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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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27話 魔神誕生

 ドラゴンを倒した3人はいよいよ目的を達成するために禁忌領域の中心へと向かうのであった。

「それじゃあ行きましょうか」


 ドラゴンを片付けていよいよアリスたちは禁忌領域の中心にある穴へと潜る。その穴にはご丁寧に階段がありまるで誰かを待っているようであった。そんな階段を3人は降りる。その最中にマタタビは質問する。


「こんな場所に何があるんにゃ? それも一国のお姫様が欲しがるようものがあるとは思えないんにゃが」

「私が欲しいのは世界を変える力ね」

「はにゃ〜、デッカく出たにゃ。本当にそんなものがあるのかにゃ」

「あるのよ」


 そうしては1番下まで降りる。そこはもう太陽の光も届かないほどで闇が広がる。


「錬金‘松明’」

「便利だな」

「にゃっふっふっ。もっと褒めろにゃ」

「ふふっ、ありがとね」


 松明による明かりで穴の中の様子を把握すると横穴があった。そこを進む。


「ドラゴンもいるくらいだし他にも何かがいると思いましたが拍子抜けするくらいに何もいませんね」

「楽でいいにゃ」

「そうね。それにもう着いたわ」


 そう言ったアリスの視線の先には大きな謎の塊があった。


「うにゃ〜、黒くて不気味にゃ。これが世界を変える力ってやつかにゃ?」

「そうよ。正確に言えばこの子の力の根源よ」


 そう言って谷間から魔神を取り出す。


「何にゃそれは? そんなモノが存在していいのかにゃ」


 毛が逆立ち警戒するマタタビ。とても小さな存在だが明らかに異常な気配を漂わせる魔神に冷や汗をかく。


「魔神と呼ばれるはるか昔に存在した最強の存在よ」

「魔神、魔神なら爺ちゃんに聞いた事があるけど。魔神なんてもんは初めて聞いたにゃ」

「どうする? 今なら引き返せるわよ」

「そう言っても引き返した瞬間殺す気にゃね」


 背後にいるクウガが刀に手を置いたのを感じる。


「クウガ。ここまで付き合って貰った恩を仇で返す気? それは私の品位を落とすという事よ」

「申し訳ありませんでした。出過ぎた真似でした」


 そう言って刀から手を離す。


「安心して頂戴。殺す気はないわ」


 人に安心感を与える笑顔のアリスであるが全く安心出来ないマタタビは、


「本当かにゃ〜。あんたは世界を変えるといったにゃ。世界を変える時にゃ〜は生きてるのかにゃ?」

「そうね。ここまで来たら私がどのように世界を変えるかを教えてあげるわ」


 そう言ってアリスの口から語られた世界を変える方法に口をぽかんと開けるマタタビ。


「本気で言ってるのかにゃ。というか実現出来るのかにゃ」

「実現してみせる。そのためにここまで来たのだから」

「おみゃ〜は良いのかにゃ?」

「この人の進む道が俺の道だ」

「はにゃ〜凄い忠誠心にゃね」

「それでどうする?」

「面白いにゃ。おみゃ〜らの結末を見たくにゃった」

「ふふっ。それじゃあ改めてよろしくね。マタタビ」

「よろしく頼むにゃ。アリス様」


 そう言ってマタタビは片膝をついてアリスの手を取る。そうして新たな配下を得てアリスは、


「それじゃあこの力の中に私はこの子と一緒に入ります。邪魔は入らないと思うけど邪魔が入りそうなら消しておいてね」

「「了解」」


 そう言ってアリスは力の塊の中に入る。それを見てから、


「本当に良かったのかにゃ?」

「さっきも言っただろ。あの人の道が俺の道だと」

「そうじゃないにゃ。アリス様が魔神になる事についてにゃ。力を得るって要は魔神になるって子なんにゃろ?」

「そうだ。だがそれがどうした? 人だとか魔神だとか関係ない。俺の主はアリス・フルールだ」

「そっかにゃ。だったら新参者のにゃ〜はこれ以上何も言わないにゃ」


 そうして2人は引き続け見守るのであった。そうして2人に見守られる中で魔神は、


(ようやくだ。ようやく俺様の力が元通りになる)


 魔神は最強()()()。とある人間が現れるまでは。その人間は異常だった。魔神の配下である魔人を虫ケラのように蹴散らし世界の9割を支配していた魔神の勢力圏をどんどん取り戻していった。そんな人間を殺すために魔神は動いた。しかし、


「ば、バカな」


 敗北した。その人間は圧倒的だった。肉体も精神も魔力も超一流だった。魔神ですら手傷を負わせるだけに終わった。そんな存在によって魔神は殺された、、、、、、はずだった。魔神はトドメを刺される前に力の一部を逃がしていた。そして、自分を討ち果たした人間が寿命を終えても尚隠れ続けた。自分が完全な力で復活出来る時が来るまで。そうして出会ったのがアリス・フルールだ。アリスは魔力がなかった。それゆえに魔神の器として最高の存在であった。おまけに王族であるがゆえに王族に隠れ潜んでいる魔人を殺して取り込むのにも都合が良い。


「いよいよ貴方と必要になるのね」

「そうだ。お前を器として世界最強の存在であるこの俺様が復活する(まぁ、お前の自我は消えるがな)」


 そうして2人は混ざり合う。


(いよいよだ。これで俺様は復活する。ありがとうな。バカな小娘でいてくれて)


 ほくそ笑む魔神であったが、


「なんて思っているんでしょ?」

「なっ!?」

「甘く見過ぎね人間を。貴方は人間に負けたというのに学習しないのね」

「実際お前はあの人間に劣る。というよりも全ての存在は俺様よりもあの人間にもな」

「そうですね。私は貴方や貴方を討ち果たした人よりも劣るでしょう。でもね、この世界を恨む気持ちだけは貴方達よりも上だからね、貴方の力は私のもの。さよなら」


 そう言って魔神を手に取るとそのまま口に放り込み飲み込んでしまう。


「ごちそうさま」


 アリスは魔神を取り込む事に成功した。そして、


「ただいま」


 力の塊も吸収して無事に魔神となったアリス・フルールが向かう先は、


「行こうか。オズワルドへ」

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