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冊子:賢者の塔について(定価15000G)

ということで、賢者の塔の情報です。

初めに

 この冊子は、我らがギルドの総本山。はるか昔に賢者様が建てられた賢者の塔における、注意すべきものを記したものである。

 その性質上、賢者様の望まれる「塔による冒険者の能力向上」を妨げる可能性があるため、この冊子を購入できない程度にしか実力を蓄えていない冒険者には閲覧を禁止することとなっている。仮にこの序章を見ている新米や無理やり新米に読ませている冒険者がいた場合、処罰の対象になるため、あらかじめ注意しておく。


☆塔の概要

 賢者の塔は、12魔境に数えられる魔境の一つであり、人類が完全に制御できている珍しい魔境である。また、その特殊性として、ひと月もすれば道順が変わるダンジョン内部や、塔内で死んだとしても、望まない限り死ぬことは無いという特徴があげられる。

 本来の用途は冒険者の育成ではなく、彼女に従う従魔の家を作るためだったとされている。


~~~~~~~~~~~~~~~


☆塔の地形

 賢者の塔にはいくつもの特徴的な階層や地形、階層ギミックが存在するが、階層は大まかに通常階層、ボス階層、セーフフロアの3つに分かれる。


 通常階層 

 ほとんどの階層が含まれる分類。様々な環境があり、謎解きや迷路といった頭を使う課題を課されることもある。ただし、必ずしも戦闘や知識が無ければ突破できないわけではなく、困難な道だとしても回避する方法が用意されていることがほとんどである。例としては、謎解きしないとあかない扉でも破壊可能である等。これは、どんな形であっても突破する柔軟性を試したり、塔の頂上へ行くための門戸を少しでも広めるため。

 ただし、上層に行くほどその難易度も上がり、例を出すとすれば、前例の謎解きの扉破壊に関しても、最上階層付近は上位の巨人10人が完全に息を合わせて総攻撃を仕掛けて何とか破壊できるといった難易度に達するため、結局塔の頂上に登るためには総合的な能力を必要とされる。


 ボス階層

 通常階層数~数十階層毎に現れる特に強い魔物の配置された階層。基本的に1体あるいは1パーティ程度の魔物しか存在せず、実は長期滞在によるペナルティも存在しない。

 基本的には能力値はそれまでの階層と同じだが、厄介な行動や特性を持っているか、能力値が10階層以上上の実力の魔物が配置されている。

 例外的にアント系の女王種などが配置されている時は、1000体単位の魔物が配置されていることもある。また、基本的には戦闘能力を試されるものの、極まれに知恵比べや調理技術勝負などを挑まれることがあり、そう言った場合は戦闘を回避し、しかもボスとの交渉が可能になることもある。


セーフフロア

 ごく稀に存在する安全地帯。有名なのは最初のセーフフロアである妖精村と、1200階層に存在する中央村。基本的に居住施設や食料や武器の補給施設は充実しているため、騒ぎを起こさなければ塔内でも楽園と言っていい場所である。あまり知られていないが、冒険者なら村全体でツケで買い物が出来たりする(請求金額はギルドに転送され、借金としてその後の依頼料から天引きされる。場合によっては割引あり)基本的に失礼なことさえしなければ安心できる場所のため、ゆっくりと体を休めたり、次の探索の準備を進める場所と考えればよい。


☆環境及びギミック

 賢者の塔にはありとあらゆる環境や罠、特徴的な性質を持った土地などがあるが、その中でも頻出される物を記す。


環境

・平原……一般的な草原。食糧の調達などが意外と難しく、野草の知識等が必要になる。また、あまり先を注意していると蛇の魔物などに草の影等から襲われる可能性があるため、油断はできない。とはいえ、基本的には低階層に集中している環境である。


・森……食料の調達が比較的容易で、果物等も豊富に採取可能。一方で視界が遮られやすいため、周囲の音を聞くなどして異変にすぐ気付けるようにするべきである。


・沼地……足元がぬかるみ、基本的に地に足をつけて戦闘する戦法をとる冒険者にとっては不利になる。そのため、少ない足場を活用したり、そもそも見つからないように戦う方法を探る必要がある。


・湿地……沼地に似ているが、より地質における水分量が多く、水が全体を覆っている。水を多量に必要とする水棲の魔物も多く出てくるため、完全に地上ではないと心得て戦うべきである。


~~~~~<中略>~~~~~~~


注意すべきもの・魔物


 階層を通して、注意すべき地形やその場所の特徴があるため、記す。


・安全地帯

 その場所に、魔物が入ってこない場所を指す。これは、仮に入ってこられる状態であっても基本的には入ってこないようになっている。ただし、完全に侵入してこないわけでなく、例外があるとこと、また、安全地帯自体も明確な共通点があるわけではないので、安全地帯だと思っていたが違って魔物に奇襲されるということもありうる。

