キスだけで終わり?
姉妹百合です。
微弱な欝展開ありです。
ご注意下さい。
夏を制する者は受験を制す。
そんな事言わなくても分かっている。
そんなの勉強が出来る奴だけが言えるんだよ!
ボフッ…居間のソファーに仰向けになる。
普段なら『女の子がはしたない!』とお母さんの注意が入るが明後日までお姉ちゃんと二人きりだ。
お母さんの注意も学校での出来事も明後日に見送り。
こんな時だけ単身赴任のお父さんにお礼したい。『お母さんを連れだしてくれてありがとう』
「模試…C.Dばっかり…お姉ちゃんみたいだったら…」
○○○○○○○○○○○
いつの間に寝てたんだろう…
…あっ!お姉ちゃん帰ってたんだ…
??何でお姉ちゃんの顔近い……の?
なんで…
なんで…わたし…キスしてるの?
お姉ちゃんが離れていく何か言わなきゃ…
「お姉ちゃん私が寝てるあいだに…酷いことするね!」
私は重い身体を起こすとそのままソファーに座る。
「!!」
「何驚いてるの?お姉ちゃん!」
「……あの、あの…違う…の……」
お姉ちゃんは喉に何か詰まらせているみたいに声を搾りだしているみたいだ。
私はお蔭でスッキリしたよ!
「え?何が違うの?」
「………ごめん…なさい。」
「答えになってないよ?それに何
に対してのごめんなさいなの?」あははー
「…」
「私ね、初めてだったんだよ…」
「…だ、だ、から…ごめ…」
「さっきから、ごめん、ごめんって九官鳥の方がもっと喋るよ?」
「お願い… この事は…お父さんとお母さんには…」
「言わないでほしいって虫が良くない?それに私に言うことと、することが有るんじゃないかな?」
「わたし、どうしたら…許してくれる?…なにをすれ…ばいいの?」
「出ました優等生の『ごめんなさい』『もうしません』『許して下さい』そして『何をすればいいか?』」
笑っちゃう、本当に笑っちゃう!
「それって『社会には悪い人がいます』『悪い人をどうしたら良いのでしょう』『皆さんの意見ありますか?』ってのと変わんないじゃん!」
「そこで出た意見をそつなくこなすのは、お姉ちゃんには簡単だよね!」
「…ごめんなさい」
「なら、親切に教えてあげるよお姉ちゃんの希望だし♪私にナニをしたか先ずは言ってみよう。」
「ごめんなさい」
「いや、ごめんじゃなくて…早く言いなよ!これじゃ私が酷いことしてるみたいじゃん…被害者なのにね。」
「…わた…しは、寝てい…る妹に…キ、キス…」
「それじゃ分からないよ!小学生だってましな答え出すよ?これじゃ0点!!やり直し。」
「わたしは、寝てる妹にキスしました…」
「さっきからキス、キスって!そんなに自慢したいならスレ立ててなよ『寝てる妹にキスしましたが何か?』ってさぁ」
「……うっううう……」
姉は、とうとう泣き出した…
「泣けば、許されるなんて思わないでよ?変態!!」
「!?…わたし…変態じゃ…」
「寝てる同性しかも妹に…溜まった欲望を向けたんだよね?」
「…ごめんなさい」
「私が、起きなかったらキスだけで終わった?」
「…分からない」
「分からないこと無いよね…自分の事だよ?……それにまだ自分が普通なんて考えて無いよね?妹にキスしてる時点で立派な変態だよ♪」
「…ぐっ。」
「じゃあ変態お姉ちゃんは、何をしてどう感じたか言いなさいよ!」
「わたしは、寝ている妹を欲望の…は、はけ口として…き、キスしました…もう…もう許して…許してよ~」
「何ですか?私、許すって言いました?」
無言で首を左右に振るだけの姉。目には精気もなく力すら感じられなかった。
「…ったくバカじゃないの?お姉ちゃんストレス発散って何かしてる?」
「…ストレス?」
「その様子だと健全でも不健全でもストレス発散してないね…だから私にぶつけてきたんだ。」
「ん。」
「お姉ちゃんは私のことどう思ってる?」
「ずっと、好きでした…本当に…本当に…」
「分かった、不問にするかわりに聞かせてくれないかな?『キスだけでおわり?』お姉ちゃん!」