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しるし3(詩集)

上を向いた薔薇

作者: さゆみ




斜めに舞う雨の糸

傘からはみ出した左腕に絡みつく

グレーのジャケット ブラック気味

早足で歩いてく


花が葉が拾う雨の糸

溢さぬようにキュっと玉結びが並ぶ

クリスタルの吐息 後を絶たない

もう堪えきれない


閉じる傘

抜ける改札

たたむ傘

昇るエスカレーター

乱れた髪

湿ったホーム

数分だけ遅れる電車

何度も謝るアナウンス


下り電車

先頭車両

疎らな人

もし逃げ出せるなら

冴えない勇気

ただ下り続ける

車窓の外は通りすがり

雨に滲んでも馴染まない


改札の外 消え入りそうな雨の糸

横道に逸れると大輪の紫陽花が誘う

群青の中に聳え立つ 一輪の薔薇

高く遠く紅く

決して下を向かなかった


高く遠く紅く

僕を見ようとはしなかった





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― 新着の感想 ―
[一言]  雨と雑踏の中で咲く一輪の薔薇の力強さがうまく表現されているなと思いました!
[一言] ∀・)確かな生命力を感じました。それでいて綺麗というか何というか。何とも言えない魅力を感じます。とてもお洒落な作品ですね♪
[一言] こんばんは! 読ませていただきました。 雨という陰鬱とした景色の中でバラの花が際立って魅かれました。
2016/06/19 21:39 退会済み
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