台湾空襲 2
遅くなってすいません!
台南統合防空指揮所
加藤建夫中佐は、目の前の大きな机に広げられた台湾の地図を見ていた
傍らでは部下が、彼我の航空部隊を模した駒を指示された場所へ移動させている
既に戦闘の編隊は、台湾の防空識別圏に達しようとしている
管制官1
「50FR、36機全機迎撃高度に到達」
管制官2
「続いて、24FR迎撃高度に到達、機数は34」
通信兵
「恒春電波監視所より入電『敵爆撃編隊より小型機の編隊が分離、50FRに向かう』
以上です」
加藤はうなずいた、ここまではすべて狙いどうりである
電探が敵編隊を捕捉し、迎撃に出た味方が爆撃機と護衛機を分離させた
敵の目標は、台湾方面を担当する第10方面軍司令部のある台北、海軍警備府がある高雄
陸海軍の航空基地がある、恒春・台南・佳冬・潮州・屏東・新竹・台中だろう
これは容易に予想がついたため、迎撃には使えない爆撃機・輸送機・練習機等は既に
北部の飛行場に退避している
また、この時のために大本営は戦闘機だけでなく、多数の対空砲も台湾に送り込んでいた
主力は、88式7センチ半野戦高射砲から、99式8センチ高射砲に代わっていた
他にも、海軍から拠点防空用に固定砲床の98式10センチ高角砲を導入し、
3式12センチ高射砲も運び込んだ
5式15センチ高射砲という怪物まで持ち込んだ
これは、射程26000mで欧米にもあまり見られない超大型砲であった
これらの対空砲と、25・40ミリの各種対空機銃によって『高射回廊』を構成していた
日本陸海軍は準備万端で、米軍の来襲の待ち構えていたのだ
米軍爆撃編隊は、その罠にまんまと引っかかったのだ
ご意見ご感想よろしくお願いしますm(__)m