言葉よりも雄弁に。
嘘もほんとも関係ないよ。
どっちも同じ。
「あんたなんて大キライ」
フン、としょっちゅう顔をそむけてすねるのも。
「仕方ないから分けてあげる」
調理実習で作ったお菓子をラッピングして渡してくるのも。
泣きながら、「そばにいて」とそでをつかんで僕を引き止めるのも。
どちらも僕を好きってイミには変わりない。
好き、という一言が君には難しい。可愛くない言葉が嘘でも本当でも関係ない。
君の頬や耳を染める感情。
それは大きな目を釣り上げさせもすれば、やわらかくほどいて笑わせもする。
どちらも同じ。それと変わらない。
だから構わない。
「大キライ」
君が何を言おうと、僕の気持ちは揺るがない。
「大好きだよ」
ぱっと伏せられたかお。唇を悔しげに噛んで、肩を怒らせて、拳を握った君の耳。
ああ、真っ赤だね。
それが、君の素直じゃない言葉の代わりに答えてくれる。
好きだよって。