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オーク転生 脳筋種族に転生したとかマジですか。  作者: 廉玉タマ
3章 聖都・リス・デュアリス
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オークと魔法講義

「さて、それじゃぁ、まずは基本的な概念を説明しよう。魔法は定理という法則でくくられている」


 そう言って、賢者様は椅子を降り、いつの間にか手に持っていた棒に、恐らく魔法であろうがいきなり炎が灯る。


「まずは魔法定理。この世界の基本にして一番初めの定理だ。前世で言えば物理や化学の入口と言った所。直感で理解できる魔法現象だね。

 例えば、地球では摩擦熱を高めれば炎が起こるが、この世界においてはその行為は摩擦熱を高めるという法則であると同時に火の魔力を集めるものということになる。

 この世界の法則は物理法則の上に魔法法則がある。だから、物理的にその条件を達成できなくても、より上位の法則である魔法法則で条件を達成すれば、現象を生み出すことができる」


 そうして、棒の先の炎を消し去った賢者様は、そのまま言葉をつづけた。


「まぁ、噛み砕いて行けば”ごく自然に起こりうる魔法現象をちょっとしたコツで再現する”方法が魔法定理だ。大したことはできないが、生活魔法と言われて重宝しているものもあるようだね。それに割と低級な魔物でも無意識に使いこなしていることもある」


 賢者様は、そう言い切ると、棒の先についていたマシュマロを齧りながら次に進める。


「お次が魔術定理。ここからが、所謂戦闘や生産に使える”魔術”と言われる学問的な体系だ。一般的に魔法使いや魔術師と言えばここからを指す。魔法定理を利用し、自分の望む効果を得ようとする魔法体系……炎の形をより戦闘に適した形にしたり、生み出した鉄を攻撃に適したものに変えたりと言ったものだね」


 マシュマロを食べきった賢者様は、三本の指を立て俺に向かってきた。


「三つめは儀式定理……まぁ、コレはあまり覚えなくてもいい。複数人で分担しなきゃいけないほどの膨大な計算量か魔力量が必要なだけで中身は魔術定理と変わらないからね、そして……」


 賢者様はいよいよ俺に近づいて、四本の指を立てた。


「魔王定理……定理の5段階ある階層の4段階目。君に覚えてもらうのはこれだ」


「魔王……定理。って、いやいやいや、おかしいだろ!こういうのは基本的に、下位の階層を使いこなさないと上位の物は使えないようなものだろ?」


 それを聞いて、賢者は指を左右に振って否定した。


「儀式定理まではそうだ。だけど魔王定理とその上、天定定理は別だ。何故ならその二つは、法則を作る側だからね」


「法則を作る?」


「そう、例えば火の魔素を集めれば火が溢れる。人は血や肉が足りなければ死ぬ。それはどうしてだい?……いや、回答は結構。でもそう言った物は何をもってそうなっているのか。どうしてそういう風に決まっているのか。理由があるはずだろう?

 その理由が、天定定理なのさ」


 そう言って、賢者様は目を細めた。


「天定定理とは、天が定めた法則の事、風が吹き雨が降り、魔法は魔素が無ければ使えない。そんな法則全てを司る理。そして……っと、すまない脱線したね。

 とにかく、世界がこの形を保っているという証がこの天定定理なわけだけど、これだけじゃどうにもならないことっていうのもあるわけだ。

 例えば生き物を何もないところから誕生させる、時間を巻き戻す、あるいは出来るにしても既存の方法では使う労力が大きすぎるなんてこともある。そんなものたちが、それでも願いを叶えたいと生み出したのが、魔王定理。つまり、魔王の使う力だ」


 つまり、魔法というのは本来天定定理で決まっている現象をあれこれして再現する物だけど、魔王定理はその限りではないってことか。

 ……なんだか、アンネから似たような話を聞いたことがある気がする。でも、それは魔法の話じゃなくて、たしか……。


「もしかしてだが、それって魔境と関係あるのか?」


 そう、魔境では常識の外の現象が起こる。それが魔王定理に関係あるのではないだろうか。


「まさにそれだね。魔境の異常現象は魔王たちの使う魔素が溢れてその魔法を振りまいている状態だからね」


 いや、でもそれって。つまり……。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……ってことじゃないのか?」


「まぁ、大きくは変わらないね。でも、既存の法則をぶち壊すからこそ、オークである君にも使える可能性がある、ということでもある」


 そう言ってにやりと笑うと、賢者様はその方法を示してきた。


「さて、君に魔法を教える方法だが、少々荒療治となる。君は死ぬほど怖い目に何度も会うだろうが、どうする?」


 それを聞いて、俺は少し考え、そして答えを出した。


「それで死なないのなら、ぜひ」


 俺がそう答えると、賢者様は俺に一つの球を手渡した。


「なら、これを口に入れておきなさい。気絶してもすぐに目を覚ますから」


 そう言うと、賢者様は言葉を続けながら、俺に近づいてきた。俺は緑色をしたその球を口に含んで話を聞く。


「さて、肝心の魔法の使い方だけれど、まずは君自身を自覚するところから始めなきゃいけない。君がどんな存在で、どんなことを願い、そして、他とどう違うのか。それはっきりさせるために、()()()()()()()()()()


「!?」


 次の瞬間、俺は賢者様から放たれた強力な殺気により、一瞬で意識を失ったのだった。

パソコンで解説!魔法の仕組み!


1魔法定理

 「キーボード打ったら文字が出てくんじゃん!」


2魔術定理

 「ワード使って資料作成したぞ!」


3儀式定理

 「あー!ホームページ作りメンドくせー!何で社内の写真やら他サイトへのリンクとか張らないといけねえんだよ!マクロも組むのめんどいわ!」


4魔王定理

 「ワタシ携帯使いたいからwindousじゃなくてiosをツカイマス」


5天定定理

 「今二進法でいろいろ計算してるゾ。え、16進法を使う?機械文明1から作り直しだけどok?」


 パソコン知識殆どないけどイメージはこんな感じ。



 読み直していてクッソデカいガバをしてることに気付いて若干落ち込んでいます。どんなガバとは言いませんし、まあ進行には影響ないし、通して読んだ時に「やっちまったなぁ!」ってタイプのガバなのでよっぽどのことが無ければ編集もしませんけど、とりあえずただでさえ登場予定の無かったスラじいさんの登場確率があほみたいに下がったとだけ言っときます。

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