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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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33話 オズワルド襲撃 ライガvsクウガ

王宮にたどり着いたライガを待ち構えているのは、、

 マタタビがルーン家のオッズを殺したのとほぼ同時刻、ライガは王宮へとたどり着いた。


「無事でいてくれよ。アルス様」


 扉を開くとそこには、


「はっ?」


 懐かしい人物がいた。魔法騎士の試験から行方をくらませていた小さい頃からの親友であるクウガがいた。


「久しぶりだな」

「クウガ、なのか?」

「それ以外の誰に見えてるんだよ」

「いや、その足元にあるもの」

「? あぁ、雑魚だったな」


 そう言って足元にあるものをクウガはライガへと蹴り飛ばす。それは大帝国の五天星3人と大帝、クルーズの首であった。


「本当にお前がこれを?」

「そうだよ。その言い方だと俺には出来ないとでも思ってる口ぶりだな。まるで俺がお前より弱いみたいな言い方だな。昔からお前はそう言う所があるよな。本当にそう言う所が嫌いなんだよ」


 クウガからライガが今までに感じた事のない殺意を感じて構えるが、


「遅いな」


 声が後ろから聞こえて振り向こうとしたが、


「あ、れ?」


 どさりとライガは倒れる。腹を切られているのに遅れて気づくがもうどうしようもない。


「雷魔法というオズワルドの歴史においても最強の呼び声高い魔法を持ちながらこの様だ。お前は弱いんだよ」

「何で、、こんな、事を、、」

「俺の主が望んだからだ。俺は主のためなら何だってする」

「だ、誰なんだ」

「薄々気づいているんじゃないのか。それとも本当に分からない愚か者なのか?」

「第一王女、アリス様、、か」

「そうだ。そもそも俺が魔法騎士を目指したのは第二王女であるアルス様の誕生日パレードに同席していたアリス様を見たからだ。お前はアルス様に俺が見惚れていると思っていたようだがな。親友だと思っている割に俺の事を何にも知らなかった。そんなものなんだよお前は」


 首を斬り落とすつもりで刀を振り下ろすクウガ。それに対して涙を流すライガ。


(お前は俺の事を親友だと思ってなかったのかよ!)

「雷化か。致命傷を受けた状態で発動とは中々やるな」


 雷化は致命傷を受けた状態でやると完全回復する。しかし、魔力消費が激しくなる。元々魔力消費の激しい雷化を使う際には本当なら万全の状態でなければならない。それでも使用しなければ死んでいた。


「お前を親友として俺が止める! お前を殺してでもな!」


 必殺の雷がクウガを襲う。雷速による攻撃を普通の人間が避けられるはずもなく黒焦げの死体となるクウガ。それと同時に魔力切れで雷化が解除される。


「はぁ、はぁ、まだだ。少し休んだら女王の間に行くぞ」


 ごろりと寝転がり休息を取ろうとするライガであっが、


「俺を前にして休む暇があるのか?」

「はっ?」


 声がする方を向くと先程黒焦げになったクウガが無傷でいた。そのクウガがゆっくり歩きながら説明する。


「俺は魔法を使えない。おそらく国内引いては世界でもトップクラスの魔力量を誇っていてもだ。だから鍛えた。肉体を。魔法が必要ないレベルまで。それはお前も知っている通りだ。だがお前も知らない事がある」


 そう言ってクウガは自分の右腕を斬り落とす。


「な、何をしてんだ」

「実演した方が分かりやすいだろ。俺の力を」


 その言葉が終わる頃に右腕が再生していた。


「か、回復魔法」

「じゃねぇよ。俺は魔法が使えない体質だ。それはお前も知ってるはずだが? それすら忘れたのか。だとしたら本当に哀れだな。これは種の生存本能だ。俺が致命傷を負うと自動で膨大な魔力を消費して自己修復が始まる。だから俺を殺すなら脳と心臓の両方を同時に破壊しかない、、、、らしい」

「らしいだと?」

「魔力は心臓と直結してるからそこを破壊すると同時に脳は俺意識をシャットダウンする必要があるからだとアリス様は判断した。前例がないからあくまで推論だ」


 そして説明を終えて刀をライガの心臓へと突き刺そうしたところで、ピリリリリとクウガの通信機が鳴る。


「んだよ。どうした?」

「ちょっとやばいにゃ。大帝国の方向からえげつない量のミサイルが来てるにゃ! アレを全部迎撃は無理にゃ! 撃ち漏らしは任せるにゃ!」


 そう言ってマタタビは通信を切る。


「何やってんだ。あの馬鹿は、、、、!!」


 ドカン!! と轟音と共に王宮の一部が吹っ飛ぶ。


「チッ、撃ち漏らし多すぎだ。本当に何してるんだよ。あの馬鹿はよ」


 マタタビへの文句を言うクウガが空を見ると、


「あ〜確かにこれは面倒だな」


 空を埋め尽くすほどのミサイルが大帝国からオズワルドへと降り注いでいた。それをマタタビが錬成したであろうミサイルが迎撃しているが物量は大帝国のミサイルが上だ。


「アリス様の邪魔をさせる訳にはいかねぇな。トドメを刺さなかったのはクソだが。瓦礫に潰れて死んだだろ」


 視線の先、そこはライガがいた場所であったが今は瓦礫の山となっている。そこの下にライガはいるようだがそれを崩してまでライガにトドメを刺す気はないようだ。何故ならクウガはアリスのために動くからだ。クウガは外に行き大帝国からのミサイルを迎撃に向かうのであった。


(それにしてもこれだけの規模のミサイルを発射してどういうつもりなんだ大帝国は本国の戦力を使い切る気なのか。そんな事をしたら敵国に隙を突かれるだろうに)


 大帝国はオズワルドが宿敵であり最優先事項であるが他にも敵国はいるし多い。それにも関わらずこれだけのミサイルを発射するのはクルーズが事前に決めていた事だ。万が一自分が死んだら大帝国のミサイルを全弾発射するように心臓と発射スイッチを連動させていたのだ。どうせ自分が死んだら僅かな時間で大帝が2人死んだ事になる。そんな国はどうせ遅かれ早かれ崩壊する。だったら潔く兵器を使い切り敵国に攻め込まれた際に降伏しやすくして国民を死なせないようにするという作戦だ。事実、この数週間後に大帝国は敵国に攻め込まれるのだがミサイルを全部使い切り、大帝と五天星のいない大帝国は抵抗せずに降伏して吸収されるのであった。長い歴史を持った大帝国の終焉は意外にも平和な形で実現した。そして、オズワルドの終焉も近づいているのであった。

次回はアリスvsアリアとソーン家

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