第1話 降下開始
特殊部隊は至急降下艇に乗り込んでください、繰り返します、特殊部隊は…』
艦内アナウンスが響く、今日俺たちは地獄へ行く、手に持っている銃を握り締めた。
「お前ら準備はいいか?行ったら戻ってこれるかわからない戦場へ行く覚悟はできたか!」
背丈は2mほどあって金髪の角切りで額に大きな傷のある、筋肉ゴリゴリマッチョにふさわしい体格の持ち主フェニックス軍曹が怒鳴った。
「はい!!」
「それじゃあ降下艇発進!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
とうとう出発した、先に行ってるはずの先遣班からの連絡が途絶えて早1時間がすぎた、連絡の無いまま俺たち特殊部隊は出撃を余儀なくされた…
「みんな忘れ物は無いな、次はいつ会えるかわからない、心して行くように」
「もう少しでポイントDeltaに到着、降下準備をしてください」
もう一度銃を握り直したもうすぐで敵との戦闘の最前線だと思った瞬間…
ドカーン!!
ビー!ビー!ビー!
突如攻撃を受けた、警報音が鳴り出した、皆何が起こったのかわからずオドオドしていた。
「何が起きたんだ!?」
「たった今『アンノーン』航空部隊と衝突!右エンジンに攻撃が被弾、あまり問題はありませが念のためDelta付近に緊急着陸します、バギーを降ろしますのでそれで現地に向かって下さい命運を祈ります!」
「聞いたかみんな、今から戦場だ!!気をぬくな!!」
「了っ!!」
と同時に降下艇が着陸した、俺たちは急いでバギーに乗った、運転が俺後ろで補佐をしてくれるのが、新米兵士のジュン、俺の班はココ隊長率いるA班、他にも5班で出撃したが、他の班とはなぜか通信がつかない、多分『アンノーン』がジャミングしているのだろう。
「他の班とは連絡がつかない、このまま我々はDeltaに向かう、みんな離れるなよ」
「私は一度、艦に戻ります、エンジンがやられているので修理しないと皆さんを乗せられません修理が完了次第また戻ります」
「了解した、ミッション終了時にまた連絡する」
今喋った人物は我らが隊長のココ大佐、髪はロングで白く、肌は色白で、病弱そうに見えるが、フェニックス軍曹を投げ飛ばすほどの怪力の持ち主。
ゴゴゴゴゴ…
「ミッション開始!!」
「了っ!!」
「ココ大佐!俺は、俺の班と他の班がどうなったか確認する為、この付近の捜索にあたる、お前達は先に行っといてくれ」
「了解」
ブルルルルル…
バギーで森の中を突っ切りDeltaに向かうここは地球とよく似た惑星アーツ、リングを囲む5つの惑星の一つだ、5つの惑星全てになぜか酸素がある、まぁ無駄話もさておきポイントDeltaに到着した、だが敵の気配が全くしない…
「先輩、今の所何も無く順調に進んでいますけどなんか、気味悪く無いですか?」
「まぁ確かにな、こんな安全な運転は久し振りだ、おっと目的地に着いたぞ…ん?なんだあの火の玉は?」
「これより作戦を開始する、全員持ち場につ…」
ドカーン!!
「???」
「何にが起きた!敵の攻撃か?」
ブルルルルル…キッー!
「ココ大佐!!先ほどD班の乗った降下艇が撃墜され乗組員全員死亡!!、他の班の降下艇も撃墜されましたが、乗組員は無事でした!!」
「やはり『アンノーン』の攻撃だったか…フェニックス!生き残った班は任務続行しているのか?」
「B班、C班は作戦を開始、未だE班とは連絡が取れません」
「そうか、我々も任務を続行する、全員持ち場に付け!!」
「了っ!!」
まさかD班が撃墜されるとは、物資を多くつぎ込んでいた降下艇を狙うとは偶然か?いやまたアサシンに情報が漏れていたんだ、ミッション遂行後の迎えの艇が頼みの綱か。
「全員バギーを降りて目標建造物まで、隠密に行くぞ」
そう今回のミッションは【リングキー】の手がかりがある建造物を発見、占拠、兼、この星に滞在している『アンノーン』の排除である、予定では我々A班とC班が背後から侵入、B班、D班、E班は正面から攻撃だったが、現段階D班とE班がいない状況でB班だけに任せるのには荷が重すぎる為、急遽作戦を変更したA班だけ背後から侵入、B班、C班が正面から攻撃するもし、E班が合流出来ればそのまま戦闘に参加、のち作戦遂行後全班合流、という流れになった、ちなみにA班は、俺と隊長とジュンとミナ、B班は、フェニックスとその部下達だ。
「A班全員、ここから侵入するぞ気をぬくな」
「了っ」
建物内は、壁に紋章の様なものが書かれていて、道はほぼ一直線で、所々曲がる箇所や、穴に入る場所などがあり、罠わなかった、一方その頃、建物前では…
ドドドドドドドドド!!
