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オークと高貴な竜

宣言通り、本日3話投稿します。




オーク エサ ツヨイ エサ ヒル キタ オーク ニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロ

~~~~~~~~~


 俺たちが集落へと戻る途中、森の様子がいつもと異なるのに気が付いた、ホーンラビットやウルフがめったに姿を見せないことはいつも通りなのだが、いつもなら隙ありとばかりに俺に噛みついてくるハイドスネークが一向に姿を現さない。攻撃の瞬間を狙わなければすぐに姿を消す彼らではあるが、攻撃自体は頻繁にしてくるのが特徴だったはずだ。

 

 それは、なんというか、森全体が張りつめてしまっているかのような雰囲気だった。


「……グォーク……」


「分かっている。森の様子がおかしい、恐らく……」


 おそらく、マザーを追い立てた者が周辺にいる、あるいはいたという事だろう。

 俺たちはなるべく息を潜めつつ、集落へ向かって足を進めた。


 そして、俺たちが集落へと近づくと、明らかな異変が起きていた。オークの怒号と騒音、まるで大規模な戦闘をしているような雰囲気に、俺たちは息を潜めつつも急いで集落へと向かった。


 そして、そこにいたのは初めて見る俺から見ても、優美と言えるような存在だった。大きく、赤く、そして力強い。この集落に来るときに使ったであろう翼はきれいに折りたたまれ、強靭な足はしっかりと大地を踏みしめている。顎からはオークの腕ほどもある牙が生えそろい、爬虫類を思わせるスリムな身体には、マザーのそれよりも硬そうな、堅固な鱗が生えそろっていた。


「なあ、アンネ、予想は出来ているが、あいつは何者だ?」


「……多分、あなたの予想道理よ。モンスターの中のモンスター。最強にして最恐の個……つまるところ、ドラゴンよ」


 そう、集落にいたモンスター。それはドラゴンだった。オーク達は血だらけになり、あるいはその巨体で押さえつけられていても闘志のこもった怒号を上げてドラゴンに向かっていく。


「もし、仮にあいつに戦いを挑んだ場合、勝率はどれくらいだ?」


 アンネに聞くと、アンネは悩ましい顔をして言葉を発した。


「あいつを倒すって意味なら勝率なんてないわ。万に一つあいつに最高の一撃を食らわせられたとしても、基礎能力が違いすぎて痛打にすらならない。……ただし、引き分け……になら持ち込めるかもしれないわ。かなり、部の悪いかけにはなるけど」


「上出来だ」


 この状態で引き分けにできるなら万々歳だ。俺はアンネの話を詳しく聞くことにした。


~~~~~~~~~~~

 話を聞いた俺は、武器を持ってドラゴンの前に立った。装備は、マザーの鱗で作った盾に腰に付けた斧、そして、背中に括りつけた荷物袋だ。


 俺は手始めにドラゴンの死角から、目に向かって投擲を行う。


「GYAU?」


 違わず目に当たった石は、ドラゴンの気を引くような一定の効果はあった。が、それは逆に言えば劇的なものは期待できないということだ。

 覚悟していたことではあるものの、ギョロリとこちらを睨み据えられると、ゾッとした感覚が背筋を震わせる。


 ドラゴンはその巨大な尾を使って、上から振り下ろしてきた。だが、こちらにはマザーの鱗製の盾がある!アンネが受け流しができる盾だと言って渡してきたものだ。


 とはいえ、俺自身が受け流しを練習してきたわけではない。ぶっつけ本番で上手くこなせるわけはなく、俺自身が弾き飛ばされるような形で振り下ろしをいなす。


「……これは、きついな」


 みれば、マザーの鱗の一部が欠けていた。当たり前ではあるが、単純な力だけでも俺よりあるようだ。


 ただ、そんなことで怖気づいている暇はない。急いで体制を立て直すと、そこには大きく息を吸い込んでいるドラゴンの姿があった。


「!マズっ……」


 俺は慌てて道具袋に手を突っ込み、手に当たったものを投擲する。


 息を吸い込んでいたドラゴンは、綺麗に投擲されたものを呑み込み、その異物感で息を吸い込むのを中断する。ついでには誤嚥の影響か、ドラゴンは何度かせき込んでいる。


 俺はため息を吐きながら、急いで逃走を始めた。当然ではあるが、こんな化け物に真正面からぶつかればオーク一体など勝ち目がない。というか、俺含めオーク側には対処法がなく、アンネの策と彼女が賢者の塔で過ごしていた時に築いたものを使って特殊な条件を満たせば、なんとか撤退させることができるかも……?レベルの脅威だ。

 しかも、それにはこちらの手札に加え、実際にあるかどうかも分からない相手の手札も加味して行動しなければならない。はっきり言って分はかなり悪いと言っていいだろう。


 だが、オークの集落を存続させるためにはこれしかないのだ。やるしかない。


 俺は声を上げるドラゴンを背に、冷や汗を流しながらも隙を見て投擲しまくるのだった。


~~~~~~~~

 傷持ちのオークは戸惑っていた。彼は自分が強いことも、あの妖精と一緒にいるオークが自分以上に賢いことも気が付いていた。

 そして、自分よりも襲撃してきたエサ、ドラゴンの方が、自分や妖精と共にいるオークよりもはるかに強いことも感じ取っていた。だからこそドラゴンが飛来した瞬間に他のオークに逃げるように叫んだし、自身も真っ先に隠れた。


 そう、傷持ちオークは、オークにしては賢かった。自分が負けそうなモンスターについては避けるようにしていたし、効率の良い狩り方を日々考えてきた。それ故に彼は武器を扱うことを覚え、オークにしては珍しく、何度もレベルアップを経験していた。


 そんな賢い彼だからこそ、妖精と一緒にいるオーク……グォ―クの行動が理解できなかった。勝てない相手なら逃げるしかない、仲間のことは諦め、新しい群れを見つければいい。もし戦うというなら、強くなった後でいい。殺して、殺して、殺して、そして強くなった後に、勝てるようになった時に改めて挑めばいい。


 それは本能に近い、原初的な思考だった。死なないように逃げる。強くなるために殺す。単純ながら重要な思考は傷持ちにボスたる資格を与えた。


 しかし、そんな傷持ちが考えたこともないようなことが頭に巡っていた。傷持ちは死にたくなかったし、よりたくさんの獲物を欲した。だからこそ勝てなければ逃げたし、倒せる獲物が多くなるように強くなった。なら、ドラゴンに挑んでいるあのオークは、死にたくなくて挑んだのだろうか?それとも、ドラゴンを獲物と見ていどんだのだろうか?傷持ちにはそうは思えなかった。


 傷持ちは初めて疑問を持った。しかし、オーク語には疑問の言葉など存在しない。だから、傷持ちが考え、考え、考え抜いた結果が。


「……グォォ?」


 情けないうなり声だったとしても、それは仕方ないことだったのだろう。

 

※訳

オーク(が) エサ(になるくらい) ツヨイ エサ(異種族) ヒル(空から) キタ オーク(集落のオークども) ニゲロ(ry)


=空からめっちゃ強い奴が来たぞ!逃げろぉ!?



 ボスは小学校一年生の知能の半分くらいは賢いはず。なんで賢くなったかは……いつか書けるはず。

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