9話 大帝国混乱
今回は大帝国に集点を当ててみた。
南エリアの防衛戦が終わり大帝国中央エリアに帰る車でクルーズとギリカは、
「今回は近年にない被害だな」
「すみませんね。俺の力不足のせいで」
「責めてる訳じゃねえよ。相手が悪い。重力魔法、雷魔法の使い手なんて雑兵共じゃ無理だ。まぁ、被害を抑えるためにも重力魔法使いの娘は殺しておいて欲しかったがな」
「ぐっ、雷魔法使いに邪魔されたんですよ。それがなけりゃ殺せてましたよ」
「あ〜、主従関係ぽかったもんな。ただ連携は取れてないな。2人がかりなら俺に勝つ可能性が出たものを」
「そうですか? 全然そうは見えかったですけど」
「重力魔法で動きを鈍らせられた状態だと流石に厳しいな。まぁ、それでも勝つのが俺なんだけどな」
(結局勝つのかよ。バケモノが)
今回の防衛戦について話していると中央エリアの中心にある大きな建物、セントラルセンターに着く。
「それじゃ今回の防衛戦について大帝に報告してくるわ。お前はしっかりと治療してもらえ」
「久しぶりの休暇楽しませて貰いますよ」
「そんな事言えるくらいならお前も報告会に来るか?」
「勘弁してくださいよ。止血剤のおかげで出血死を免れただけで致命傷には変わらないんですからね」
「だったら軽口叩くんじゃねぇよ」
ギリカを乗せた車を見送りセントラルセンターに入る。ここは1階が兵士の訓練場、2階が裁判場、3階が大帝の間となっている。そんな3階にある部屋の扉をノックしてから入る。
「遅れました。五天星筆頭、クルーズ参上しました」
部屋には他の五天星である、東エリアのブライ、西エリアのフウカ、西エリアのカズキが到着していた。そして部屋の奥にて大勢の医者、看護師に囲まれている白髪の老人がいた。その老人が大帝、ギールスだ。
「揃ったようだな。それでは南エリアからの報告を聞こうか」
「はい。南エリアはオズワルドからの今年3回目の襲撃があり防衛戦に挑みました。新兵器もあり早々に決着が着くかに思われましたが向かうは重力魔法と雷魔法の使い手を投入した事により巻き返して南エリアの五天星、ギリカを瀕死に追い込まれてしまいました」
「ふむ。重力魔法に雷魔法か。珍しい魔法だ。そして戦争において脅威だ。ギリカが瀕死に追い込まれるのも仕方ない。しかし、お主なら勝てたはずだが? クルーズ」
「天候の悪化により雷魔法有利な戦場となりましたのでそのまま戦闘を続行してはいたずらに兵士を潰すだけでしたので撤退しました」
「もっともな理由であるが今回はダメだ。重力魔法、雷魔法は貴重な研究素材だ。兵士が全滅しようとも回収するべきだ」
「分かりました」
「報告にあった重力魔法と雷魔法使いを殺した者には莫大な報酬をやろう。もし生け取りなら次期大帝の座をくれてやる」
「「「「!?」」」」
大帝の座をくれてやる発言にざわつく五天星。そしてざわつかせるだけざわつかせてから大帝は医療班に連れられて奥に消えるのであった。大帝がいなくなった後も報告会は続き東エリアで辻斬りが横行しているという事であったがすぐに落ち着くだろうという事で話はすぐに終わり報告会は解散となった。クルーズが最後に部屋を出て、
「大帝の座ね。もう死ぬのかもな。あの爺さんも」
なんて言葉を吐いたら、
「それは大帝への不敬になるのでは? クルーズさん」
西エリアの五天星、赤髪美女のフウカが話しかけてきた。
「フウカか。何の用だ?」
「別に用なんてありませんよ。ただ今回の報告会はピリピリしてたな〜って」
「そりゃそうだろ。大帝の座を確約するような話が出たんだからな」
「でもあの条件を達成出来るのなんてあなただけでしょ?」
「重力魔法使いは箱入り娘って感じだから五天星なら誰でも生け取りの可能性があるが雷魔法使いは無理だな。殺しがOKならブライが可能だな」
「ブライさんですか。そのブライさん担当の東エリアの辻斬りは何者なんでしょうね」
「興味ない。どうせブライが斬り殺して終わりだ。だから巻きで報告会が終わったんだろうが」
「それもそうですね。私の考え過ぎでしたね」
辻斬り程度にどうこうなるような事はないと考えていたのだがその夜東エリアにて、
「お前が辻斬りか。派手に殺ってくれたな。俺の部下を」
ブライの前には数十人の兵士の死体とその死体を作り出した犯人がいた。真っ黒なコートを羽織りフードを深く被っているので顔は見えない。しかし、強者の圧力を放っていた。
(強いな。俺たちクラスはある)
自分たち五天星に並ぶ実力者だと判断し抜刀する。
「だが相手が悪かったな。俺は五天星筆頭を超え」
言おうとした言葉は出る事はなかった。何故なら首を斬られたからだ。ブライは判断を誤った。辻斬りは圧を抑えていた。油断を誘うために。それに気づけない時点で彼は負けていたのだ。五天星の1人を殺した辻斬りは闇へと消えていくのであった。そして翌日には大帝国全土に五天星死亡のニュースが流れて混乱が起きるのであった。
敵国の最高戦力早速退場!! 犯人は誰だ!?
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