 基本的には、その階層にいる魔物の分布や習性から割り出せるようになっており、全ての階層に最低一か所は存在している。


 また、魔物が侵入してくる例外は、①特定の魔物が冒険者を安全地帯まで見失わなかった時、②そもそも戦う意志のない時、③一定時間を超えた場合のペナルティとしての強敵が相手の時。

 以上の場合は安全地帯でも魔物と遭遇する可能性がある。


・階層管理者

 階層を管理する魔物である。時間超過によるペナルティによって相対することになる魔物達には及ばないものの、強い力を持っている。


・ペナルティ

 賢者の塔には、階層ごとに推奨レベルが設定されており、それ以上のレベルで長時間滞在していると、その階層の適正レベルでは決して勝利できないほどの強力な魔物が召喚され、敵対することになる。

 基本的には階層÷3を切り上げした値が推奨レベル、階層レベル÷10を切り上げた数値分の日数で大凡割り出せる。ただし、種族ごとに同レベル帯での強さや移動速度が異なるため、種族によって大きく時間や推奨レベルが変わる。


 なお、ペナルティは冒険者を先に進ませるためということもあるが、一番の理由は、塔内の魔物に適正なレベル帯での経験を積ませるためと言われている。

~~~~~~~~


注意するべき魔物

☆賢者の従魔(12魔将)

 賢者の従魔はその多くが謎に包まれているが、別格の12体がいるとされていて、全世界で使える、賢者硬貨に描かれる絵の元になっている。また、賢者の塔の2000階層以降は彼らの眷属や彼ら自身の姿もが多く認められるため、それらの対策に役立つかもしれない。


 1・スラ坊 大ミスリル硬貨(1000万G)に彫られている巨大なスライムの魔物。現在塔内にはいないとされている。


 2・マキナス 中ミスリル硬貨(500万G)に巨大な腕が雲を突き破っている姿で描かれる魔物。賢者の話を総合すればゴーレム系統の魔物らしいとされている。

 

 3・ヘル 小ミスリル硬貨(100万G)に巨大なドクロの頭を持つ蛇と共に描かれる魔物。元々は塔内にいたとされるが、現在はどこかに姿をくらましている。賢者によれば12魔境のどこかにいるとのこと。


 4・ヘカトー 大金貨(50万G)に描かれる他腕の巨人族。大きさは他の巨人と比べれ小さいが、絶え間ない連続攻撃を繰り出す。また2350階層の階層守護をしている。


 5・クロノス 中金貨(10万G)に時計をあしらって表される上位精霊種。塔の内部をフラフラと彷徨っているらしく、敵対しない限り何もしてこないが、敵対すると一瞬で灰にされる厄介な存在として有名。


 6・フラーロ 小金貨(5万G)に背に町を背負う巨大な鯨として描かれる魔物。600階層から数層続く、生きる安全地帯としてその姿を見ることができる。


 7・エデン  大銀貨(1万G)に、古い大樹として彫られているエント。1800階層から数層続く大森林地帯の管理をしているが、所謂樹海であるため、彼の元にたどり着くことがまず稀である。


 8・クズノハ 中銀貨(5000G)に描かれる、狐の巫女。12魔将の中でも最も人間に友好的であり、賢者の塔内で出会うと回復魔法等をかけてくれる。ただし、12魔将に選ばれるだけあり、戦闘になると多様な攻め手でこちらを詰みの状態にしてくる。


 9・ウィスティン 小銀貨(1000G)に彫られた、豪奢な魔術師の姿をした骸骨の魔物。研究に没頭しているため、塔内で見ることもほとんどないが、間違って彼の研究所に入ってしまったら、実験体にされてしまうと言われている。

 

 10・ギンゲツ 大銅貨(500G)に彫られた武装した鳥人。本人の戦闘能力もさることながら、他の鳥系の魔物を指揮することに長けており、2000階層以上のボス部屋で、偶に多くの鳥系魔物と共にボスを務めていることがある。


 11・ガディール 中銅貨(100G)に描かれるかぎ爪をもち扁平な頭を有する羽虫のような姿をした虫系魔物。噂によると賢者以外にはその真意を理解することが宇可能だったとされる。


 12・エドル 小銅貨(10G)に刻まれている髭が生えた犀のような魔物。火竜山脈近くに存在するカトブレパスの遠い祖先であり、彼らの上位互換であるとされ、麻痺や石化の魔眼を使いこなすとされている。


<以下略>

多分今作では12魔将たちは半分も出てこない。

相性もあるけど、こいつら全員竜帝様より強いとされてたり。


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