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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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25話 禁忌領域

クウガとアリスのお話

「禁忌領域ですか」

「えぇ、そこが魔人たちが産まれたとされる場所だそうよ。そこへ行ってこの子の力を蓄えるわ」

「分かりました」


 禁忌領域は名前の通り誰であっても入るのが禁じられている領域である。これは世界の常識である。


「何故入ってはいけないと言われてるんですか?」

「謎なのよね。これも生き残った魔人が禁じたんじゃないかしら。自分たちの出生を知られたくないから」

「なるほど」


 そんな領域に2人は目の前まで来ていた。


「ふふっ。楽しみね」

「力をつけられるからですか」

「旅行なんてした事なかったのよ。ずっと深窓の令嬢だったから」

「そんな事に喜ばずともこれからはどんな所にも行けますし、俺はどんな所にも地獄にだってついて行きますよ」

「そうね。ありがとう」


 そう言って2人は禁忌領域へと足を踏み入れた。禁忌領域は深い森だ。普通の森と違うのはコンパスが効かない点。森には魔力が満ち満ちている点だろうか。


「拍子抜けですね。てっきりバケモノがいると思ったんですがね」

「そうね。でもこれなら目的地に簡単につけそうね」

「目的地は分かるんですか?」

「勿論と言いたいけど私は分からないの。この子が近づいたら教えてくれるそうよ」


 そう言って寝てる魔神を撫でるアリス。


「とにかく今は中心部と思われる場所を目指しましょう」


 そう言って歩みを続けようとしたアリスをクウガは止める。


「戦闘音がします」

「あら? 禁忌領域特有の獣かしら?」

「すみませんがなるべく音を出さないようお願いします」


 クウガの指示通りになるべく音出さないようにするアリス。クウガは集中して戦闘音を聞くと、


「獣と人ですね」

「禁忌領域に私たち以外に人がいるのね。先住民かしら?」

「そこまでは分かりません。我々のように目的を持って禁忌領域に来てる人間かもしれません」

「ん〜どうしようかしら。あまり人に会いたくないけど先住民なら会っておきたいのよね」

「場所は特定しました。近くまで案内出来ますよ」

「それじゃ案内お願いね」


 当然のようにお姫様だっこするクウガとされるアリス。そして2人が森を進むと、


「デカいな」

「あんな生き物がいるのね」


 見た目はクマに近いが大きさが全然違う。そんなバケモノと対峙しているのは、


「女の子?」

「ですね。ただ普通ではないですね」


 バケモノと対峙しているのだから普通ではないのは当然だが明らかに普通の人間じゃない特徴を持っていた。


「あれが自前のケモ耳と尻尾ならあの子は獣人だね」

「獣人ですか?」

「魔人同様に消えた種族だと思っていたけど禁忌領域で生きていたんだね」


 獣人は名前の通り獣の特徴が強く出ている人間だ。そんな獣人の女の子がバケモノグマと戦っている。


「強いですね」

「そりゃそうでしょ。あんなバケモノと戦っているんだから」

「違いますよ。あんなのは大した事ないですよ。大帝国の五天星やその直属の部下なら倒せるレベルです。あいつはその五天星以上の強さを持っています」

「へ〜、それは凄いね。もしかしたら貴方よりも強い?」

「それはないです。白兵戦で俺より強い奴は存在しませんよ」

「ふふっ、そうだね」

「それでどうしますか? 現地人ですし接触しますよね」

「勿論。友好的なのを示したいし一緒に戦うのが良いかな?」

「獲物を横取りしたと思われるのでは?」

「う〜ん。そうなったら分からせちゃおっか」

「了解」


 そう言って2人は茂みから出ると、


「そこの貴女〜突然だけど協力させてもらうよ〜」

「邪魔にゃ! こいつにゃ〜の獲物にゃ!」

「にゃ〜にゃ〜うるせぇ」


 クウガの予想通り協力を申し出たら反発された。そんな一瞬の会話の隙にクウガがバケモノグマの首を斬り落とす。それを見てアリスはパチパチと拍手する。


「お見事。流石だね」

「当たり前だろ」


 のんびり会話する2人に、


「何なのにゃ。お前らは。この森の者じゃにゃいな」

「そうだね。この森の里から来たの。私はアリス・フルール」

「その専属騎士、クウガだ」

(何なのにゃ。2人とも人間にゃのか。こんなバケモノが森の外にはゴロゴロいるのかにゃ)


 警戒する獣人少女。そんな少女に、


「おい、名乗ったんだ。そっちも名乗れ。礼儀がなってないぞ」


 そう言って刀の柄に手を置くクウガに、


「こ〜ら。こちらは勝手に彼女たちの領域に踏み込んでるのだから警戒して当然でしょ。だから刀から手を離しなさい」

「了解」


 叱られたのでクウガは刀を手を離す。


「私たちはこの森の中心に用があるの」

「中心? あそこにはバカデカい穴があるだけにゃ。そんな所に何をしに行くのにゃ」

「力を得にね。案内して貰える?」


 アリスの提案に、


(んにゃ〜、断ったら殺される可能性があるくらいにはこいつら強いし大人しく案内するしかにゃいか)


 自分が勝てるような相手ではないと理解して案内する事を決めた。


「分かったにゃ。案内してやるにゃ。マタタビにゃ」


 クウガとアリスは獣人の少女マタタビとの禁忌領域の中心へ向かうのであった。

 

禁忌領域の中心へと向かうアリスたちを待つものとは

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