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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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24話 決裂

クウガとアリスが消えた翌日のお話

 オズワルドはパニックとなった。理由はお見合い中に第一王女のアリス・フルールが誘拐されてお見合い相手の・ソールが殺されたからだ。そんなパニック状態であるにも関わらずライガとアルスはルーン家の屋敷に呼ばれていた。


「気持ちは分かりますがあからさまに不機嫌にならないで下さい」

「うっさい! というかあんたに言われたくないわよ! あんたも似たようなもんでしょうが」


 アルスの不機嫌顔を注意したライガであるがアルス同様に不機嫌な表情をしていた。ライガは親友であるクウガがアルスは姉のアリスが消えたのだから当然だ。しかも消えた翌日に呼ばれたのだから不機嫌にもなるというものだ。


「こんな状況であたしたちを呼んでおいて大した用事じゃなかったら屋敷ごとぶっ潰してやる」

「そんな事したらフルール家とルーン家で戦争になりますよ」

「勝てば良いのよ」


 物騒な会話している内に屋敷に到着する。前回と同じ使用人の案内で客室に案内されて、


「すまないね。忙しい時に呼び立ててしまって」

「全くですよ。それで今回呼んだ理由は何ですか」

「ちょっと! お父様に失礼じゃない。アルス・フルール」

「構わないよ、アルフリート。大事な姉君が誘拐された翌日に呼んだんだ気が荒くなるのも当然だ」


 アルスの態度に怒りを露わにするアルフリートとは違いオッズはアルスの態度に理解を示す。


「ご理解頂いているのなら何故今日はあたしたちを呼び出したりしたのでしょうか」

「今回呼んだのは魔人についてだ。オズワルドは歴史ある国にも関わらず魔人について記された本が一冊もない。これはおかしい。どんなに古く伝聞が難しいにしても一冊もないどころか関連するような本もないのはおかしい。君もおかしいと思っただろう」

「そうですね。まさかと思いますが意図的に消したと?」

「理解が早くて助かる。処分されてるね。間違いなく。そしてオズワルドの歴史書を管理しているのは代々ソール家だ。それが意味するのは」

「ソール家の人間に魔人がいる」

「そういう事。ソール家全員なのか一部なのかまでは分からないがね」

「ですがお父様。これだけではソール家を追い詰めるのは無理ですよね」

「そこは問題ではないよ。何せソール家は長男と三男が死亡しているからね」

「本当に死んでいるならですよね」


 死んだと思われていた大帝、ギールスは魔人のため生きていた。ソール家の人間が魔人だとしたら長男と三男が生きている可能性は十分にある。


「いや、死んでいてもいなくても問題はないよ。死んでるならソール家の弱体化は確実。生きてるなら魔人である証拠となり攻め込む事が出来る、、、、と言いたいのだが死んだと思われていても生きる事が出来る生存能力だ。勝てる可能性が限りなく低い」

「ですが一度は滅びかけた種族です。不死身ではない。殺す手段は絶対にある」

「そうだね。だからそれを探るのに協力してくれるかい?」

「分かりました、と言いたい所ですがお断りします」

「はぁ! 今の流れなら協力するでしょうが!」

「お姉様の安否が最優先。これは譲れません」

「その事についてなんだがちょっといいかな?」

「何ですか?」

「本当にアリスくんは誘拐されたのかい?」

「どういう意味ですか」

「三男坊は殺されたのにアルスくんだけが誘拐されるというのはおかしくないかい?」

「何が言いたいんですか」

「アルスくんは、いいや、アルスはオズワルドの裏切り者だという事だ」


 言ってはいけない言葉を放ちアルスがキレる。


「今ここでソール家を潰してもいいのよ」

「おや? 私たちは協力関係のはずでは?」

「ならその関係は決裂よ。さよなら。帰るわよ、ライガ」

「はい」


 バタンと扉を壊すつもりで勢いよく閉めて出ていくアルス。そんなアルスを見送って、


「青いね。あんな挑発に乗って協力関係を放棄するとは」

「良いのですか? 協力関係があったほうが魔人への対抗手段を得られると思いますが」

「問題ない。魔人に関する書物が処分されていたと言ったがね。実はボロボロのものが一冊だけ見つかってね。時間はかかるし他国の協力が必要だが復元が出来そうなんだ」

「そうだったのですね」

「だから私たちルーン家だけで十分魔人に対応可能だから。美味しいとこ取りのために協力関係を破棄したかったんだよ」


 オッズはわざとアルスがキレるように誘導したようだが、


「絶対わざと怒らせましたよね。アルス様の事を」

「知ってる。だけど良いわ。オズワルドらしくお姉様を落ちこぼれ扱いする連中と協力関係を結んだ所でいつかは決裂していた。遅いか早いかの違い。魔人は向こうに任せてこっちはお姉様たちの捜索よ」

「了解」

 

 ソール家は魔人対策を、フルール家というかアルスたちはアリス捜索を考えている中ソール家はというと、


「どうやらルーン家の連中が魔人の存在に気づいたそうです」

「そうですか。ですが何の問題もありません。ルーン家如きには私たちを殺せません」


 メルトとアリアが何やら悪巧みをし、


「まずは禁忌領域に行きます」


 アリスとクウガは禁忌領域へと向かう事を決めていた。各陣営が動き出す。

 


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