「撃ち続けろ!!奴らに押されるな!!」
「ここには絶対入れルナ!!オイ!爆弾はないノか!」
「弾がもうナイ!ありッたけ持ってこい!!」
「隊長!!効いているようには見えません!!」
「仕方がないみんな俺が突っ込むから援護射撃を頼む!!」
「隊長!!」
激闘になっている事だろう、とここで分かれ道か…
「分かれ道になっているから二手に分かれよう、私とミナは右に行く、お前とジュンは左に行け」
「了っ」
ここからは2人1組で行動だ襲われるケースも大きくなるが、慎重に行けば問題ない、ただここら辺り妙に空気が怪しい敵がいるのかもしれないが何かおかしい…ん?話し声が聞こえる!?
「ジュン止まれ」
「どうしまた先輩?」
「話し声が聞こえるんだ」
「敵っすか!?」
「どうやらそうみたいだな少し聞こう…」
「これガ、例のアレか?」
「それにしてハ随分ト形が違ウゾ?」
「ここはハズレか、これは回収スるナ、もしかシタら罠が仕掛けラれているカもしれないからナ」
「ヴァチャヴァチャヴァイヴァイヴァチャヴァチャ」
「アァ、わかってイる、ココで暇を潰してイル訳にもイカないからナ、他ノ惑星にも探しに行こウ」
わ
トットットットットッ…
「報告しマす!!見張りガ今敵と交戦中!!至急応援ヲ頼みマす!!」
「わかったすグ行こウ!!」
トットットットットットッ…
さっきの話で誰と戦ってるかわかった、しかしあそこに何があるんだ?、敵はいないな…
「行きました?」
「行ったな…よし行くぞ!」
そこにあったのは、人の頭部位の大きさの球体だった、なんというかあまり表現できないが、わかる奴にはわかるメカニックなデザインの球体だった
「何だこれ?」
「わからない、ただここにあると言うことは、【リングキー】のヒントになるかも知れない、回収しておこう」
そしてその球体を型枠から外そうとすると、中々外れない、てかビクともしない
「硬いっすよ先輩これ!!」
「そうだなどこかに外す装置でもあれば…」
「あ、ボタンがあるっすよ!」
「よせ!!不本意に押すな!!」
言ったが、遅かった、ジュンが謎のボタンを押した瞬間、その球体が突如外れ浮かび上がり、赤く発光して、話しかけてくる。
「どうも、私はリングの案内役の〈MDE・RF1-29〉長いので"メロ"とお呼びください、私は大体の事ができるので何なりとお申し付け下さい」
「…動くな、お前今の案内人と行ったな、証拠を見せてみろ」
「私には敵対心がありません、ただ作動させた者に《リング》の説明、【リングキー】のありかの案内をしろとのデーターが残っています、証拠でしたら私が映し出すものを見て下さい」
そして壁に何らかの映像が映し出され、そこにはリングの破壊力、リングキーのありかのヒントとなる場所が映されていた、まだ完全に信用した訳ではないが、これが《リングキー》のありかにつながる可能性があるので一様信用しておく
「よしわかった、お前を今から我々の艇に連れて行く、ジュン!ココ隊長に連絡を入れくれ」
「了解です!」
『こちら、ジュン!ココ隊長のヒントになるような物を発見しました』
『良くやった、我々は収穫はなかったが、手ぶらで帰らずに済む、先ほどの分かれ道で合流しよう…』
ドン!!
『ん?ミナどうした?』
『た…い…長…にげ…てください…』
バタン…
『おい!ミナ!!大丈夫か?何があった?!…キャァ!』
『おイ!!ここに敵がいるゾ!!』
『ここにもまだ居たカ、連レて行け!!』
『離せ!!この野郎!!』
ゲシッ!!
『グハァ!!オい!!逃げたゾ!!』
『隊長!!隊長!!応答をお願いします隊長!!』
「先輩!!ミナさんが!ミナさんが!!敵にやられました!!隊長は今敵から逃走中の模様です!!」
「よし、さっきの道に戻って追いかけるぞ!!メロ!付いて来い!!」
「承知致しました」
まさかここでミナがやられるなんて、生きていてくれミナ!!
♢♢♢♢♢♢
………ここか、ミナは何処だ?隊長は何処え行ったんだ?
