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3話 第二王女、アルス・フルール

ヒロイン登場!!

 無事に魔法騎士団となったライガはフルール家の屋敷勤めとなった。そんなライガを案内するのはフルール家の魔法騎士団団長のダズだ。ダズにライガは疑問をぶつける。


「王宮ではないのですか?」


 この疑問は当然といえば当然だ。何せフルール家当主である・フルールが現女王だから王宮勤めだと思うのが普通だ。


「新米がいきなり女王様の護衛が務まると思っているのか? 女王様の護衛になりたいなら経験を積む事だな。まずは第二王女、アルス様の護衛だ」

「了解」


 有望株として指名を受けたライガであるが新米だ。そんなライガの最初の担当は第二王女である。


(まぁ、美女とはいえ中身は60のババアの護衛なんて嫌だし。元々アルス王女の護衛がやりたくて魔法騎士を目指したから助かるな)


 と思っていたが、


(待てよ。ここで活躍して特別枠でクウガを招集しようと思ったが活躍したら女王専属になっちまう。そしたらクウガの王女の騎士になる夢潰しちまうじゃん!)


 やべ〜なんて思っているライガの事など知らずにダズは、


「ここが騎士団員の宿舎だ。お前の部屋は18号室だ」


 ライガの今後の住む場所となる宿舎と部屋番号を教えた。宿舎は流石は王族の屋敷の一部だけあってデカい。部屋も勿論デカくて正直1人部屋には広すぎて落ち着かない程だ。そんな部屋で1人となり、


「さ〜てどうやってクウガを魔法騎士にするかな」


 元々考えていたのは魔法騎士団長となってクウガを特別枠で招集するつもりだった。しかし、団長ともなれば王女ではなく女王の護衛となってしまう。そうなってもクウガを王女の騎士にする事は出来るが自分が離れ離れになってしまう。


「俺も王女の護衛がいいんだよな〜。でもそれだとクウガを招集出来ないんだよな〜」


 そうやって悩みに悩んだ末に、


「俺が我慢すればいい。あいつを、クウガを魔法騎士にするために頑張る!」


 親友の夢を選んだ。それに女王が退位して第二王女が王位を継承すればクウガと共にいれる。長い長い計画になるがそれで構わない。そうして新たな計画を立てたライガは強くなるために訓練場に向かうのであったが、


「誰もいねぇ」


 広い訓練場があるのにも関わらず誰もいないのだ。


「1人でやるしかないのか?」


 今まではクウガという相手がいたから良かったしおかげで強くなれた。しかし、1人での訓練ではあまり経験が積めない。それでもやるしかない。1人で黙々と訓練していると1人の魔法騎士が訓練場に入ってくる。


「何だ? 新入りか? 精が出るな」

「先輩ですか? 新人のライガと言います」

「よろしく。つ〜か訓練は別にいらねぇぞ」

「何故です?」

「そりゃ俺たちよりも王家の方の強いからさ。それでも護衛となる魔法騎士があるのはブランディングだよ。「自分の家はこれだけ優秀な魔法使いを雇っているんだ!」っていうね。そういう訳だから訓練やめて飲み行こうぜ! 安心しろよ! 先輩として奢ってやるからよ!」


 そう言って昼間から飲みに誘う先輩に、


(マジかよ。想像してなかった。魔法騎士がゴミみたいな集団なんて)


 絶望していた。魔法騎士は選ばれたエリートのみのはずが実際は訓練に励まずに酒を飲むだけのゴミだった。


(王女様にお近づきになりたいとか思ってる俺やクウガも大概だろうが()()には及ばない)


 心の中で既に先輩をこれ呼ばわりだ。そんな先輩のご機嫌を取るために仕方なく飲みについて行くしかないのかと諦めていたら、


「あら? 珍しく人がいるじゃない」


 現れたのは第二王女、アルス・フルールだ。金髪の青目が綺麗なスタイル抜群の美少女。そんな人物の登場に、


「アルス様!? な、何でここに!?」

 

 慌てる先輩。


「何ってここは訓練場よ。訓練するために決まってるじゃない。あんたらみたいな酒浸りのクズとは違うのよ」

「も、申し訳ない」

「全然申し訳ないって思ってないでしょ。ほら、邪魔だからとっと消えて」

「はい。ほら、行くぞ新入り」


 先輩はライガを連れて訓練場を出ようとするが、


「アルス様。俺、、、、じゃなくて自分は今年の魔法騎士試験合格者のライガ・ルーツと言います。よろしければ訓練に付き合ってもよろしいでしょうか?」

「ば、馬鹿か! お前! アルス様は次期女王候補だぞ! お前なんかが訓練に付き合える立場じゃねぇ!」


 との訓練を申し出たライガを先輩は叱り無理矢理連れて行こうとするが、


「良い度胸してるじゃない。ライガと言ったわね。良いわよ。あたしの訓練相手として認めるわ。但し、死んだら自己責任よ」


 殺気を放つ。それにビビって先輩はダッシュで逃げる。


「問題ないですよ。アルス様こそ負けたからってクビにしたりしないでくださいよ」

「中々言うじゃない。それじゃあ始めるわよ」


 そう言った瞬間に寒気がライガを襲う。


(ここにいるのはやばい!!)


 瞬時に後方に下がる。その瞬間元々いた場所に穴が空く。


「重力魔法か!」

「正解。それにしても初見で良く避けたわね。褒めてあげる」

「お褒めにあずかり光栄です」


 そう言って雷撃を放つが直前で雷撃がガクンと下に堕ちてアルスには届かない。アルスの周囲には常に重力の壁があって攻撃が堕ちるようになっている。周囲に常に重力の壁を貼るなんてのは魔力消費が激しいがそれでも問題ないだけの魔力量をアルスは持っている。


「雷魔法か。殺傷力ならトップクラスね。良い魔法だけどあたしには及ばないわね」


 雷撃を防いでみせたのもあって余裕そうなアルスであるが、


「アルス様。流石に過信ですよ」

「えっ? きゃああああ!!」

 

 そう言って真上から雷を落とす。真上からの攻撃には重力の壁は無意味。なす術もなく雷を喰らうアルスなのであった。


「アルス様。大丈夫ですか?」


 ぷすぷすとほんのり焦げているアルスに近寄るライガ。


「大丈夫よ。はぁ〜負けた〜」


 悔しそうにするアルス。


(勝ったのは正解か? クビにならないよな)


 不安そうにするライガに、


「安心しなさいよ。負けたからクビになんて器の小さい真似を次期女王候補がする訳ないでしょ」


 そう言って立ち上がるアルス。


「それにしても他の騎士団員と違って私にへこへこしないのね。あんただったら任せられるわね」

「何をですか?」

「私の専属護衛をよ。光栄に思いなさい。第ニ王女、アルス・フルールの騎士になりなさい。拒否権はないわよ」


 魔法騎士初日にしてライガは第二王女であるアルス・フルールの騎士となるのであった。

来週も投稿します。よろしくお願いします!!

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