これからの予定を話した。どうやらまた明日CMを撮るそうだ。

 私は、それを聞き、建物から出ていった。

 その後、建物から近いバス停に行き、バスに乗ると、何故か、一番後ろの席の端にあの男が居た。私は気づかないふりをして、適当な席に座った。後ろを向くと何故か、後ろの席にあの男が居た。私はまた気づかないふりをして前を向いた。それから私がバスを降りると、その男も私と一緒に降りた。私は、男がそのまま付いていくのかと思ったら、男は、別の道に向かった。私はホッとして、家に帰った。

 家に帰り、洗面所で手を洗おうとすると、何故か男が鏡に映っていた。私は驚いて後ろを振り向いたが男は居なかった。また鏡を見たが男は居なかった。私はまたホッとして手を洗った。

 私は夕飯を作ろうと、台所へ向かうと、何故か男が冷蔵庫の前に立っているのだ。私は男をどかそうとしても、動かない。色んな物を使っても男は動くことは無かった。仕方無く、今日はカップラーメンにし、そのまま寝た。

 夢の中、私は、暗く、何も無い場所にいた。私が不思議そうにしてると、何者かがこちらに来ているのだ。私が来る方に凝視すると、私は気付いてしまった。こちらに来ている者があの男だったのに。

 「キャーーーー!!」

 私は、かん高い悲鳴をあげ、目覚めた。

 スマホの時計を見ると、どうやら、丁度6時半だった。

 私は、朝食を済まし、CMを撮影する建物へ向かった。

 建物へ向かう途中、電柱から男が覗いていたが、気にせず向かった。

 数分後、私は建物内のスタジオに入り、CMの準備をしていると、監督が来た。

 「道田君、今日、君の相手役の五十嵐君が風邪で来れないようだから、代役で五十嵐君に似ている人を呼んだから今日はよろしく」

 と言って、監督が紹介した人はあの男だった。勿論、男は五十嵐君に似ていない。しかし、監督にはそう見えるのだろう。

 私は、仕方無く、男とCMを撮った。男はお世辞でも演技が上手くなかったが、よりによって一発OKだった。後日、CMを確認すると、何故か、その時居なかった五十嵐君が男の代わりにいた。

 そして、男と一緒にいる内に私の精神は狂い、そのまま自殺してしまった……しかし、この話には続きがあった。

 とある山奥の施設内にて、白衣を来た男二人が話し合っている。

 「まさか、ターゲットが自殺してしまうなんて…」

 「仕方ない、この実験は、『ずっと人型のAIに見られたら人はどうなってしまうのか?』だからな…」

 「私は、そのまま生き続けると思いましたが自殺なんて考えもしなかったですよ」

 「よし、あいつが帰ってきたら、破壊して何処かに捨てておけ」

 「分かりました」

 と、片方の男は、部屋を出ていった。残ったもう片方の男は部屋を出た方の男が映るモニターを見ながら、語り始めた。

 「ふふふ…バカめ…あいつはまだ気づいてない…本当の目的は『人が人にずっと監視されたらどうなる?』という実験をしているのを…あのロボットも自殺した女も単なる『飾り』に過ぎない…さて、少し休憩するか…」

 しかし、まだ彼も気付いていない…彼もまた誰かに監視されているのを…

この度はありがとうございました……

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