「ミナ!!隊長!!居たら反応してくれ!!」
「先輩!!ここにミナさんが!!、ミナさん大丈夫ですか?しっかりしてください」
「ふ…2人とも…来て…くれたん…ですか…」
「あぁ来たよ…君は十分な活躍をしてくれた、隊長を守ろうとしてくれた…もし君が死んだとしても君の死は無駄にはしないよ…」
「あ…あり…がとう…ございます…あと…隊…長は…向こうの…ほう…に行き…ました…」
パタン…
「………ジュン…ミナを頼む、俺は隊長を追いかける、ミナを降下艇まで運んでやってくれ」
「了解です、先輩…」
ガガッガーガガガガッ…
『こちらエコー20-7、応答願います』
『こちら特殊部隊アルファ、どうしました?』
『降下艇の修理が完了した、負傷者がいるなら今すぐ向かう』
『今すぐでお願いします」
『了解した』
「メロ!!この星のマップは表示出来るか?」
「はい、表示できます」
と言うと壁にこの星のマップらしき物が映し出された、どうやらリアルタイムで表示されている、墜落したD班の降下艇が映されて居た、その奥には『アンノーン』の降下艇が写って居た。
「メロ、ここから、ここ(アンノーンの降下艇)までどれ位距離がある?」
「そう遠くはありませんが、乗り物が必要かと」
「ジュン!俺のバギーを使え、もうすぐ降下艇がくるはずだ、バギーの救難信号装置を作動させとけ、俺は先に行って隊長の使ってたバギーを使う」
「了解です!」
「メロ、案内を頼む!」
「承知致しました」
まず最初にD班の降下艇まで向かって武器を調達しないと、今のアサルトライフルだけじゃ威力が弱い…ついた、これはひどいな左右のエンジンが大破している、隊員の死体が転がっている、武器は大量に散らばって居た、その中から使える、ハンドガン二丁、スナイパーライフル一丁、ロケットランチャー、アサルトライフルもう一丁と弾薬、グレネードなどなどを持って行った、そして少し行った所で、『アンノーン』降下艇を見つけた。
「メロ、この艇に侵入出来そうな所はないか?」
「少々お待ちください…艇背面に侵入口を発見しました」
「わかった、まずは艇の前方に敵をおびき寄せないと」
そして俺は、グレネードを投げた、派手な爆発音と同時に敵がワラワラと出てきた、それと同時にそこにロケランを撃ち込んだ、結構な数の敵の死体が出来た、それでも敵は艇から次々と出てくる、だいぶ中の敵が出た所で背後から艇に侵入した、その時に入って来た入り口にC4を仕掛けた。
「メロ、俺と同じ種族の生態反応を探せるか?」
「お安い御用です………この先右に曲がった部屋の中にいます」
タッタッタッタッ……ウィーン
「ん?今なんデ開いたんダ?マァいい、外に応援に行かないト」
「……」
「……」
「敵は出て行ったか?」
「現段階では室内に敵生態反応はありません」
俺は慎重に室内に入った、中は薄暗く牢屋がいくつもあり、ビーム格子で閉じられていた、その中には、隊長や、軍曹、その他UNSA隊員がいた。
「隊長!隊長!大丈夫ですか?」
「…ん?エ!エメル!?なんでお前がここに、まさかさっきの騒ぎはお前が…」
「無事で何よりです隊長、怪我はありませんか?」
「あぁ、かすり傷ぐらいだ、あとこの奥に格子を解くボタンがあるからそれを押してくれ」
「了っ」
奥にはこの部屋の制御盤があり、ボタンを押すと全ての格子が解除された、隊長と軍曹含む13人がいた、後11人の隊員に話を聞いたところ、E班も全員死亡していた、着陸時に攻撃されたとのこと、残りはA、B、C班だけとのこと脱出するには十分な人数だ
「そうだ、エメル!!ミナはどうなった!?」
「……ミナは…わかりません俺が駆けつけた時には酷い出血量で、今はジュンが降下艇まで運んでいる頃です」
「それはまずいぞエメル、血の匂いでグールが寄ってくるぞ」
「軍曹、もしかしてグールと戦闘を?」
「あぁ、捕まる前に建物前で警備していた中に知能のあるグールが二体いた、俺の部下は助かったが、C班の隊員が数名喰われた」
「隊長、今すぐ行きましょうジュンを先に行かせたのは俺の責任です」
「だがエメル武器が今ないんだ」
「心配ありません、隊長と軍曹の分の武器は持ってきましたから」
「でかしたぞエメル!」
「他の隊員は、アンノーンの武器を使って下さい」
「了解しました、エメルさん」
「で?エメル今思ったんだがこの浮遊している奴は?」
「そいつがあれか?リングキーのヒントになるって言う」
「初めまして私はリングの案内役の〈MDE・RF1-29〉長いので"メロ"とお呼びください」
「親切なロボットだな」
「隊長関心してる場合では」
「そうだな、こいつの話は後で聞くとして、よし、全員武器は持ったか?」
「はい!!」
「これより、ここから脱出する!!全員生きて帰るぞ!!」
「了っ!!!!」
と、その時…ドカーン!!
「敵か?」
「いやさっきの音は僕が、入り口に仕掛けたC4が炸裂した音かと」
「まずいぞ敵が戻って来てるな、全員急いで外に出ろ!!」
なんとか艇からは脱出したが、外には大量の敵が待ち構えていた!?