超短編小説「本棚との悪戦苦闘」
本棚と悪戦苦闘していた。本を種類別に並べていたのだが、どうにも上手くいかない。ある棚では本が入りきらず、ある棚では空間が余る。入りきらなかった分を空間に入れれば済むのだが、全く種類が異なる本を同じ棚に入れるのは、なんだか違う気がするのだ。あと他にも、お気に入りの本を入れた棚があるのだが、そこに入れる本も悩ましい。好きだけど余り読まない本もそこに入れるか、しょっちゅう読む本だけを入れるか…。前者は入りきらず、後者は空間が余るのだ。本当に悩ましい。だんだんと本棚が憎くなってきた。あまり本が無いときはあんなに好きだった本棚。少しずつ空間を埋めていく楽しさと達成感。だが今ではもう殆ど本を入れる空間も無くなり、本が溢れて一つの棚に2列を作っている箇所すらも存在する。だが、新しい本棚を買うには部屋が小さすぎる。リビングに置いたら怒られるだろうか?多分怒られるな。…この本棚とは随分長くやってきたものだな、とふと思う。もしかするとこの本棚とは一生の付き合いになるかもしれない。この悩ましく憎たらしい本棚と上手くやっていかないといけないな、と考えたりする。取り合えず昼飯を食べにリビングに向かうことにした。
毎日投稿出来るように頑張ります。とりあえず一日目です。