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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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36話 敗北者たち

オズワルド襲撃は終わった。敗北者となったライガたちはどうなるのか

 オズワルドのフルール家長女であるアリス・フルールとクウガ、マタタビの3人によるオズワルド襲撃。これによりオズワルドは崩壊した。絶対的女王であるアリア・フルールの死亡。3つある王家も女王候補は生き残っているがそれ以外は全滅。それぞれが抱える魔法騎士団もほぼ全滅。生き残りも魔法騎士として生きるのを辞めてこれからの身の振り方を考えるしかない。国民はアリスたちにより殺された者は少数だったのだが大帝国の大帝であるクルーズが万が一の保険として自身が死んだ時に大帝国からミサイル全弾をオズワルドに発射するよう仕向けていた。クルーズの心臓近くにはセンサーが埋め込まれておりこれが心臓の停止を確認したら大帝国のミサイル制御装置が機動するという仕組みだ。これにより大帝国からオズワルドへ天を埋め尽くすほどのミサイルが発射された。これに対して迎撃出来る者のほとんどはアリスたちにより殺されるもしくは足止めを喰らっており何も出来ずにいた。むしろアリスの邪魔をさせないためにクウガとマタタビが迎撃していた。しかし、あくまでもアリスの邪魔をさせないための行動なので王宮へのミサイルを迎撃してもその他の場所へ着弾するミサイルには無視を決め込んだ。これによりオズワルドの国民はほとんどが死亡。無事に生き残った者たちも今後どうなるが分からずに途方に暮れていた。そんなオズワルドから脱出している者たちがいた。


「何とか脱出出来たわね」


 オズワルドの東にあるソーン家の緊急隠れ家に穴が開かれてそこからステンノ、ライガ、アルス、アルフリートが現れた。ステンノ以外はボロボロであるが無事に脱出を果たした。襲撃があったあの日にステンノは、


「お前にソーン家の秘技を授ける」


 という事で代表であるメルトに呼び出されたのだが、


「結構ですわ。お父様」


 それを断ったのだ。


「何故だ? 確かにソーン家はほぼ女王確定の所まで来ているがそれをより確かにするには秘技を手にするのが良いというのに」

「そうですね。でも人間を辞める気は私にはありませんので」

「・・・・・・知っていたのか」

「屋敷でこそこそしていたのが気になったので穴を使って後をつけてみたらスタイル兄様が生きていたんだもの。驚いたけどそこからは1人で頑張って調べたんですよ。お父様たちが何なのかを。そして、魔神の存在を知った」

「お見事! 良く調べたね。流石は私の娘だ」

「穢らわしいバケモノの血が流れてると思うとゾッとしますね」

「無理矢理魔人にしても良いのだがお前の魔法を相手にするのは面倒だな。女王陛下に手伝って貰うとしよう。楽しみにしていろ」


 そうして別れた後にオズワルド襲撃が起こった。ステンノは穴に潜伏して他の女王候補を隙を見て助け出したのだ。


「脱出したは良いけどそいつどうする? 死にかけだけど」


 ステンノの言うそいつとはライガのことだ。ライガはクウガにより瀕死の重傷を負った後に大帝国からのミサイルにより瓦礫に埋もれた。それでもまだ生きてはいた。


「死ねない。アルス様を女王にするまで死ねない! 何よりあいつに、クウガに負けたままで死ねる訳がねぇだろうが!」


 何とか起き上がり残り少ない魔力で雷化して瓦礫から脱出したがそこで完全に魔力切れを起こして意識をなくすのであった。そこをステンノに回収されたのだ。


「傷は私が焼いて塞いではいるけどまだ予断を許さない状況ですね。どうします?」

「助けるに決まってるでしょ。ライガは私の騎士なんだから」

「回復魔法使いは今回の襲撃で死んでいるわよ。誰に助けを乞うのかしら? オズワルドは敵を作り過ぎている。他国の医者に診てもらうのは不可能よ」

「オズワルドのやり方に反対した魔法医がいるでしょ」

「あ〜あの変わり者?」

「誰ですか?」

「貴女が知らないのも無理ないわね。貴女が生まれてすぐにオズワルドを出て行ってるからね。あの人は」

「だから誰なんですか! 2人だけで話を進めないでください!」


 2人だけが知っているのが気に入らないアルフリートに急かされる。

 

「オズワルド最高の回復魔法使いがいたのよ。名前はメイカ。あらゆる病気、どんな怪我も治す事が出来る名医として王宮にスカウトされたけど落ちこぼれを迫害する女王のやり方が気に入らないからこれを拒否してオズワルドを出て行った男」

「その男を頼るという訳ですか。でも居場所を知っているのですか? そもそもオズワルドのやり方を気に入らないから出て行った男がオズワルドの人間を助けるんですか?」

「その疑問はもっともね。それでも今は彼を頼るしかない。場所に関しては予想がついている。休憩が終わったら行くわよ! 落ちこぼれ集落へ」


 こうして敗北者となった女王候補たちは落ちこぼれ集落へと向かう事を決意した。そして、


「全くオズワルド襲撃のせいで怪我人だらけじゃねぇか。まぁ、稼ぎ時ではあるがな」


 噂の中心となっている人物はというと落ちこぼれ集落に流れて来たオズワルドの魔法使いの怪我人たちから金を巻き上げるのに忙しそうにしてはいつつも嬉しそうであった。

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