表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/261

オークとパーティ入れ替え

「なるほどね。オークに特化した本と、旅行記ってわけね。……オークに特化した本とか、よくあったわね」


 宿に戻った後、図書館から持ち帰った本を見せつつ、俺たちは話し合った。

 なお、今日は蘇芳とアンネが引き続き冒険者ギルドで依頼を受け、ボスとリナは孤児院に行って子ども達に稽古を付けたり、読み書きを教えたりしていたらしい。スカー院長が許可したならいいが、あの孤児院、順応性高すぎである。


「ん~、ここまでわかってるなら、私も本の確認に参加した方が良いかしらね。多分あんたよりは読むの早いだろうし」


「それはありがたいな。なら、『オークとその亜種に対する一考察』の方を確認してくれないか?そっちは専門的な本っぽいから、魔物の知識の多いアンネが担当したほうがはかどりそうだ」


 アンネが元気よく頷くのを見て俺も大きく頷いた後、ふと蘇芳の方を見ると、なんだか少し困ったような顔をしていた。


「明日、バルディアに誘われテル。アンネ、着いてコナイ?」


「あぁ、そうね……それがあったわね」


 なんでも、以前も言っていたが連日臨時パーティとして組んでいる冒険者パーティで、蘇芳は結構な活躍をしているらしい。それで昨日は貴族の私有地に存在する魔物の巣を殲滅する依頼を受けたらしいのだが、割かし大きな洞窟で迷宮のようになっていたため、今日も依頼を継続する予定だったらしい。


「……そうだな。ボス、リナ。今日の予定はあるか?」


「そうですな。孤児院の子ども達にはまた稽古に行くとは言っておりますが、昨日大分しごきましたからな。少し日を開けたほうが良いと思いますぞ」


「なら、そのバルディアさんの対応次第になるが、アンネの代わりにボスとリナに行ってもらってもいいか?」


 皆が頷いたので、その日はそのまま休息し、翌朝バルディア達に会う為に冒険者ギルドへと向かったのだった。


~~~~~~~~~~~~~

「なるほどな……いや、だがなぁ」


 バルディアに話したところ、少し難しい顔をして呻いていた。


「そっちのパーティが長くて、そっちの事情がある以上こっちもそれを尊重したいというのはあるんだが、何しろ今回は魔物の巣の探索だ。ある程度信頼できる相手じゃないと、背中を預けるのは厳しいな」


 どうやらアンネ達と解散した後も貴族の屋敷で聞き込みなどをしていた様で、巣の概要も少し詳しいことが渡って来たらしい。


 それによると旧採掘鉱だった巣の中にはゴブリンを中心にビッグワームというミミズに似た魔物や、キラーモールというモグラに似た魔物が生態系を形成するような形で住み着いてしまっているらしい。正直オーク級依頼にするには大掛かりなものになりそうな気がするが、魔物が総じてゴブリン級程度なので熟練のオーク級冒険者なら何とかなるらしい。


「ゴブリン……?」


 そんな話を聞いていると静かに聞いていたリナが眼を光らせた。


「バルディア様、私をその依頼に連れて行って」


「は?いや、だから」


「連れて、行って」


「いや意味が分からない」


「……」


「はい」


 リナの眼力に負けバルディアが首を縦に振り、そして俺に目を向けて来た。


「な、なんだよこの嬢ちゃん!」


「あぁ、彼女はゴブリナから進化したゴブリナニンジャなんだが……ちょっと野生のゴブリンがアホに見えて殲滅したいと考えてる節があってな」


「主様、ご安心を。もしも使える者であれば、生かして使えるようにします」


 そんな返答に、俺も咄嗟に言葉が出なかったが、そのままバルディアを見つめると彼も諦めた顔でこちらを見つめていた。


「ま、まぁ、実力は俺も保証するし、リナもボスも無茶を言う奴らじゃない。嫌なことや困ったことがあれば遠慮なく言ってやってくれ。蘇芳が世話になっていてより負担をかけることになるが、頼む」


「……あぁ、いや……ん?あぁ!もしかして、抜けるのはアンネさんだけか!すまんすまん、それならこちらとしては問題ない!アンネさんの補助魔法には世話になってるが、現状蘇芳の姉御が頑張りで十分パーティの補てんになってるからな!」


 どうやら、俺たちが2人を代理として提案した結果アンネと蘇芳が抜けてリナとボスが入ると勘違いしていたようだ。……とはいえ、蘇芳が居れば問題ないとは、蘇芳も中々信頼されているようだ。

 俺は再び頭を下げた。


「繰り返しになるが、蘇芳をよろしく頼む」


「あぁ、というか、こっちが世話になりっぱなしだがな」


 そう言って、バルディア達は遺跡に向けて歩き出したのだった。

ストーンゴーレム「GUOOOOOOO!!」

バルディア「ストーンゴーレム!?こんなの聞いてないぞ!」

ボス「石の巨人……権を握る必要もないですな、ほい」グシャァ

バルディア「!?」


アサシンヴァイパー「……」

リナ「……後ろだ」

アサシンヴァアイパー「!?」

~~~~~

バルディア「あれ?リナさんはどこに行ったんだ?」

リナ「これが私達を狙ってた」

バルディア「!?」


バルディア「……あの二人、ふっつーに蘇芳の姉御よりヤバいんだけど」

フォビオ「つーか、何となればアンネさんよりも有能じゃないか、あいつら」


一応昇級試験での2パーティでの竜帝様討伐が加味された結果とはいえ、仮にもマンティコラ級が片手間でもオーク級依頼受けたらそりゃそうなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